MRの将来

株価から所属するMRの将来を予想する【内資大手編その2】

MRの将来

こんにちは。

現役MRのリョウタです。

以前、株価から所属するMRの将来を予想する【内資トップ3編】株価から所属するMRの将来を予想する【内資大手編】を書きました。

今回は他の大手製薬メーカーを3社ピックアップして、その株価から会社の将来の将来を予想してみたいと思います。

会社の将来はそこに所属するMRの将来にもかなり影響してくると思います。

株価は今ある事実とある程度の将来性を折り込む性質があるかと思いますが、これから明らかになることについては折り込みようがないです。

要するに、株価で長期的な将来を予想するのは非常に難しいということです(笑)。

それでも、過去から今まで長期的にどのくらい評価されてきたかということを確認することはできると思います。

普段はなかなか超長期的な株価チャートを見る機会がない方もいらっしゃるかと思いますので、製薬メーカーの長期株価チャートを見る機会を作るというのも何かの参考になるんじゃないかと思った次第です。

ではどうぞ。

国内で存在感ある大手製薬メーカーの株価

前回の内資大手編では売上高で国内5位のエーザイまでを取り上げました。

今回は6位の中外製薬と7位の大日本住友製薬をまとめてみたいと思います。

どちらの企業も国内では大手の1角であり、存在感のあるメーカーですね。

どちらのメーカーも最近までは似た株価推移を示していたのですが、直近では動きが大きく異なっています。

中外製薬

中外製薬はカテゴリーで言うとスイスのロシュグループで外資系ですが、もともと国内の企業でしたし、東証一部に上場していることからこのコーナーで紹介することにします。

この会社は1943年に創立した老舗の製薬会社で、当初はブドウ糖などを生産する会社でした。

当時は腎性貧血治療薬のエポジンや好中球減少症治療薬のノイトロジンが主力でしたが、2001年にタミフル、リツキサン、ハーセプチンを発売し、2002年にロシュ傘下に入って日本ロシュと統合すると、それからは快進撃が続いて現在に至ります。

株価も2007年のサブプライム・ショックの影響を受けたものの、それからは業績も株価も好調で、特に2012年末のアベノミクス以降の株価は絶好調です。

2020年の売上高ランキングでは国内で6位の中外製薬ですが、同年の株式時価総額ではダントツで1位となっていることからも、投資家からみて日本国内で最も将来性が高い製薬会社であることは明らかです。

その要因はやはり世界トップクラスのロシュ傘下であるということが非常に大きいんだと思います。

株価収益率(PER)は現在41倍で推移しており、第一三共と同様に製薬会社の中ではかなり割高な水準まで買われています。

これは、既存の製品ラインナップの評価はもちろんのこと、ロシュと中外製薬両社の有望なパイプラインが高く評価されているからに他なりません。

開発力において世界のメガファーマであるロシュの力を借りることができるというのは非常に大きなメリットになっています。

新薬の開発力において中外製薬は日本の製薬業界の中で、高校球児の中に1人だけプロ野球選手がいるくらい大きな差があります。

「将来性を買う」ということを考えた時、製薬業界であれば中外製薬の株を買うということが最も合理的であるのは間違いないですね。

中外製薬は2019年にリストラを実施していますが、それはリツキサン、ハーセプチン、アバスチンなど超大型製品のバイオシミラー参入を見据えてということと、MR大増員時代に増えすぎたMRを調整するという意味があると思います。

これは企業にとっては当然で必要なことになります。

しかしもともと日本企業であったこともあり、むやみやたらにリストラするタイプの会社ではないのでMRにとってはこれからも安心して仕事しやすい会社の一つなのではないでしょうか。

大日本住友製薬

大日本住友製薬は2005年に大日本製薬と住友製薬が合併して誕生した製薬会社です。

日本国内では7位と大手ですが、世界では40位前後と企業規模で目立つ存在にはなっていません。

それでも、グローバルでは抗精神病薬のラツーダが1900億円と、日本発では貴重なブロックバスターに成長し、存在感をみせています。

ラツーダは日本でも2020年6月に発売しており、ピーク時には200億円近い売上が期待できる製品ではあります。

しかし、北米では2023年にも特許が切れて後発品が出てくる可能性があり、これをカバーする新薬の開発が最重要になっています。

ラツーダは大日本住友製薬のグローバルでの売上の約4割を占めており、特許が切れれば業績へのインパクトは甚大です。

同社はそれを回避すべく、この数年間でいろんな手を打ってきています。

1つはSEP-363856という自社開発の新薬候補です。

こちらはラツーダと同様に抗精神病薬ですが、新しい作用機序を有する化合物で、現在フェーズ2に進んでいます。

もしも発売することができたら、ラツーダを超えるブロックバスターに成長することが期待されています。

2つ目として、およそ3,000億円をかけて当ブログでも紹介したロイバント・サイエンシズ社と戦略的提携を締結しています。

これによって複数の新薬候補を手に入れることができるのですが、なかでも開発が進んでいて期待できるのは、子宮筋腫や前立腺がん治療薬の「レルゴリクス」と過活動膀胱治療薬の「ビベグロン」です。

2製剤とも計画通りの適応症で発売することができれば、売上高1,000億円クラスの製品になるポテンシャルがあり、社運をかけてロイバント・サイエンシズ社に投資した見返りは十分にあるということになります。

また、その他にも自社開発、ロイバント社開発ともに新薬候補は充実しており、上記の開発品が成功してラツーダの特許切れによる売り上げ減をカバーすることができれば、次の成長軌道に乗っていける可能性も高まります。

株価としては、2019年1月に切れるとの主張があったラツーダの特許が訴訟の和解成立によって2023年以降に伸びたことが好感され一時的に大きく上昇していました。

しかし、期待されていた抗がん剤のナパブカシンの膵がん適応を目指した臨床試験に失敗し、株価は再び元の水準に戻ってしまいました。

現在の株価収益率(PER)は約10倍と低くなり、現状では国内の製薬メーカーの中でもかなり割安なところまで売られました。

これはつまり、将来性に対する期待への投資がほとんどなくなってしまった状態です。

売上の4割以上を占めているラツーダの特許切れをカバーして成長軌道に戻れるかどうかということが、現状では不透明なために買いが少なくなってしまっているんですね。

正直、会社の命運はラツーダショックをカバーできるかどうかにかかっていると言えるでしょう。

カバーできなければ売上の激減が避けられませんので、近い将来には日本のMRも減らされる可能性も考えなければいけないのではないかと思います。

大日本住友製薬のMR数はすでに何度かリストラをしてMRを減らしており、現在は1120名まで減っています。

大手の中ではMR数は多くありませんのでここから大きくリストラする可能性はそこまで大きくないかもしれませんが、MR減少時代であることを考えるとやりやすいという意味でも注意は必要ではないでしょうか。

まとめ

国内6位の中外製薬と7位の大日本住友製薬は、売上高は近いですが、株価は現状で正反対の状態になっています。

将来に対する見通しの明るさもあるとは思いますが、営業利益率の差もあると思います。

大日本住友製薬は10%代なのに対し、中外製薬の営業利益率は40%近いですからね。

この2社を比較するなら、やはり中外製薬の方が会社としての将来は明るいですし、従業員であるMRの将来性も同様かと思います。

しかし、大日本住友製薬も買収や提携など積極的に動く企業ですし、内資系の中では自社開発力もありますので、私も応援している企業の一つです。

日本の新薬開発力は全体としても確実に上がってきていると思いますので、日本の基幹産業にするべく今後も頑張ってほしいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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