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ベネクレクスタ適応追加でアッヴィのMR募集はオイシイのか

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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

アッヴィがオンコロジーMRの募集をしていますね。

私はJACのエージェントさんから聞きました。

最近はなかなか良さそうなMR募集がない中、久々にそこそこの規模で募集があるようですので注目せずにはいられません。

でも、「アッヴィのオンコロジーMRってどうなの?」「ヒュミラは有名だけど、オンコロジー製品ってあったっけ?」「アッヴィって将来性どうよ?」という感じで、こういう案件に即乗れる方も多くないんじゃないでしょうか。

この案件、オイシイのかどうかについて考えてみたいと思います。

アッヴィのベネクレクスタとは

アッヴィは2019年11月に難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫 (SLL)の治療薬としてベネクレクスタ錠(一般名:ベネトクラクス)を発売しています。

アッヴィといえば関節リウマチ薬のヒュミラやリンヴォック、C型肝炎薬のマヴィレットなどで知名度がありますが、オンコロジー領域では国内はベネクレクスタが初の製品となります。

ベネクレクスタはBCL-2という、がん細胞のアポトーシスを抑制するタンパクを阻害するという新しい作用機序を持つ経口薬で、AMLの中でも3分の2を占めるunfit AMLという、多剤併用化学療法が非適応の症例に適応があるためこの領域では期待されている薬剤の1つです。

今回、ベネクレクスタはCLLとSLLに続いてAML(急性骨髄性白血病)に適応追加の申請を行っているのですが、AMLというのは白血病の中でも約50%と割合が多く、CLLやSLLと比べても市場が大きいにも関わらずこれまで良い治療法がなかったことからある程度順調な売上が見込めるのではないでしょうか。

また、ベネクレクスタは更なる適応追加としてAML維持療法、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)がフェーズⅢ、再発または難治性のマントル細胞リンパ腫(MCL)がフェーズⅡで進行しており、MRとしても長く活動することができる製品になる可能性を秘めています。

こういった背景から今回アッヴィはオンコロジーMRを数十人単位で募集しているんですね。

オンコロジー領域の新薬は今後も出てくるかも

さらに、アッヴィはオンコロジー領域でも複数の新薬を開発中です。

先ほどのベネトクラクスの適応追加に加えてPARP阻害薬のベリパリブ、ベネトクラクスと同様BCL-2阻害薬のNavitoclaxがフェーズⅢ進行中です。

その他のパイプラインも固形がん、血液がんでフェーズⅠ、Ⅱ合わせて10以上の新薬候補があります。

外資系でよくあるのは、専門的な製品で後が続かない場合、経験者を採用して新薬の立ち上げ(おおむね1~2年)を行い、その後は部署ごと解散させて他部署へ異動させたりリストラしたりということですが、アッヴィのオンコロジーはパイプラインもあって領域も集中しているのでその可能性は低いんじゃないでしょうか。

そういう意味では短期間のコントラクトのような扱いではなく、中途入社してもある程度は長期的な展望を持って働くことができる案件なのではないかと思います。

アッヴィはどんな会社?

アッヴィはもともとアメリカのアボット・ラボラトリーズから2013年に分社化してスタートした会社です。

ヒュミラなどの主力商品と研究開発をアッヴィに継承して、アボット本体は長期収載品だけを残しました。

日本ではグローバルに先行して2012年9月からスタートしています。

なぜアッヴィを分社化させたのかということですが、アボットは医療用医薬品以外にも医療機器・診断薬や診断機器、一般の栄養食品、医療用測定器など幅広いビジネスを行っている総合ヘルスケアメーカーなので、一事業部である医療用医薬品のビジネスにおいて莫大な研究開発費を捻出するための資金調達や買収などの意思決定などを考えるとそちらの方がメリットが大きいということだと思います。

主力製品は関節リウマチ薬のヒュミラでこちらはご存知のとおり世界医薬品売上高ナンバー1の製品です。

2019年のヒュミラの売上高はなんとおよそ2兆8千億円とダントツのナンバー1です。

2002年にアメリカで承認されて以来、すでに18年近く経過しているにもかかわらず未だに売り上げが伸びている超ブロックバスターですね。

それ以外には同じ関節リウマチ薬のリンヴォックやC型肝炎治療薬のマヴィレット、乾癬治療薬のスキリージ、そして昨年発売されて今回AMLの適応追加を申請しているベネクレクスタがあります。

問題としては、ヒュミラの売上が全体の6割と依存度が高く、2023年にアメリカで特許が切れるのでそれまでに収益を分散化させる必要があるというところです。

すでに世界売上高19位だったアラガンを7兆円弱で買収するなど対策を取っており、ヒュミラへの依存度は4割程度まで低下する予定です。

しかし、いくらバイオ製品でバイオシミラーの参入障壁が高いとはいえ、売上高3兆円の製品の特許が切れるだけでグローバルでは3兆円のマーケットがいきなり現れることになりますので、各社が社運をかけて開発してくるでしょう。

すでにEUでは特許切れで激しい競争になっているということですし、日本でも開発が進んでおり、協和キリン富士フイルムバイオロジクスが承認を取得済みです。

過去を振り返ると、ファイザーやサノフィ、エーザイなどのように依存度が高い主力製品の特許が切れた時にはおおきなリストラが実施されていますので、そういう意味では注意すべきポイントかもしれません。

ただヒュミラはここ数年でも適応追加や新剤形追加などを行っていますし、低分子医薬品のようなスピードで後発品に取って代わられる可能性は低いとも思えます。

なんにせよ、MRとしては今回の募集で転職すれば、画期的な製品でオンコロジー領域の経験を積むことができる貴重な機会ですので、オンコロジーMRを志望している方にとっては数少ないチャンスであることは間違いないと思います。

アッヴィMRの友人に聞いたところ、社内的には少し派閥があるけどもそこまで気にするほどでもなく、社内公募などで他部署に異動できる機会もあって風通しがいい社風だということでした。

日当は¥3,000/日あるし定期賞与や家賃手当もあるが、福利厚生が大手ほど充実していないので、とくに内資系大手から来ている人はギャップを感じるようです。

事業部が分かれていてそれぞれの部署でほぼ1~2製品に注力しているので仕事がやりやすいと言っていました。

アッヴィのMRの方はあまり社内の不満を言っていないですので、そこそこ良いんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

アッヴィの募集はいろんなエージェントが扱っているようです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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