こんにちは。
現役MRのリョウタです。
今年も2021年度の新卒採用の募集が始まっており、すでに内定をもらっている人も出てきている頃かと思います。
今年は新型コロナウイルスの影響で地方から東京や大阪の選考会場に来るのもむずかしかったですから、Webでの面接で選考を進める企業も多かったかと思いますが、学生にとってはただでさえ緊張感のある採用面接をWebでやるという慣れない環境で大変なんじゃないでしょうか。
そんな中で内定をもらえる学生は例年以上に優秀な学生だと思いますし、複数の企業の内定をもらっている学生も多いのではないかと思います。
今回はそんな学生に現役MRの私からなにかアドバイスを送れないかと考え、記事にしました。
会社依存思考にならないように
新卒採用の選考というのはどの企業もかなり力を入れているはずです。
中途採用選考では多くて面接が2回、私は1回のみで内定という会社も2社経験しました。
しかし新卒の選考の場合は面接が3回、4回は当たり前で、中には6次が最終面接というのもありましたし、面接方法もグループディスカッションや集団面接などいろんなバリエーションが用意されていることがあります。
今年は新型コロナウイルスの影響でそのような選考はなかったかもしれませんが、要は会社は中途採用よりも新卒採用でコストと時間をかけていて真剣に選んでいるということなんですよね。
学生側も、そんな難関の選考を勝ち抜いて内定をもらったら喜びや達成感もひとしおです。
ただ、不思議なことに製薬会社など人気のある会社の内定を取れる学生というのは、たいてい1社だけでなく複数の会社の内定を取れてしまうものです。
大手の製薬会社1社だけしか内定を取れなかったという学生はあまりいないです。
誰が見ても優秀な学生だとか、内定を取るコツを掴んだとかいろんな理由があるのかもしれませんが、言えることは企業の新卒採用を担当している人事部が採用したくなる学生のタイプというのはだいたい似通っているということなんだと思います。
話が少しそれましたが、複数の内定を取った学生の方はこのご時世に選べるという贅沢がある一方で、せっかく内定を取った会社のうち1社にしか入社できないので本当に迷うと思います。
具体的には下記のようなことについて一番良い会社を選びたい!と思うのではないでしょうか。
・風通しの良い社風があり、社員に優しい会社はどこか
・内資系の方が良いのか、外資系の方が良いのか
・大手の方が良いのか、中堅の方が良いのか
・一番良い製品を扱っている会社はどこか
・今後最も良い製品の開発が進んでいる会社はどこか
・年収が高い会社はどこか
・福利厚生ほか待遇が良い会社はどこか
これらは入社する会社を選ぶときに誰でも気になる項目ではないでしょうか。
しかし、会社依存的な考え方でこれらを基準にして会社を選んでも長期的なメリットはほとんどないので無意味です。
なぜなら、時代の流れが非常に早くなっているのでおそらくどこの会社に行っても入社後に会社自体が変化していくからです。
外資だろうが内資だろうが、大手だろうが中堅だろうが終身雇用制が当たり前だと思っている人がほとんどだったほんの10年ほど前までには、上記の項目について悩んでみるのもよかったのかもしれませんが、今から新卒で入社する人が気にしても数年後が見通せない今の時代には意味が薄くなっています。
風通しが良くて社員に優しい会社に入社しても、会社が買収されたらガラッと社風が変わりますし、内資系に入ったと思っても外資系に買収されるかもしれません。
大手企業の方が安定していると思っていても10年後に給料が中堅よりも大きく下がっているかもしれませんし、リストラされるかもしれません。
良い製品を開発していてもどこかに売却するかもしれませんし、副作用などで大変なことになるかもしれません。
年収が高い会社に入ったと思っても一番自分に合ってなくて出世できないかもしれません。
これらは今にはじまったことではありませんが、時代の流れが早くなっていることが原因でこれらが起こる可能性が昔よりもだいぶ高くなっているのは間違いないです。
だから、せっかく頑張って内定をもらった複数の会社の中から1社を選ぶときには、「自分のやりたいことのために一番利用できそうな会社」を選ぶようにしてください。
たとえば、「何年かMRをやった後は本社のマーケティング部で市場分析をやりたい」というのであれば、それが最短で可能な会社を選ぶべきです。
たいていの内資系大手では競争率が高すぎたり、20代ではほぼ不可能だったりします。
しかし、外資系でも小さめの会社であればわりとすぐに希望が通る会社があるかもしれません。
また、MRから社内異動で希望している本社部署にいける会社なのかどうかも事前に確認する必要がありますね。
外資系だと、ほとんど外部から経験者を採るので営業から異動することはない会社もあります。
会社に依存して仕事をしたり生活をするという考え方を排除して、数年後には違う会社にいたり、MR以外の仕事をしているということを想定したキャリアプランが大切なんじゃないかと思います。
会社がしてくれることに期待しない
「やっとの思いでMR職で内定をもらったところなので、そんな何年も先のことをまだ考えられる余裕がない」
という学生の方もきっといますよね。
社会人になった後のプランがまだない学生の方であれば、とりあえず「若いうちから少しでも多くの給料がもらえたり、早く年収をアップさせることができる会社」を選ぶのがベストです。
間違っても年功序列色が強くて勤続年数が長くないと昇進したり年収が上がらない会社を選ばないようにするのが最も大事だと思います。
これからは、何十年も同じ会社で同じ仕事している可能性が非常に低くなりますからね。
数年後に自分がやりたいことが見つかったときに必要になりますし、とにかく邪魔にならないのはお金なので、若いうちから高い給料がもらえる会社を選んだ方が良いと思います。
若手の年収が高い傾向があるのは外資系ですので、私はどちらかと言ったら内資系よりも外資系をお勧めします。
とにかく、これからは「会社が何を与えてくれるのか」という視点で就職先を選ばないことが大切です。
会社員はつい会社から与えられるものに注目してしまいがちです。
良い職場環境だったり、大手企業のネームバリュー、充実した福利厚生、ブロックバスターになりそうな開発品 etc…
そういう会社が与えてくれるものを基準に就職先を決めると、それがなくなったときに困ります。
終身雇用はまもなく完全になくなりますから、与えられるものについては考えず、数年後にどんなことをやっていたいかということを考えておくのが絶対に良いと思います。
そのために必要なリソースとして最適な会社を選ぶという感覚で決めてほしいと思いますね。
まとめ
私の知り合いの年配MRの方はもともと内資系の中小メーカーに就職したんですが、「自分では一度も転職活動していないのに、気がついたら今4社目の会社にいる」と言っていたのを思い出しました。
つまり、就職した会社が3度買収されたということなんです。
長く働こうと思って、考えに考え抜いて決めた会社が将来そうならないとは言い切れませんよね。
逆に、中小のジェネリックメーカーしか内定をもらうことができず、しかたなく新卒で就職してもその後に転職を重ねて、今ではバイオベンチャーで所長をしている知り合いもいます。
重要なのは入社する会社ではなく、その後に自分がどう動くかということなのかなと思います。
新卒では競争率の高い製薬会社の内定を勝ち取った学生さんには心から「おめでとう!」という気持ちですが、一息ついたらぜひとも「MRの次のステップをどうするか」についても考えてみてほしいなと思います。
かねてから当ブログで何度もお伝えしている「時代の変化」によって、MRで何年も何年も思考停止して高給を貰い続けられるというのは過去のことになっていくと予想しています。
是非ともMRとして社会人をスタートさせつつ、自分の得意分野を見つけて育成していってほしいと思います。
もちろん、学生の方だけでなくすでに現役のMRの方にも同じことが言えますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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