MRの将来

テスラが営業マンを持っていない理由からMRの将来を予測する

MRの将来

こんにちは。

現役MRのリョウタです。

MRの皆さんならほとんどの人がテスラはご存知かと思います。

あの先進的な企業には営業マンはいません。

2019年にはディーラーもなくし、オンライン購入のみにすると発表しました。

製品力に絶対的な優位性があれば営業は要らないというスタンスです。

バイオテクノロジーが集結した医薬品にもこれは当てはまるのではないでしょうか。

今回は、テスラのような会社が増えてくるとMRの将来にどう影響してくるのかについて話したいと思います。

テスラは営業もマーケティングもほぼコスト0

テスラはEVやエネルギー関連製品を開発し販売している米国・シリコンバレーの先進的企業です。

電気自動車だけでなく、太陽電池パネルや家庭用蓄電池なども販売していて話題になっています。

CEOのイーロン・マスク氏はテスラ社だけでなく、宇宙船やロケットを開発するスペースX社や太陽光発電事業を展開するソーラーシティ社の経営者でもあります。

イーロン・マスクは世界の大手自動車メーカーが本格的にEVの開発に乗り出す以前からいち早くEVの必要性を訴え、EVを開発してきました。

そんなイーロン・マスク氏が経営するテスラは、マーケティングコストもほとんど使わず、営業マンもいません。

つまり、広告費用にまったくお金をかけずに自動車という最も広告コストがかかる商品を売っているんです。

近年、他の大手自動車メーカーがコストをかけているSNS広告費すらテスラは完全に0です。

原文:Forbes(英語)

またテスラは2019年2月に販売をほぼ完全オンラインに移行すると発表し話題になりました。

実際にはその2週間後に発表が修正され、現在は半分程度を減らしているようですが、完全オンライン販売がテスラの理想である限り、近い将来にはそうなるでしょう。

そして現在あるディーラーも、大手のように整備工場が併設されていたり営業マンがいて商談するということはなく、端末を使ってテスラ車を注文をする際のサポートをするだけです。

それでもテスラは営業にもマーケティングにもまったくお金をかけずに売上をどんどん伸ばしているんです。

2019年のテスラ社の自動車販売台数は36万7500台で、前年比で50%以上増えているほど売れてきています。

年間販売台数だと既にダイハツとかにほぼ追いついてきているんじゃないでしょうかね。

テスラよりは広告に多少お金をかけてはいますが、Apple社もこのビジネスモデルに近いですよね。

近年のスタートアップ企業によって、優れた製品を販売するために、営業やマーケティングは不要ということが証明されてしまいました。

こんなビジネスモデルが普及していくと、製品に高い優位性を持っている企業から利益率が低くて利益確保に悩んでいる企業まで、このモデルを取り入れることが目に見えています。

500名以上のMRがいる製薬会社は販促費の無駄遣い

製薬会社が販売する商品である医療用医薬品は、数百億円の研究開発費をかけて1つの製品を開発し、ようやく政府に承認申請し、認可されてはじめて販売することが可能になりますよね。

だから、そもそも上市された商品の優位性は他業種に比べると高いものがほとんどです。

だから、製薬会社は数ある業種の中でもテスラのようなビジネスモデルを参考にしやすい業種だということが言えます。

ひと昔前やプライマリー製品だと、少し骨格をかえただけの製品が横行していましたが今はほとんどなくなってきていますしね。

今は画期的な製剤になると、MRは営業するというよりは医師や薬剤師、MSのお問い合わせ対応という状態になります。

私は4社の外資系製薬会社にMRとして所属した経験がありますが、後半の2社では新薬発売時からそのような状態になりました。

つまり、画期的な製品になるほどMRの営業は必要なくなっているわけです。

これから難病疾病や希少疾病を対象にしたバイオ製剤を中心に開発し販売していく企業は、これまでのようにMRを営業目的で配置するのではなく、MRの本来の業務である「安全性情報の収集」と、「お問い合わせ対応」を目的として配置するようになっていくと思っています。

それが可能になるような画期的な新薬は、多い会社でもせいぜい1社あたり3製剤くらいですよね。

厚生労働省の定めにより新薬発売時には、市販直後調査などによる副作用情報の収集のためにMRは最低150名程度必要ということを聞いたことがありますので、今のところ日本では1製品あたり150名は必要なようです。

だから、 150×3=450 でおおよそ500名くらいが多くの企業の必要MR数の上限だということがわかりますね。

武田薬品のように製品数が莫大にある企業や、中外製薬のように画期的な製品が数多くある企業は多少多くても問題ないかもしれませんが、これらの企業をマネできる会社は多くないはずです。

40代でGP担当MRなら将来についてすぐ考えるべきという話でも記事にしましたが、米国ではMR数はピーク時の30%程度に落ち着いているようですので、MR数が減少に転じている日本でも、500名以上MRがいる会社でこのことに気付いたところはリストラが続いていくでしょうね。

そのような優位性のある製品を販売することができない会社は、結局余分な人数のMRを配置させて販管費を増やしてしまい、利益が小さくなるという悪循環を今後も続けなければならなくなります。

つまり、企業でも格差が拡がっていくわけですね。

こういう会社にいつまでもしがみついているとあまりいいことはないと思いますけど・・・。

MR3割時代にはこうなる

テスラのような営業もマーケティングもほとんどコストをかけないビジネスモデルが普及していくことで、日本においてもMRの減少に拍車がかかっていくはずです。

MR数が今の3割、つまり2万人をきるくらいの数になった時、生き残るMRはどんなMRなのでしょうか。

基本的にMR君はある程度固定の情報発信になってしまいますので、これを超えるような付加価値があるMRは生き残る可能性が高くなるでしょう。

私はこのようなMRではないかと予想しますね。

①MR兼経営者或いは経営の経験がある

②医師免許持ちMRもしくは大学病院医師と同等の科学的知識がある

③担当している薬剤領域の専門性が医師より高いMR(大学で博士持ってるとか)

④芸能人兼MR

⑤芸能人を友達に持っているMR

要は、医師が「こいつになら時間を使っても良いかな」と思える可能性が高い付加価値を持ったMRということですね。

④の芸能人というのは必ずしもテレビに出演しているということではなく、YouTuberだとか何かしらで顧客がおもしろがって興味を持ってくれる芸能活動をしているということです。

まあ、実際には1社あたり最低150名くらいはMRを雇用しないといけないという決まりがありますので、こんなに極端なMRでなくとも生き残れる人はいるでしょうけど。

ちなみに私は①~⑤のどれにも当てはまりませんので、淘汰される前にMRからイチ抜けしたいと思っています(笑)。

でも、大抵のマジメなだけのMRなら、MR君で十分代替可能ですからね。

エムスリー社の「MR君」は既に全国の約30万人の医師のうちのおよそ9割が利用しています。

エムスリー社のデータによると、MR君を使えば情報を医師に伝えるためのコストは人間のMRの約60分の1ですむそうです。

年収1,000万円のおっさんMRを雇い続けるよりも、年間983万円のコストを削減して同じ宣伝効果が得られるんだったら、営利企業としてMR君を使わない手はないですね。

MR数が今の3割になる過程で、先ほどの①~⑤のようなエグいMRとの競争を強いられるというのが、MRの将来です。

その競争を楽しめない方は、今のうちに人生プランを真剣に考えましょうね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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