MRの価値

富裕層を支援する経済政策は効果なし?トリクルダウン理論はウソ なのか

MRの価値

こんにちは。

現役MRのリョウタです。

経済学の理論として、富裕層を政策で支援すれば経済活動が活発化し、やがては低所得者層も豊かになっていくということが言われてきました。

しかし、現代では否定的な意見も多く、疑問が呈されることがたびたびありました。

今回、イギリスのロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究チームが「トリクルダウン理論は富裕層がさらに富を得る効果しかない」ことを発表しています。

「低所得者層を豊かにするために、富裕層を支援する」トリクルダウン理論というのがそもそもめちゃくちゃだと感じるのですが、どうでしょうか?

格差が拡がった現代だからそう思うのかもしれませんが、いかがでしょうか。

トリクルダウン理論とは

トリクルダウン理論は18世紀にイギリスで提唱された理論で、「富める者が富めば、貧しい者にも自然と富が浸透する」と提唱されました。

提唱された当初はかなり影響が大きかったようです。

トリクルダウン(trickle down)とは「滴り落ちる」という意味で、大企業や富裕層に対して減税政策などで支援することで経済が活発化し、富がやがては低所得者層にも滴り落ちて国民全体の利益につながるとされています。

この理論はまだ経済格差がそこまで大きくなかった18世紀においては正しかったのかもしれませんが、現代では貧富の格差は拡がっており、否定的な意見が多数上がっています。

東京大学の神野直彦名誉教授は、トリクルダウン理論が有効となるためには「富はいずれ使用するために所有される」、「富を使用することによって充足される欲求には限界がある」という二つの前提が成立しなければならないが、現代では富は権力を得る目的で所有されているので理論は有効にはならないと指摘しています。

また、政治経済学者のロバート・B・ライシュは、数が少ない富裕層が消費するより、圧倒的に数が多い中間層が消費する方が消費は拡大すると主張しています。

これと同様のことは2015年5月のIMF(国際通貨基金)の文書にも記載されていて、「貧困層と中流階級の所得シェアを増やすと成長率は上昇し、上位20%の所得シェアが伸びるにつれて成長率が低下する」ということが書かれています。

50年の政策分析により「効果なし」と結論

このような背景のなか、トリクルダウン理論を否定する決定的な研究を発表したのがイギリスのロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究チームです。

デヴィット・ホープ氏とジュリアン・リンバーグ氏が新たに公開した論文では、経済協力開発機構(OECD)に加盟している18カ国が1965年から50年間実施してきた、富裕層に対する減税政策を分析した結果がまとめられています。

The economic consequences of major tax cuts for the rich - LSE Research Online

その結果、大幅な減税を実施した国では、減税の実施から5年間で所得上位1%の層が0.8%以上の所得シェアを伸ばしている一方、経済成長率や失業率は横ばいだったということが明らかになっています。

そして、各国で上位1%の富裕層が保有する資産の割合をみると、富裕層が保有する資産が増加した時期というのが、減税政策を行った時期と一致しているということがわかりました。

これによって、減税政策を実施しても富裕層の保有資産が増大するだけということが明らかになりました。

まあ、最近はみんなわかってる話だと思うのですが、改めて50年間の政策を分析して決定的になったということです。

しかし、アメリカの富裕層の資産保有率は他国とは段違いなのがよくわかりますね。

現代ではr>gの方が支持されている

トリクルダウン理論が否定されたことで言えば、フランスの経済学者トマ・ピケティの「21世紀の資本」が有名です。

世界中で発売されており、2020年には300万部を超えている世界的大ベストセラーですね。

2020年3月には映画にもなっていて、なんとトマ・ピケティ本人が出演しているドキュメンタリーになっています。

この本でもっとも有名なのは r > g なのですが、これはr(return=資本収益率)がg(growth=経済成長率)を常に上回っているということを表しています。

18世紀から300年間という膨大なデータを分析したところ、資本収益率が5%程度であった一方で経済成長率は1〜2%しかなかったことから、r>gの不等式が成り立つことになります。

要するに、資本を持っている人はより富を得ることができ、労働でしかお金を稼げない人は資本を持っている人に追いつくことはできないということですね。

「21世紀の資本」は2013年にフランスで発売されましたが、ある意味今回のロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究よりも早くにトリクルダウン理論を完全に否定していると言えるのではないでしょうか。

本は約700ページあって¥6,000くらいしますからなかなか取っ付きにくいのですが、映画は難しい数式などは抜きでつくられているそうですから、一見の価値があるかもしれません。

まとめ

資本家や企業経営者でなければ減税政策なんてほとんど直接恩恵を受けることなんてできませんよね。

それによって経済活動が活発になって労働者にも回ってくるって、まあ多少は給料が上がったり臨時ボーナスもらったりする会社もあるかもしれませんが、減税されて儲かった経営者が儲かった分よりも多く従業員に給料を払うことはありえませんから、今回の研究結果は当然なんじゃないでしょうか。

インターネットの発達でマイクロビジネスのチャンスが増えていますから、やっぱりサラリーマンの人も副業で起業したり、自分のビジネスを考える必要がある時代なんだと改めて思います。

それが難しいなら、せめて株や不動産、最近なら仮想通貨などの資産を保有することが資本主義の社会では必要ということになるんじゃないかと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました