有望な会社

新しいビジネスモデルを持つロイバント・サイエンシズは業界の台風の目になるか?

有望な会社

こんにちは。

現役MRのリョウタです。

ニューヨークで2014年に設立されたバイオベンチャー企業のロイバント・サイエンシズってご存知でしょうか。

非常に若い会社ながら他に類を見ない独特のビジネスモデルで近年、投資家や同業から注目を集めています。

2020年現在ではまだほとんど売上もない会社ですが、将来大きく成長する可能性がある魅力的な会社ですので、まだ知らない方に情報共有したいと思います。

ロイバント・サイエンシズとは

Roivant Sciences,Incは2014年にCEOのヴィヴェック・ラマスワミー氏によってニューヨークに設立されたバイオベンチャー企業です。

創業者のヴィヴェックCEOはヘッジファンド勤務時代に製薬会社のパイプラインが様々な理由で開発中止になることを知り、それらのパイプラインを買い取って開発することにより大きくコストを抑えながら新薬を開発するビジネスモデルを思いつき、この会社を設立しました。

実際、およそ90%の臨床試験は失敗してしまうそうです。

また1つの新薬を開発し上市までこぎつけるには26億ドル以上かかると言われていますが、ロイバント・サイエンシズはこのように臨床試験に失敗してしまった開発品を買い取って別のアプローチで開発することで新薬開発にかかるコストを数十分の一に抑えながらパイプラインを拡充しています。

開発に失敗した新薬候補をロイバント社に売却する会社にとっても様々な点でメリットがあります。

・失敗した臨床試験のコストを回収することができる

・契約によってはロイヤリティが発生する可能性がある

・臨床開発のリソースを整理することができる

買い取った開発品は「~バント」と名づけられた各領域に特化したファミリー企業に開発させています。

ファミリー企業の中では2016年にMyovant SciencesがNYSEに上場していますし(NYSE:MYOV)、2018年にはUrovant SciencesがNASDAQに上場しています(NASDAQ:UROV)。

2020年4月現在ファミリー企業は18社あり、またメルクやアストラゼネカなど提携している企業も15社以上ありますし、14領域で45種類以上のパイプラインを持っています。

フェーズⅢに進んでいる化合物も10以上あります。

すごく良く考え込まれたビジネスモデルですよね。

設立からまだ6年弱しか経っていませんが、さまざまな大手製薬企業との提携や投資を得ており、これからも短い期間で大きく成長していく可能性のある面白い企業です。

日本企業も続々とロイバント社と提携を行っています。

主な日本企業との提携は以下のようなものがあります。

武田薬品と合弁会社設立

2016年6月に武田薬品と婦人科および前立腺がん治療薬を開発するMyovant Sciencesを共同設立しました。

また、武田薬品から前立腺がんや子宮内膜症に対するGnRH受容体拮抗薬のTAK-385と不妊症治療薬オリゴペプチド・キスペプチン受容体作動薬TAK-448の2つを取得しています。

TAK-385は国内ではすでにあすか製薬に導出され、レルミナという商品名で上市されていますね。

TAK-448はRVT-602として海外でフェーズ2まで進んでいます。

Myovant社は先ほど紹介したようにNYに株式上場していますし、ビジネスとして順調なのではないでしょうか。

第一三共と提携

2018年には第一三共と治験薬に関するパートナーシップ契約を締結しました。

どのようなパートナーシップかというと、ロイバント社は事前の契約に基づいて第一三共から特定の開発プログラムの独占ライセンスを取得することができるという契約です。

要するに、第一三共は自社で開発しきれないくらい様々な領域でパイプラインがあり、これらの中で自社開発が困難になった化合物を素早くロイバント社にライセンスアウトして開発してもらうということでしょう。

素人目で見ても非常に効率的な提携ですので、この提携が上手くいけば今後はロールモデルとして他の会社もマネするようになってくるでしょうね。

大日本住友製薬と戦略的提携

日本企業との提携で最も話題になったのがこれです。

2019年9月に大日本住友製薬がロイバント社と戦略的提携に関する契約を締結しています。

大日本住友製薬はロイバント社本体の株式10%を取得すると同時に、ロイバント社の5つの子会社の株式も取得します。

大日本住友製薬のロイバント社への投資金額は3200憶円と過去最大の投資を行いました。

この背景には、売上の4割を誇り大日本住友製薬の収益の柱ともいえる抗精神薬のラツーダが2023年に海外で特許切れを予定しており、その穴埋めのために期待されていた膵がん治療薬のナパブカシンも生存期間延長の主要評価項目を達成できず中止になってしまったため、急いで代替の収益源の獲得が必要だったのです。

ロイバント社の子会社が開発している子宮がん治療薬のレルゴリクスと過活動膀胱治療薬のビベグロンは海外でフェーズⅢも終了し申請中ですし、かつブロックバスター化が期待されており、すぐにラツーダの穴を完全に埋めてくれるところまではいかないもののかなり貢献できそうです。

大日本住友製薬にとっては大きな投資ですが、内資系の会社でこういった大きな決断ができる経営陣も多くありませんし、日本企業として是非成功させてほしいですね。

将来性抜群の新ビジネスモデル

有望な新薬を見つけて会社ごと買収してしまうというのが今までの世界のメガファーマが行ってきたビジネスであり、製薬業界の主流でした。

しかしこのビジネスモデルは無駄も多く、目的だった化合物の開発に失敗すると会社に与えるダメージが大きすぎるというデメリットもありました。

しかしこのロイバント社のビジネスモデルは他社が一度失敗した開発品を激安で買い取り、上市できるよう独自に上手くやり直すという非常に合理的というか、低リスクハイリターンの手法ですよね。

ボロいマンションなどをリノベーションして再販売する不動産業者のような感じで、成功すればただでさえ利益率が高い製薬業界の中でも抜きん出て高収益の企業になるのではないでしょうか。

そうすれば他社もマネをしていくと思いますので、ひっそりとお蔵入りする開発品が減りますし、化合物の買い取りや交換が活発になり新薬開発も経営も効率化されていくんじゃないでしょうか。

ソフトバンク傘下のファンドも1000憶円以上を出資していますし、この会社が有望であることはかなり間違いないでしょう。

非常に注目の会社ですので、なにかニュースが出てきましたらこのブログでもまた記事にしたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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