こんにちは。
現役MRのリョウタです。
ここ数年は外資系ベンチャーの日本市場参入が活発ですね。
数年前だと、ギリアド、バイオマリンファーマ、少し前だとアルナイラムやセルトリオン、インスメッドなどが相次いで日本法人を設立しました。
ここ最近でも、米国のインサイト社、スイスのイドルシア、デンマークのジェンマブなど、外資系のベンチャーが相次いで日本法人を設立して参入してきています。
しかし、日本に参入してくる前から有名な会社もあればそうでない会社もあるのに、なぜ外資系のベンチャーってMRの転職市場で人気があるんでしょうか。
今日はこの件について、現役外資系ベンチャーでMRをやっている筆者が考えてみたいと思います。
目次
外資系ベンチャーでMRをやる5つの魅力
数年前まではメガファーマを中心にMR転職が活発でしたが、プライマリー薬のブロックバスターバブルが崩壊してからはめっきり案件が出て来なくなりました。
最近はメガファーマでも国内でMRが2,000名以上いる会社はなくなってしまったくらい、MRは減り続けています。
その一方で、最近になって日本に法人を設立して新規参入してくる会社もちょくちょくありますね。
もともと知名度のある会社に販売委託していて自社販売に切り替える会社もあれば、まったく新しいピカ新を日本で販売するために日本法人を設立する会社もあります。
日本のマーケットは頭打ち感がありますが、それでもまだ世界でも有数のマーケットであるため、日本企業との合弁ではなくわざわざ法人を設立してまで参入する価値があると判断しているわけです。
そして、MRである我々もそういう振興のベンチャー企業に転職して働く価値が十分にあります。
実際に外資系ベンチャーでMRをやってみて感じる魅力を5つあげてみたいと思います。
1.ピカ新を扱える
外資系ベンチャーに転職する魅力は、なんといってもこれじゃないでしょうか。
ベンチャーは開発する薬の領域を絞りに絞っていますから、その領域でまだ上市されていないような、新しいメカニズムを持つ薬をひっさげて日本に参入してくることが多くなります。
これまで治療できなかった難病だったり、希少疾病を患っている患者さんに希望の光が差すような薬の場合、承認された瞬間に問い合わせが殺到します。
私のいる会社もそんな感じで、承認から発売後しばらくは3歩歩く度に問い合わせの電話がかかってきて、一日2度や3度の説明会実施はザラでした。
「売れない薬をいかにして売るか?」がMRの醍醐味ということも言えますが、自社製品を心待ちにしている人がいるというのをガッツリと味わうことができるのは、ピカ新だからです。
2.給料が高い
でも実はこれが一番かもしれませんね。
外資系バイオベンチャーはどこも給料が高いです。
理由は以下のような感じだと思います。
・日本は先進国かつ特殊な商習慣があるので、先行投資をケチっている場合ではない。
・日本で知名度がない場合、他社(特に大手企業)からMRを引抜かなければならない。
・基幹病院以上で使用するような製品が多いため、そこでの経験があるMRを引抜きたい。
・担当エリアが広くなるため、1人でひと通りのことがすべてできるベテランを採りたい。
・法人の立ち上げから新薬の承認に合わせてMRを揃えなくてはならず、スケジュールがタイトになるため、高い給料を出して早く頭数を集めたい。
本社機能としても、なかなかすぐに1からMRを教育する体制を整えることができないため、とりあえずなんでも1人でこなせるベテランが重宝されます。
また、細かな福利厚生を充実させることもできませんから、ある程度魅力的な給料を出さなければ応募すらしてくれない可能性がありますしね。
ただ、最近はリストラが相次いで転職市場にMRが溢れているので、給料の相場は下落傾向にあるらしいです。
3.RSU
そして、日本の文化にはなかった給与体系としてRSU(Restricted Stock Unit:譲渡制限付き株式ユニット)が非常に魅力的です。
何が魅力的かというと、RSUは自社株で現地通貨のまま支給されることがほとんどなので、株価が上昇して円安になったときには、普通のサラリーマンでは受け取れないような金額になることがあるということですね。
ベンチャー企業でも、新薬を上市できるような会社の株価は長期的にみると大きく上昇していく確率が高いので、まさに「高い確率で当たる宝くじ」を支給されているような感覚です。
最近では日本でもRSUを導入する企業が増えていますが、大半は役員クラス以上しか対象にならなかったりして、一般社員まで対象になる会社は限られています。
内資系の製薬企業で一般社員までRSUがもらえる会社はありませんし、他の業界の会社でも、今のところ楽天とメルカリくらいじゃないかと思います。
それが、外資系のベンチャーだと多くの会社でMRもRSUの対象になっています。
4.社内のオペレーションを自分たちで創ることができる
日本法人を設立したばかりのベンチャー企業は特に、必要最低限の組織構成になっています。
しかも、本社の部署の人たちもMRもあちこちの会社から転職してきているため、どこもかしこも統一された運用ルールが設けられていないことがほとんどです。
そして、現場のオペレーションはMRが一番よく知っているということで、MRの意見が通ることが多くなります。
その時の会社の予算何かにもよりますが、現場で必要な備品などを要望するとすぐに手配してくれたりとかということもけっこうあります。
大手ではなかなかイチMRの意見なんか本社に通らないですが、ベンチャーなら言ったもん勝ちなところもあったりして、「自分たちで会社を創っている感」を味わうことができます。
5.立ち上げメンバーは本社に顔が利き出世に有利
出世欲が強い人はチャンスがたくさんあるのもベンチャーです。
会社設立直後はまだ社員数も少ないため、本社の人と顔を合わせることも多いですし、名前を覚えてもらいやすい状況です。
本社の人も営業経験がないことが多いので、営業関係のことは断然MRの方が知っています。
社内営業が上手い人はベンチャーでめちゃくちゃ早く出世していきます。
私はそういうのが苦手なのでいつまでもMRのままですが・・・。
まとめ
今は難病や希少疾病治療薬の開発が時代のトレンドですから、今後もそれらの新薬を開発したベンチャーの日本参入が続いていくのではないかと思います。
大企業でマンネリ化しているMRの方や、出世願望が強いMRの方にはベンチャーへの転職は超おススメです。
ただ、今は転職の競争率がそれなりに高いため、いくら履歴書のキレイな人でも思い立ってすぐに内定というわけにはなかなかいかないと思います。
長期的な戦略に基づいて転職活動をする必要があると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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