こんにちは。
現役MRのリョウタです。
新型コロナが最も直撃したのは航空業界や旅行業界なのは火を見るよりも明らかですが、あまりにも酷いですね。
せっかくGo To トラベルをきっかけに少しずつ立ち直るストーリーが見えてきていたのに、また感染が拡大しているので今後の希望も見えません。
製薬業界も受診抑制などでダメージはあるものの、これらの業界に比べたら小さなものです。
今回は、旅行関連業界のリストラが相次いでいますので、紹介していきたいと思います。
ANAが3,500人を削減

ANAは10月の初旬に労働組合に給料の減額と今冬のボーナス全額カット、さらに早期退職について提案していましたが、その後さらに具体的な計画へと進んでいます。
希望退職をはじめ新規採用の停止、定年退職などの自然減によって2022年度までに3,500人の人員削減を予定していると発表しました。
また労組への提案通り、賃金カットとボーナスの減額で年収にして30%程度を減額することも概ね決まったようですね。
さらに、大型機を中心に30機程度を処分して固定費の削減を図り、1,000億円程度のコスト削減を予定しているとのことです。
これだけ読むとものすごいコストカットのように感じますが、ANAグループの社員は2020年3月時点で約45,000人いますから、3,500人はそのうちの7~8%です。
そして、ANAは以前から毎年定年退職や希望退職などで約3,000人ほどの自然減があったとのことです。
それを考慮すると、新型コロナによる緊急事態で来年1年間のあいだに3,500人削減すると言っても、上乗せで削減するのは500人程度ということになります。
営業利益は2020年の4-6月期でマイナス1590億円と猛烈な赤字で、依然厳しい状況が続いていますが、そのわりに最もコストがかかる人件費の削減は極力抑えている感じですね。
このあたりは日本企業特有の人情があるというか、社員を大事にする社風がありますよね。
欧米だと、この社風は理解できないんでしょうね。
新型コロナの影響でアメリカン航空は1万9000人、ユナイテッド航空は1万3000人のリストラが決定していますから、桁違いです。
ANAはなんとかリストラを防ごうと、トヨタ自動車やノジマ、あるいは地方自治体などに社員の出向を要請していますから、エライ違いです。
そんな経営者の努力をみると、社員としては頑張ろうという気にもなるでしょうね。
JTB、近畿日本ツーリストが社員を大幅削減

航空業界と並んで厳しいのが旅行業界です。
JTBは2021年度までに早期退職や新卒採用の停止などで6,500人を削減すると発表しました。
また、店舗を115店削減し、社員の給与やボーナスなど合わせて30%のカットも発表されています。
JTBの社員数はおよそ27,200人ですから、約24%の社員減になります。
こっちはかなりの割合ですね。
そして同業の近畿日本ツーリストを傘下に持つKNT-CTホールディングスも、事業構造改革の一環として約7,000人の社員のうちの30%以上となる2,300人程度を削減することを発表しています。
加えて店舗も138店舗あるうちの3分の1となる45店ほどを削減する方針も明らかにしています。
他の業界は早期退職の対象人数が2桁から3桁ですが、このように旅行関連業界は数千人規模の削減を計画している会社が相次いでいます。
こうして並べてみると、やっぱりというか、社員にとっては明らかに航空業界よりも旅行業界の方が厳しいですね。
どっちも学生の就職人気ランキングでは常にトップクラスに入ってくるような超人気企業ですが、就職人気ランキングと実際の会社の良し悪しというのは必ずしも一致するものではないというのが改めてわかります。
旅行代理店というのは実店舗を持っている会社のことを言いますが、近年ではインターネットで気軽に旅行を予約できるようになっていますし、楽天トラベルやヤフートラベルなどのネット企業も参入していたり、エクスペディアやトリバゴなどの比較サイトも乱立していますのでわざわざ店舗まで足を運んで旅行を予約することはなくなりました。
JTBや近畿日本ツーリストなどの大手旅行代理店は、新型コロナで打撃を受ける前からその流れに乗り遅れていましたので、業績も長期で頭打ちでした。
そういうのも合わさって今回の新型コロナの打撃がより厳しくなっているということもあるかもしれませんね。
製薬業界は軽症

製薬企業の中間決算が次々と発表され、減収減益になった企業も多かったことを下記の記事で紹介しました。
しかし、ANAは4-9月期で前年比72.4%の減収、2800億円の営業赤字、JTBも中間決算で前年比81.1%の減収、711億円の営業赤字です。
大きく減収になった科研製薬でさえ、半期で前年比-18.6%、営業減益だとアステラス製薬の46.4%が最大ですから、旅行関連業界とは比較になりません。
あ、日本ケミファが営業利益は16億円とギリギリ黒字だったものの、純損失6億円で赤字でしたね。
でも全体でみると業績的には他業界に比べてやっぱり軽症です。
MRで減ったのは数か月間の日当くらいだったのではないでしょうか。
給料を3割もカットされたり、リストラされることを考えると、かなり恵まれている業界だと改めて感じますね。
MRになった幸運に感謝しつつ、今後どうなっても大丈夫なように全力で準備を進めていきましょう。
決してMR一本で頑張るのは正解ではないと私は思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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