こんにちは。
現役MRのリョウタです。
「医療用医薬品の広告活動監視モニター事業」が発出されたことによってMR活動の自由度は間違いなく下がりました。
基本的はもう、自社製品に関する情報提供を会社がパブリッシュしたものの範囲でしかできないということで、一気にITに代替可能な職業へと近づいた感じです。
しかし、それだけではまだ足りず、今後はさらに強固なMR包囲網が構築されようとしているようです。
今回は、注意喚起も含めてこの件を共有したいと思います。
厚労省研究班によるMR監視強化

2014年に発覚したディオバン事件、翌年のブロプレス事件によって、2016年に「医療用医薬品の広告活動監視モニター事業」が開始されました。
当初は「モニター」と言われる、主に病院薬剤師を中心とした調査員が覆面調査を行い、MRを刺していました。
これで一定の成果が上がったので、2019年10月からは調査員以外の医療機関も対象に含め、一般報告として報告を受け付けるようになっていました。
しかし、この一般報告はほとんど報告が上がってこなかったようですね。
そりゃあ、厚労省から特に委託されているわけでもないのに、わざわざボランティアで報告する人も少ないことは容易に理解できます。
そこで諦めることなく、厚労省はこの一般報告の数を増やすために、今年度から帝京平成大の渡邊伸一教授を研究代表者にして「医療用医薬品の広告監視モニター事業の全施設対応化に伴う普及啓発及び質の向上に関する研究」を開始しています。
この研究では、日本病院薬剤師会の正会員である4万6000人を対象にして、MRの活動に関するアンケート調査を2年間行うとされています。
このアンケート調査によって、一般報告の認知度を上げて、ゆくゆくは全方位からMRのガイドライン違反を刺すことができるようにすることが狙いなんだと思います。
2年間のアンケート期間は厚労省も日本病院薬剤師会も積極的にアンケートへの協力を呼びかけるでしょう。
アンケート回答は医療機関別に代表者1人が回答する方式になるということなのですが、医療機関毎ということは、薬局長が日病薬から圧力を受けるんじゃないかと想像しています。
そうなると、病院の薬剤師がなんとかして報告できるネタを探そうとしますから、MRの行動を逐一監視されるようになってくるんじゃないでしょうか。
全国の殆どの病院には、日病薬の正会員薬剤師がいますから、もはやMRはロックオンされているも同然ですね。
今のところは病院薬剤師会の正会員が対象ですが、アンケート調査がうまくいったら次は薬剤師会全体に広まったりするんでしょうか?
MRの監視事業が広まっていくにつれて恐ろしいのは、薬剤師の自発的な報告ももちろんですが、MRと薬剤師が組んで競合のMRをハメようとするということが起きてくることじゃないかと思っています。
ワザと適応外とか他社製品の情報を出させるとか・・・。
薬剤師に嫌われているとハメられる可能性があるわけですから、なんか怖い世の中になりましたね・・・。
まとめ

厚労省からも度々「MRは数が多すぎる」というようなコメントが出てきているように、このような事業を通じてMRを減らそうとしているというのは間違いないですね。
MRの高額な給料が薬価に反映されて、それが医療費の圧迫につながっているという論理を持っていますから。
製薬会社はみな民営ですから直接関与して社員数に口を出すわけにもいきませんし。
公費をかけて研究を立ち上げてまで、MRのモニター事業の全施設対応化を進めようとしているんですから、もはやこの流れはとまらないでしょう。
みなさんも、薬剤師や競合メーカーのMRにハメられたりしないように気をつけて仕事しましょうね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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