こんにちは。
現役MRのリョウタです。
今年もAnswers Newsから製薬会社年収ランキングが発表されました。
昨年と比べて大きくは変わっていないように見えますが、少し昔と比べると顔ぶれが変わってきていますね。
時代の波を感じさせるランキングです。
今後のMRの年収はどうなっていくんでしょうか。
2020年版製薬会社の年収ランキング
2020年の製薬会社平均年収ランキングはこちらです。
順位 | 前年 | 会社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 前年比UP額 | 前年比UP% |
1 | 1 | ソレイジア・ファーマ | 1560万円 | 49.4 | 100万円 | 6.8 |
2 | 12 | アンジェス | 1275万円 | 52.1 | 343万円 | 36.8 |
3 | 3 | そーせい | 1189万円 | 46.7 | -52万円 | -4.2 |
4 | 5 | 第一三共 | 1127万円 | 42.9 | 29万円 | 2.6 |
5 | 7 | シンバイオ製薬 | 1096万円 | 49.3 | 19万円 | 1.8 |
6 | 6 | 武田薬品工業 | 1091万円 | 42.2 | -3万円 | -0.3 |
7 | 8 | アステラス製薬 | 1089万円 | 42.9 | 17.2万円 | 1.6 |
8 | 2 | サンバイオ | 1051万円 | 42.3 | -299万円 | -22.2 |
9 | 4 | エーザイ | 1037万円 | 44.4 | -62万円 | -5.7 |
10 | 9 | 大塚HD | 1032万円 | 43.8 | -23万円 | -2.1 |
11 | 11 | 中外製薬 | 1017万円 | 43.1 | 33万円 | 3.4 |
12 | 16 | 塩野義製薬 | 943万円 | 41.3 | 39万円 | 4.3 |
13 | 15 | 小野薬品工業 | 928万円 | 41.9 | 11万円 | 1.2 |
14 | 14 | キョーリン製薬HD | 920万円 | 45.3 | -5万円 | -0.5 |
15 | 19 | ブライトパス・バイオ | 917万円 | 45.3 | 45万円 | 5.1 |
16 | 17 | 大日本住友製薬 | 903万円 | 42.8 | 12万円 | 1.4 |
17 | 20 | 協和キリン | 861万円 | 42.4 | 5万円 | 0.6 |
18 | 13 | 大正製薬HD | 853万円 | 44.6 | -72万円 | -7.8 |
19 | 18 | 生化学工業 | 853万円 | 40.5 | -21万円 | -2.4 |
20 | 31 | ジーエヌアイグループ | 849万円 | 49.4 | 79万円 | 10.2 |
ベンチャー企業のソレイジア・ファーマが4年連続で1位に輝いています。
平均年収は前年よりも6.8%の100万円アップして1560万円となりました。
平均年収が1560万円というのにも驚きますが、昨年よりも6.8%賃金が上昇していることがなによりビックリですね。
2位にもベンチャー企業のアンジェスが昨年の12位からジャンプアップしています。
アンジェスは大阪大学の教授が立ち上げた製薬ベンチャーとして有名ですし、現在大阪大学と共同で新型コロナのワクチンを開発していることで脚光を浴びています。
昨年には国内初の遺伝子治療薬「コラテジェン」を発売しています。
株価も今年の3月以降たった3か月で5倍以上に上昇していますが、平均年収も昨年と比較すると36.8%の343万円も上昇しており、非常にバブリーな会社です。
3位も同様にベンチャー企業のそーせいがランクインしています。
そーせいはファイザーやアストラゼネカ、武田薬品、アッヴィなどそうそうたる大企業とパイプラインで提携しており、国内でも期待の高いベンチャー企業の1つですね。
2019年には日本の製薬ベンチャーで唯一黒字化を達成しています。
これ以外にも、ランキングにはシンバイオ製薬、サンバイオ、ブライトパス・バイオ、ジーエヌアイグループなどのベンチャー企業が入ってきており、国内の製薬企業の平均年収のトップにベンチャー企業が増えてきているのが今のトレンドになっています。
ただ、こうしたベンチャー企業の多くは日本ではMRがいない企業がほとんどで、創業時の経営陣と本社機能が社員の大半です。
そして、多くが黒字化できていないため、年収の増減も幅が大きくなっていますのでランキングのアップダウンも激しいですね。
今後はどうなる?
国内大手の製薬会社はというと、最も年収が高いのはエーザイというのが長く続いていたのですが、ついに第一三共になりました。
昨年から22.2%の299万円もダウンして4位から9位にランクダウンしていますが、これはリストラによって年収の高かった年配の社員が数多く退職したことが原因ではないでしょうか。
ベンチャー以外で平均年収が1,000万円を超えているのは第一三共、武田薬品、アステラス製薬、エーザイ、大塚HD、中外製薬の6社ですが、大手は少しずつ上がってきていますのでこのまま順調にいけばあと何社か1000万円越えをする企業も出てくるかもしれません。
まあ、内資系はどこも平均年齢が高いですから、高年収なのはオジサンばかりです。
リストラが進んで年配者が減っていくのなら、他の社員の年収が上がっていてもここに出てくる平均年収は横ばいとか若干下がっていくということもあり得るかもしれませんね。
それが企業の経営にとっては、人件費は大きく変えずに新陳代謝が進んでいるということですから良いということになるんだと思います。
現役のMRである私たちにはたまりませんけど(笑)。
まとめ
このランキングは製薬会社全体の平均年収のランキングですので、MRの立場では少し見方が違いますね。
ベンチャー系の平均年収の高さが目立っていますが、ほとんどMRがいませんので参考になりません。
国内大手の平均年収については、最近希望退職を実施している企業が多くなっており、光学な年収をもらっている年配の社員が辞めていっているので平均年収が上がりにくくなっています。
その中でも上がっている第一三共や中外製薬などは素晴らしいですね。
結局、日本では人口も減っていきますし、医療費も抑制されていきますし、医薬品のビジネスとしてはおいしくないです。
海外に出ていって売上を伸ばしていくことができる内資系企業は今後も成長して、MRを含む社員の年収も安定して上がる可能性が高くなります。
その反対に、国内に執着して未だに海外売上高が少ない企業はリストラの必要も出てきますし、残った社員の年収が上がるのも難しくなっていくでしょう。
どこの製薬会社の給料も一律に上がっていたのは過去の話で、これからはどこの会社が売上を伸ばしていけるかを考えながらMRをやっていかないと、泥船にいつまでも乗っていてはリストラの憂き目に遭いかねません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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