こんにちは。
現役MRのリョウタです。
「超人気就職先だったANAの給与削減から考えるべきこととは?」で先日のANAの給与削減の件について取り上げましたが、今後は航空業界に限らずいろんな業界の会社で同じようなことが起こっていく可能性は高いと思います。
製薬業界は不景気にも強い業界ですので全体的にはそうなりにくいかもしれませんが、でも売れる新薬を開発できない会社や社員をリストラすることができない会社は今までどおりに給料を上げ続けることはできなくなる会社も出てくるはずです。
若い方や独身者ならなんとでもなる部分もありますが、家族を持っていたりすると突然給与を何割も削減されると生活の維持が困難になることもあります。
そうならないように、普段から家計をコントロールする必要性が高まっています。
今回はパーキンソンの法則についてご紹介したいと思います。
パーキンソンの法則とは

パーキンソンの法則とは、1958年に英国の歴史学者・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンが自身の著書である「パーキンソンの法則:進捗の追求」の中で提唱されている法則です。
英国の官僚制を長期にわたって観察した結果、必要な仕事量の増減に関係なく完了内部の職員数は毎年5~7%増加していたと指摘しています。
観察結果からパーキンソンは以下の2つの法則を提唱しています。
第1法則
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第2法則
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
第一法則
主に仕事やビジネスの場で表れやすい法則と言われています。
たとえば、終日の会議が設定されていると本当は丸一日必要でないにもかかわらず無理やり議題を増やしたりして終日いっぱい時間を使うことがあると思います。
本当は所長会議の内容を営業所メンバーに共有することが目的なのですが、どうせ集まるんだからといってMRに成功事例を発表させたり、製品のロールプレイングをやったりするアレです。
本当は半日で会議を終わらせてさっさと外勤に出た方が営業所の数字が良くなる可能性があるにもかかわらず、会議室を終日借りてしまったという理由だけで内容の薄い会議をやるのはまさにパーキンソンの法則にハマっていることになります。
第二法則
こちらは収入と支出に関する法則です。
たとえば転職をして月収が30万円から40万円に増えたとします。
すると、毎月10万円余分に使えるようになりますから、高い家賃のマンションに住んだり高級車に買い替えたりします。
今までは毎月30万円で生活していたのが、気がつくと月40万円を使ってしまっているというのはこのパーキンソンの第二法則にハマっているのです。
法則に流されないようにするには

第一の法則も第二の法則も意識せずにいると自然に流されてハマってしまいますので、皆さんも思い当たることがあると思います。
夏休みの宿題って頑張れば3日か4日で終わるのにダラダラやってしまって8月31日にやっと全部終わらせたとか、冷蔵庫が小さくて食材が入りきらずに困っていたので大きな冷蔵庫に買い替えたら、大きな冷蔵庫も結局食材でパンパンになっているとか。
人間は意識しないと大半の人が時間やお金をあればあるだけ使ってしまいますし、本質的に必要でないものをキャパシティいっぱいにまで膨張させてしまう習性があるということを表しているのです。
そして、一度この法則にハマってしまうと元の状態に戻すことが非常に難しいというのが最も厄介なことなのです。
製薬業界は不景気に強く安定した会社が多いというのは事実ではありますが、だからといってパーキンソンの法則にハマって収入を全部使ってしまっていたらいざという時に困ります。
ANAのように基本給を減額するというのはかなり切羽詰まった状況でないと実行しづらいとは思いますが、会社はその他にも人件費を削減することはいくらでも可能です。
国内のMR数がこれまで増え過ぎたことにより各社がリストラをしていますし、福利厚生の削減や日当の廃止、ボーナスの減額、昇進や昇格の停止、社内ポストの削減などですね。
これらが自分が定年退職するまで会社は実施しないと確信できる人はいるでしょうか。
製薬会社でさえもはや聖域はないと思います。
製薬会社でも人件費削減の波が押し寄せてきた場合のことを考えて、今からパーキンソンの法則に流されないようにする必要があります。
効果的な対策としては、以下の方法があると思います。
①生活水準をこれ以上上げない
②貯蓄にまわせる金額を天引きする
③家計簿をつける
①一度上げた生活水準を下げるということは非常に難しいですので、今のうちから必要以上に生活水準を上げないようにすることが大切です。
②貯金ができない人は給与天引きの貯蓄や社内の持株会などを検討して、強制的に生活水準を上げないような工夫が必要です。
③家計簿をつけるのはマメな人以外は難しいかもしれませんので、やはり①と②をミックスして、給与口座とは別に天引きする口座をつくり、生活費を固定して生活水準を上げないようにするというのが最も堅実なやり方だと思います。
パーキンソンの法則をコントロールすることができれば企業の利益率を劇的に改善させることができると言われていますので、当然のことながら個人レベルでもこれらをコントロールすることが生活を破綻させないために必要ではないでしょうか。
まとめ

貯蓄に関する話をすると必ず「貯蓄してガマンし過ぎるのも人生楽しくない」とか「お金は使うことで得られるものがたくさんある。貯蓄しても今できる貴重な体験が得られなくなる」という人がいるのですが、そんな極論を言っているのではありません。
ひと昔前よりも将来の不透明感が増しているのでバランスを取れるようにする方法について共有をさせて頂いています。
今の人生も最大限に楽しみつつ、ANAのようなことが現実に起こってしまったときにも生活の調節ができるように今のうちから少しずつパーキンソンの法則のようなものをコントロールしていった方が良いですよというのが今回お伝えしたい内容です。
MRは給与水準が高い分、法則のコントロールもしやすい半面、生活水準を上げ過ぎてしまうリスクも高いと思います。
今を楽しみながら法則に流されすぎないようにバランスを取ることを考え、まずは給与口座を2つに分けたり、会社の財形貯蓄制度や持株会の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
投資に興味がある方は、まずはiDeCoやNISAを開設してS&P500のETFや世界株式ETFなどから積み立て投資を始めてみるというのが良いと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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