こんにちは。
現役MRのリョウタです。
製薬会社の前期決算が次々と発表されていますが、減収減益が相次いでいます。
製薬会社は業績が景気に左右されにくいですが、それでも新型コロナの影響でこれだけ減収減益になると、あらためて安泰な場所というのはないんだと感じます。
この減収が後期決算や通年決算にも続いていくのなら、来年もMRにとって辛い年になりそうな予感ですね。
国内製薬会社は軒並み減収減益
国内の主要な製薬会社18社の4-9月期決算が発表されましたが、減収もしくは営業減益が相次ぎました。
売上高が減収になった主な製薬会社は下記になります。
武田薬品工業 -4.2%
アステラス製薬 -5.4%
田辺三菱製薬 -0.4%
塩野義製薬 -9.3%
キョーリン製薬HD -1.2%
科研製薬 -18.6%
ゼリア新薬工業 -11.6%
日本ケミファ -7.9%
売上が増収になった会社でも大幅に増収した会社はなく、二桁増収は大日本住友製薬の+13.4%、大正製薬HDの+10.4%くらいでした。
たしかに製薬企業の今年の業績は厳しいのかもしれませんが、もともと製薬企業は国内大手でも売上高のアップ率は年間でだいたい10%前後ですから、新型コロナの影響で患者さんの受診抑制があった今年前半でもマイナス10%未満で済んでいるということも言えますね。
他の業種なんかは大手企業でも比較にならない減収を強いられていますから。
航空大手のANAの2020年4-9月期は前年比-72.4%です。
やっぱり製薬会社はディフェンシブなんですね。
続いて、営業利益が減益の製薬会社はこちら。
アステラス製薬 -46.4%
第一三共 -32.1%
大日本住友製薬 -28.9%
田辺三菱製薬 赤字
塩野義製薬 -12.5%
参天製薬 -1.7%
科研製薬 -28.8%
キッセイ薬品工業 -12.4%
ゼリア新薬工業 -20.2%
日本ケミファ 赤字
会社の本業から得られる利益を指すのが営業利益ですが、この数字になると各社とももう少し厳しい印象があります。
アステラス製薬や田辺三菱製薬など、開発品の中止や遅延などの特殊要因で一時的な減益を計上している会社もありますが、整形外科領域やアレルギー薬などの受診抑制が多く起こっていた領域の主力製品を持っている会社は新型コロナの影響が大きかったんじゃないかと思います。
新型コロナによる受診抑制に負けず、しっかりと売上を上げていても、材料費の高騰や為替差損などが営業利益を減少させる要因になりますから、売上高以上に外部要因に影響されるということもあります。
日本ケミファは2019年10-3月期も4.6億円の営業赤字でしたので、これで2半期連続赤字です。
2期連続営業赤字というのは、製薬会社ではベンチャーでもない限りあまりないんじゃないかと思います。
日本ケミファは今年30名程度のリストラも実施しましたが、30名では済まないかもしれませんね。
今年までのリストラについては、2019年以前からの決定事項ですので、新型コロナの影響はほとんどありませんでした。
しかし、ただでさえMRの減少は加速している状況の中、来年は新型コロナによる上記のような減収や減益、そして営業活動のあり方そのものが大きく変化したことが要因として加わります。
他の業種では上場企業のリストラが連日報道されています。
直近の1週間くらいでも、三菱ケミカル、エイベックス、セガサミーHD、新電元工業、東芝テック、タムロン、青山商事、近畿日本ツーリスト、三菱製鋼、リケン、ジーンズメイト、ムーンバットという感じで、非常に多くの国内上場企業がリストラを明らかにしています。
他業種では今年後半からリストラが加速してきている印象があります。
製薬業界は売上高や営業利益の減少が他の業種に比べると小さいのですが、状況を考えると、来年は最も切りやすい営業部門のリストラが増える可能性は高いんじゃないかと思えてしまいます。
まとめ
製薬業界はこれまでマーケットが拡大していましたから、それに伴って売上を最大化させようとMRを増員してきました。
それが人口が減少に転じ、医療費を抑制する政策が打ち出されることによってマーケットが縮小に向かおうとしています。
これは構造的な流れなので今後反転する可能性はほとんどなく、MRを削減するのも当然の流れと言えます。
MRのリストラが今後も続いていっても、さらに加速しても、全く不思議ではないので、私たち現役MRにできるのは、そのことを折り込んだ人生を計画するということだけですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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