こんにちは。
現役MRのリョウタです。
私は製薬メーカー4社目にして現在は外資のベンチャー系企業に勤めていますが、会社にRSUの制度があります。
このRSUという報酬制度はサラリーマンの報酬制度の中で最も良い制度だと思っているのですが、過去3社の外資系製薬会社ではこの制度がなく、外資系でも導入している会社は非常に少ないのが現状です。
内資系でRSUを導入している会社は皆無ですよね。
しかし、他の業界では大手を中心に導入している企業が徐々に増えており、今後は日本の会社にもRSUという制度が普及するようになるかもしれません。
日本の生産性向上のきっかけにもなるかもしれないので、是非日本企業もどんどんRSUを導入していってほしいと思います。
日本企業のRSU導入が増えている

Google、Apple、Facebook、Amazonなどに代表されるアメリカのシリコンバレーに本社を置くIT企業を中心に普及しているインセンティブ制度のRSUですが、正直日本企業で導入している会社はまだまだ少ないのが現状です。
しかし、この数年で日本企業でも導入する企業が増えてきています。
RSUは制限付き株式報酬の1つで、自社株を給与の一部として受け取ることができる制度ですが、ストックオプションとは少し違います。
どう違うかというと、ストックオプションは主に自社株を決められた価格で購入することができる権利を付与される制度で要するに自分でお金を出して購入するのですが、RSUはそもそも株式を給与として受け取る制度です。
ただし付与された株式を一度にすべて受け取れるわけではなく、3年とか4年に分割してしか受け取ることができません。
付与された株式報酬があったとしても、途中で退職してしまうと残りの分は受け取ることができないため、「黄金の手錠(Golden Handcuffs)」と呼ばれているのです。
RSUについてはこちらの記事でも書いていますのでよろしければどうぞ。
RSUを導入する理由としては良い人材に長く働いてもらうためということが一番ですが、特に設立して間もない企業の場合は社員も少数で1人1人の役割も重要になりますので、雇用が流動的になると会社としても困ります。
スタートアップ企業などが成功して大きく成長したり株式上場すると社員にも大きな見返りがあるため、モチベーションの維持という意味でもRSUという制度は機能します。
このような性質のある報酬制度ですので、基本的には成長企業でないと導入するメリットが薄いと言われているのですが、ある程度成熟した企業でも安定株主の醸成とか、社員を半強制的に株主にすることによって会社の経営に興味を持ちモチベーションアップにつながるとか、会社の価値を落とさないためにコンプライアンス意識が高まるという意味でメリットはあると思います。
実際、そのことに気づいた日本企業でRSUを導入するところが増えてきています。
日本は金融庁の規制の影響でRSUを導入するための手続きなどが非常に困難だったのですが、2016年に税制改革が行われたおかげで導入しやすくなったことがきっかけになっているようです。
野村証券の2019年5月末までの集計によると、RS導入企業は597社にのぼり、国内上場企業の約16%にまで増えています。
他の株式報酬制度と合わせると上場企業の約4割が導入しており、国内でも普及してきています。
RSUは国内企業だとヤフーや楽天などが先行して導入していますが、2018年にメルカリ、2019年にはパナソニック、日立製作所、トヨタ自動車、三井物産、京セラ、積水ハウス、2020年にはTDK、日産自動車などが導入を発表しました。
製薬業界でいうと、残念ながら日本以外の従業員が対象になっているようですが武田薬品がRSUの導入を決めています。

日本企業は終身雇用制度の影響で報酬制度は福利厚生に偏っているところがありました。
一生会社に置いてもらえる安心感を得られる代償として基本給を抑えている会社も多くあります。
基本給を低く抑える代わりに、家族手当や扶養手当、残業手当、住宅手当、地域手当、資格手当などの手当を厚くすることで見た目の年収は高くなっていましたが、賞与や退職金はあくまで基本給に係ってくるため、基本給が低い方が企業にとってはありがたいということもありました。
ようやくアメリカに倣ってキャッシュや株式での報酬を重視するように少しずつ変革していくと良いですよね。
RSUが最強の報酬である理由

RSUで給料を受け取るのがなぜ良いかというと、それは「価格が上昇する可能性がある」からですね。
成長企業やベンチャー企業は企業規模が比較的小さいので成長速度が速いことが多いので、株価も短期間に上昇していくことがあります。
さらにいうと、RSUは外資系だと本国の株式を付与されますので、通貨もドル建てとかユーロ建てとかということになります。
外国株に投資している方はわかると思いますが、外国の株を保有すると株価の変動に加えて為替の変動にも影響を受けます。
株価上昇に加えて円安に大きく動いた時、受け取ったRSUの報酬は現金でもらった給料とは比較にならないほど大きな収入になります。
このRSUを毎年受け取っていくと、株式数が積み上がっていくだけでなく株価も上昇して普通のサラリーマンではなかなかもらえないような高年収になることも珍しくありません。
ベンチャー系の製薬企業でRSUがあるところだとMRで年収1500万円、所長で2000万円以上もらっている人も少なくありません。
RSUがない会社だと大手でトップの成績を出し続けているMRでも年収1500万円になる人は多くないと思いますが、ベンチャー系では特に成績がトップクラスでなくても1500万円くらいの人がザラにいます。
これは、基本給やインセンティブボーナスが他の企業と比べて高いわけではなく、RSUがプラスされるからということなんです。
すぐにRSUをゲットしたいならベンチャー

ただ、RSUを導入していても多くの日本企業は役員クラスとか、部長以上とかが対象になっていて一般社員は対象外の会社が多いと思われます。
楽天やメルカリは一般社員まで対象になっているようですが、ヤフーや日産、パナソニックなど他の大企業では執行役員以上しか対象になっていないようです。
部長や役員に出世できそうな人はいいですが、MRや所長ではいつになるかわかりません。
MR時代からRSUを受け取って株価成長の恩恵を受けたいと思うなら、やはりベンチャー系企業に転職しなければなりません。
ベンチャー系企業は基本的に新卒を採用することが少ないかもしくはほぼゼロという感じですので、中途採用で入るしかないところがほとんどです。
ただ今は非常にまとまった採用が少ないですので、普通に待っていてもなかなか募集をみつけることは難しいですよね。
ただ、いつでも退職する人が出たりしますので、その補充で若干名の採用は年中しています。
こういう話はまず表に出てきませんので、欠員補充でベンチャー系に転職しようと思ったらあらかじめ転職エージェントに登録して情報を真剣に集めていくしか方法がないんじゃないかと思います。
外資系ベンチャーの場合、やっぱりランスタッドが強い場合が多いので、外せないと思います。
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私が勤めているベンチャー系でも大々的に募集はしていませんが、毎年数人は入社してくるMRの人がいます。
ここ最近の相次ぐリストラの影響で、転職市場にはかなりの希望者が出ていることを考えると競争はそれなりに高いはずですので、見つけたらすぐに応募できる体制を整えておかないと面接に進むことすら難しいかもしれませんね。
ベンチャー系の案件を扱っていそうな転職エージェントに自分の履歴書や職務経歴書を作成したうえで「RSUのあるベンチャー系のメーカーの募集が出たらすぐに応募しますから是非教えて!」と伝えるのが、最も本気度が伝わる方法じゃないかと思います。
今のご時世だとただでさえ社員数が少ないベンチャー系に転職するのは難易度が高いかもしれませんが、それでもRSUがあると思わぬ年収になる可能性も高いですのでその価値はあると思いますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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