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レムデシビルは新型コロナウイルスの特効薬になるか

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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

アメリカのバイオ製薬企業、ギリアド・サイエンシズが開発している新型コロナウイルスに対する抗ウイルス薬のレムデシビルに関するデータがNEJMに掲載されましたね。

世界的に各社が抗ウイルス薬を開発していますが、先行しているのはアビガン、カレトラ、オルベスコ、そしてこのレムデシビルです。

少しでも早く治療薬が揃ってくれば死ななくて済む人も増えますし、世界的にも落ち着きを取り戻すことができるようになってくると思います。

ワクチンと治療薬ができるまで今しばらくの辛抱ですが、今回のレムデシビルの結果はどのようなものだったのか確認してみたいと思います。

レムデシビルとは

レムデシビルはC型肝炎の特効薬「ソバルディ」「ハーボニー」で一躍有名になったギリアド・サイエンシズがアメリカの公的な研究機関と共同で創製した化合物で、当初はアフリカで流行していたエボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスに対する抗ウイルス治療薬として開発されていました。

結果的には他の化合物に比較して有効性が劣っていたため臨床試験は中止になりましたが、安全性に関するデータは確立されていたことと、SARSやMERSを引き起こすウイルスに抗ウイルス活性を示すことが明らかになっていたため、それらに極めて骨格が似ている新型コロナウイルスにも活性があると考えられ、2020年1月下旬にアメリカで重症化した最初のCOVID-19の患者にコンパッショネート・ユース(未承認薬の人道的使用)で投与されています。

ちなみにその症例は投与翌日に劇的な改善をみせて最終的に退院しています。

現在では中国でも臨床試験が進行していますし、アメリカのNIH(米国立衛生研究所)主導での日本、欧米を含む国際共同治験、さらにはギリアドの治験も進行中ですが、先日の4月10日に世界的に最もインパクトファクターの高い臨床医学誌であるNEJMにコンパッショネート・ユースで投与した53例の症例についての報告が掲載されました。

NEJMの報告内容

2020年1月25日から2020年3月7日までの期間にレムデシビルをコンパッショネート・ユースにて使用された症例に基づいたデータで、対象例に対し初日はレムデシビル200㎎を静脈内投与し、2日目~10日目までの9日間は100㎎を毎日投与しています。

データが解析できた53例のうちアメリカ人が22例、日本人9例、イタリア人12例、オーストリア人1例、フランス人4例、ドイツ人2例、オランダ人1例、スペイン人1例、カナダ人1例でした。

投与前において30例(57%)が人工呼吸を受けており、4例(8%)はECMO(体外式膜型人工肺)を使用していました。

この53例中36例の68%において臨床的な改善が認められました。

人工呼吸器を使用していた30例のうち17例の57%で抜管することができ、全体のうちの25例(47%)が退院することができたが残念ながら7例(13%)が死亡しました。

副作用について最も多かったのは肝機能異常が12例(23%)、下痢5例(9%)でしたが新たな副作用はみられませんでした。

結論としては、今回あくまでコンパッショネート・ユースであり、対照群が設定された二重盲検比較試験ではないため今後プラセボ対照比較試験が必要であるという結びでした。

こちらについては中国やアメリカ、そしてギリアド社の臨床試験が進行中ですのでそちらで結果が出てくるでしょう。

重症例には希望の光かも知れない

NEJMに比較対照群がない少数例の試験報告が掲載されることは非常に稀ですのでそういう意味でインパクトがある論文だと思いました。

これも状況が切迫している今の状況ならではなんでしょうね。

注射剤で10日間の静脈内投与の薬ですので軽症患者にバンバン使用するのは現実的ではありませんが、人工呼吸器が必要になったような重症患者においては7割の有効性があるということですので、今まで手の打ちようがなかった患者が死なずにすむ可能性があるのはとても良いことだと思います。

8割の軽症例に投与できる経口の抗ウイルス薬が患者さんの状況やウイルスタイプ等に合わせて2~3種類は最低でも必要になってくると思いますので、新薬を開発している製薬企業には引き続き是非とも頑張ってほしいと思いますが、このレムデシビルの臨床試験が成功すれば「重症例は任せとけ!」というポジションになるかも知れません。

ギリアドの株価はあんまり上がっていませんけどね(笑)。

世界中でで承認されようもんなら各国がいくらかは国費で備蓄すると思いますし、それなりに業績へのインパクトがあるんじゃないかと思うんですが、素人考えなのでしょうか。

一部のアナリストがレムデシビルの成功確率は20%と否定的なコメントをしていることが記事にもなっていますけど、論文の結果からは20%のような低い可能性だとは思えない良い結果だと思います。

いずれにしても、レムデシビルの臨床試験は複数が進行中ですので今後さらに良い結果が出て承認されると良いなと思います。

早くこの状況が収まってほしいですしね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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