こんにちは。
現役MRのリョウタです。
ノバルティスファーマが営業所を全て廃止すると発表しましたね。
前から準備していたのでしょうが、新型コロナで外勤自粛の中での廃止はちょうど良いタイミングではないでしょうか。
業界の大手企業が次々とオフィスを削減していくのは完全にトレンドになっていますが、MRの私たちの心配事はオフィスのことではありませんよね。
今回は、製薬業界の支店や営業所削減から予想できる流れについて記事にしました。
ノバルティスファーマの営業所完全廃止
2か月ほど前にアステラス製薬が支店を廃止すると発表しましたが、こんどはノバルティスファーマが営業所をすべて廃止するようです。
6事業所は残しているとのことですが、基本的には営業部長や流通推進、開発、メディカルなどしか入ることができないようになっているみたいです。
元は76もあった営業所を全てなくすとなると、相当な経費削減になったでしょうね。
「製薬会社も支店や営業所は統合されていくという話」でも触れましたが、製薬会社以外でも支店などのオフィス削減は進んでいて、代表的な会社でいうと野村証券が2019年に25支店を閉鎖・統合しています。
これによって野村証券は年間14億円の経費削減効果を見込んでいるということでしたが、ノバルティスファーマの76の営業所廃止も億単位の経費削減が見込めるのではないでしょうか。
特に外資系製薬会社の日本法人は売上額はもちろんですがそれよりも利益をいくら本国に上納できるかというのが経営層にとってのノルマですから、オフィスを減らしてもさほど売上が下がらないのなら他の外資系日本法人も追随するのは間違いないでしょう。
また、私の会社もそうですがバイオベンチャー系の多くははじめから支店も営業所もありません。
全て自宅で内勤を行って直行直帰ですし、営業所会議は会議室を借りてやっていましたが新型コロナ以降はそれすらもやらないでほぼZoomでやる可能性大です。
それで売り上げが伸びているモデルケースがあるのであればもはやオフィスを置く理由はありませんね。
10年以内にほぼすべての製薬会社の営業所は消える
内資系企業でもガラパゴスな中堅企業はわかりませんが、まずは外資系、その次は内資系大手という順番で製薬会社の支店や営業所は統廃合されていくと思います。
今までやや躊躇していたのは、支店や営業所をなくして売上が顕著に落ちると取り返しがつかないからという理由だけだったのだと思います。
バイオベンチャーのモデルケースで問題なさそうだということはある程度分かっているところに、ノバルティスファーマのような大手がそれをやりはじめてある程度上手くいったらこの流れは加速していくでしょう。
大手だけでいうと10年もかからないのではないでしょうか。
廃止するとすぐに経費削減効果が出ますので早い方がいいに決まっています。
とりあえずこんな経費がすぐに削減できますね。
・オフィス賃料とその光熱費
・共用備品
・内勤者などの人件費
・通勤コスト
備品や人件費は全てをなくすことができるわけではないでしょうけど、削減するオフィスの数が多いだけに削減効果は大きいはずです。
しかしこれはコストカットとしてはメインではありません。
メインは今後長期的に計画しているMR数の削減であることは間違いないでしょう。
「人員削減のためではない」と言っても、数年かけて徐々にMRを削減するあいだに今回のコメントを覚えている人なんて誰もいませんからね。
こうしてMRは3割になる
現在ノバルティスファーマは2000名前後のMRが在籍しています。
これは業界でもトップクラスのMR数ですね。
ノバルティスファーマがMR数を今のところあまり減らしていないのは、まだプライマリー領域の製品売上の占める割合がバカにならないからであり、すぐにシフトチェンジできないからというだけです。
とりあえずこのタイミングで営業所を廃止しておいて、プライマリー製品の特許切れなどによってスペシャリティ領域の製品売上がメインに移行していく過程でMRが減らされていくでしょう。
世界屈指の製薬会社であるノバルティスが誇るスペシャリティ領域の製品群であればもはやシェアオブボイスなんて必要なくなりますからね。
その頃には甘めに見積もってもMR1000名以下になっているんじゃないかと思っています。
現在は社長が日本人ということでドラスティックなリストラができない可能性がありますので、もしも外国人に交代したらかなり怪しくなりますね。
まとめ
ノバルティスファーマは日本でも新薬をコンスタントに上市していますし業績が好調な会社の1つです。
そのノバルティスファーマがドラスティックに経費を削減するんですから、もはや聖域はないでしょう。
ノバルティスファーマでは76の営業所を廃止しても営業所長180名のポストはそのまま残しているそうですが、これも間違いなく数年で減らしていくでしょうね。
やはり業界のMR削減の波は止まりそうにありませんね。
45歳以下くらいの若いMRの方は特に会社の給料だけに固執するのはやめた方がいいです。
営業所がなくなるのを機にMRの仕事は8時間できっちりと終わって、残りの時間を有効に使うことをおすすめします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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