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ついに武田薬品がMRのリストラを断行か!?国内のMR減少が加速するか

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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

ついに国内最大手の武田薬品がリストラを検討しているということが報道されました。

メディアに対しては「フューチャー・キャリア・プログラム」という、これまた日本人らしいというか、体裁を取り繕うというか、パッと見でリストラとわかりにくいネーミングです。

内資系大手はここ最近、相次いでリストラでMRの削減を進めていますが、ついに武田薬品もリストラするのかという印象ですね。

まだどこかの部署限定なのか、それとも全体的なのかは明らかになっていませんが、MRも対象になっているとしたら「武田薬品がリストラしたんだから、ウチもやって大丈夫だな」という空気が業界全体に拡がる可能性が高まりました。

今後、さらなるMR減少の口火を切ったと言ってもいいでしょうね。

武田薬品のMRリストラ

7月10日、国内最大手の武田薬品がメディアの取材に対し、国内で希望退職を検討していることを明らかにしました。

今の段階では研究開発なのか、工場なのか、営業なのか、そのすべてなのか詳細ははっきりしていませんが、武田薬品の経営陣は2020年5月にもメディアを通じて下記のようなコメントを述べています。

従来型のモデルでは将来の日本市場で最適なビジネスができるとは思っていない。デジタルのエコシステムが構築される中でどう事業展開するかが鍵になる。」

これに営業部つまりMRのリストラが考慮されていないということはないはずです。

そうだとすると、今回こそはついに武田薬品でも公のMRリストラが開始されたことになります。

武田薬品は2010年代以降、研究開発の社員に対してグレーなリストラを断行してきた経緯があります。

ダイヤモンド・オンラインに掲載されましたが、ポストを削減することを発表し、公募という形で社員に応募させてイス取りゲームをさせ、あぶれた社員を退職に追い込むというやり方で、通常の希望退職を募集して優秀な社員が先に出ていくということを防いだと言われています。

武田薬品の巧妙過ぎるリストラ手法、製薬業界で相次ぐ「実質指名解雇」
企業が社員を解雇することが難しいとされる日本。しかし、企業があの手この手を使って「実質的な指名解雇」といえる方法を繰り出してくることもある。特集「人事大激変!あなたの評価・給料が危ない」(全12回)の第3回では、あらゆる業界の人事部にとって参考になるが、ターゲットにされた社員にとってはたまらないという武田薬品工業の巧妙...

しかし、退職金は60ヶ月程度上積みされたようですので、その当時は納得いかなかった社員がリークして批判を浴びたようですが、そこまでひどいリストラではなかったようにも感じます。

外資系の方がもっとストレートに指名解雇をやっていますので、やはり内資系企業は社員に優しいですね。

しかし、MRが2000人以上いるというのはいくら大手だとしても多過ぎるというのは外から見ていても思うことですので、経営陣からすると多過ぎる社員を早く減らしたいでしょうね。

武田薬品は2008年にアメリカのミレニアム・ファーマ、2011年にスイスのナイコメッド、2017年にアメリカのアリアド・ファーマ、そして2019年にアイルランドのシャイアーを買収しています。

それによって買収コストがかさみ、2014年の業績で上場来初の赤字転落になるなど近年は継続して利益を出せない経営が続いています。

どの買収についても「買収金額が高すぎる」とか「買収は失敗」という評価をする報道が目立ちますが、ミレニアム買収によって多発性骨髄腫治療薬のベルケイド、潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬のエンティビオなどのブロックバスターを手に入れていますし、アリアド・ファーマについても抗がん剤のアイクルシグやアルンブリグなどの有望な製品を入手していますので、大きな失敗ではないんじゃないでしょうか。

ナイコメッドはたしかにあまりメリットがなかったような気がしますが・・・。

そしてシャイアーは間違いなく武田薬品にとっては大きすぎる買い物でしたので、払い過ぎた借金を返済することはそうとう頑張らないといけないはずです。

いずれにしても、赤字計上というのは新興企業でない限り投資家から嫌気されますので、早期になんとかしなければいけません。

リストラをするのは海外の機関投資家へのアピールという側面も当然あると思います。

現状、世界的に見ても多過ぎる2000人オーバーというMRの数を減らさなければならないのは当然じゃないでしょうか。

「フューチャー・キャリア・プログラム」という体裁の良い名前をつけていますが、赤字経営からの脱却を急がなくてはならないことといい、過去のリストラ手口といい、外国人社長になっていることといい、生易しいリストラで終わるとは思えませんね。

内資系大手は皆MRリストラしている

外資系は早くからMRの削減を進めていますが、ここ最近は内資系大手が積極的にMRを減らしています。

内資系大手製薬メーカー10社の2015年と直近のMR数をまとめてみました。

今回、中外製薬は外資系ということで省いています。

内資系大手のMR数の推移
会社名2015年(およそ)2019年(およそ)
武田薬品工業2,3002,100
大塚HD1,2501,360
アステラス製薬2,4002,000
第一三共2,2002,200
エーザイ1,4301,000
大日本住友製薬1,3501,060
田辺三菱製薬1,8401,400
塩野義製薬1,2601,000
協和発酵キリン1,3501,280
小野薬品工業1,0501,130

2015年と比べて減少している会社は赤いマーカーで記載しています。

こう見ると内資系大手で多くの会社がMRの数を減らしています。

業績がジリ貧の内資系中堅ではまだほとんどの会社でMR数が減らない中、大手が先にMR数を減らしているんですね。

国内だけで2000人を超えているのは内資系では武田薬品、アステラス製薬、第一三共の3社のみですので、もしも今回武田薬品が2000人を切るようなリストラを行ったとしたら、他社も追随する可能性が高まりますね。

武田薬品の行動は製薬業界全体への波及効果が大きいだけに、ここは多くの人が注目すべきところです。

まとめ

内資系大手はグローバルでの環境を考慮し、5年先や10年先を見据えて動いているので動きが早いのですが、中堅では海外売上の比率が少ないかほとんどない企業が多いため、動きがゆっくりしているのではないでしょうか。

内資系企業が全体的に社員に優しいことや、内資系中堅は大手と比べて欧米の機関投資家からのプレッシャーをあまり受けないことがMRリストラの必要性を感じない要因になっているのかもしれません。

ですが、武田薬品が大きなリストラを行ったということになれば、今後は内資系中堅メーカーにも波及していく可能性は大いにあると思っています。

ある程度、経済的にも人生設計ができているシニア層のMRはいいかもしれませんが、私も含めて40代以下の多くの若いMRは本当に将来のプランについて真剣に考えなければならないと思います。

「会社や上司から高い評価を受けている」「仕事を真面目に頑張っている」ではどうしようもない、問答無用の人員削減がすぐそこまで迫っている雰囲気が、近年のMR削減からは漂っています。

突然、会社を退職せざるを得なくなるリスクは年々高まっていますので、それをなんとか防ごうとするよりも、その後もなんとかなる方法を考えて今から地道に実行していく方が難易度が低いのではないでしょうか。

MRの転職はそのための手段の一つということが言えます。

40代や50代でリストラされた時、それまで一度も転職したことがないMRというのは今の外資系企業からは非常に評価が低くなり、採用されにくくなります。

これは私の想像ではなく、転職エージェントから聞いた話です。

新しく挑戦するというのは不安がつきまといますが、不明確なものにチャレンジしていかないと淘汰される時代です。

現状維持では後退するばかりである/ウォルト・ディズニー

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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