こんにちは。
現役MRのリョウタです。
内資系企業に勤めている方は聞いたことがない方もいるかもしれませんが、外資系のそれもベンチャー系企業に勤めている方はRSUという報酬をもらっています。
なんとなく聞いたことがある方も、「ああ、ストックオプションみたいなやつでしょ?それならうちの会社にもあるよ!」という感じで、RSUについて違いがよくわからない方も多いんじゃないかと思います。
RSUとストックオプションはまったく違います。
今回はRSUとストックオプションの違いについて共有してみたいと思います。
これを読んでいただくと、RSUの制度がある会社に転職したくなるかもしれませんよ。
RSUとストックオプションの違い
RSUとストックオプションの違いをはっきりさせる前に、ストックオプションが何かというのもよくわからない人もいるかもしれませんね。
ストックオプションもRSUも社員が自社株を報酬として受け取ることができる制度のことです。
ただそれぞれの制度の中身は全く違いますので、1つずつ紹介していきたいと思います。
ストックオプションとは
ストックオプションとは、自社株を決められた価格で取得することができる権利のことです。
全従業員がこの制度の対象になっている会社もあれば、取締役や役員クラスのみが対象という会社もあるようです。
1970年代にアメリカで普及した制度であり、日本でも毎年600社前後が発行していると言われています。
これだけ聞いてもよくわからないと思いますので、具体的な例を挙げたいと思います。
たとえば、今年会社が社員に自社株を100円で取得できる権利(権利行使価格)を付与したとします。
今年の自社の株価は105円で、付与されたらすぐに権利行使しても証券会社などで自分で購入するよりも5円安く自社株を取得することができます。
しかし、自社の利益成長を信じて権利を行使せずにいたところ、3年後に自社株は300円になったとします。
そこで権利を行使すると、現在300円の自社株を100円で取得することができますので、取得した瞬間に取得金額の3倍の価格で売却することが可能になるというのがストックオプションです。
ストックオプションの大きなメリットは、個人で株取引をすると株価が下落した際には損失を抱えることになりますが、ストックオプションであれば株価の下落時には権利を行使しなければ良いですので、実質的にリスクはゼロだというところです。
自社株が将来的に上昇することを前提とした報酬制度で、制度を利用できる社員にとっては上記のようなメリットがありますが、導入している企業にも下記のようなメリットがあります。
従業員のモチベーション向上につながる
会社の業績が向上して株価が上昇すればするほど、自分が権利行使した時の利益も大きくなります。
その利益幅は通常の給与の昇給や賞与の上昇金額よりも大きいことも少なくないため、従業員1人1人のモチベーション向上につながる制度として大きなメリットになります。
優秀な人材を採用することができる
ストックオプション制度があるということが他社との差別化につながります。
仕事を頑張って会社の業績が向上すれば大きなインセンティブを獲得できるということは、より優秀な社員を採用しやすくすることができるようになります。
人材の流出を防ぐことができる
ストックオプション制度は権利を付与されても、それを行使する前に会社を退職したら基本的には権利が消滅してしまいます。
ストックオプションを付与されていれば、「将来的に大きな報酬が得られる可能性があるから、ストックオプションの権利を行使する前に会社を辞めたら損だ」と優秀な社員に考えさせることができるようになり、人材の流出を防ぐことができます。
協力会社と長期的に良い関係を築くことができる
ストックオプションは基本的に自社の従業員以外にも社外の顧問会社や協力会社に付与することができるようになっています。
そのような外部企業のモチベーションを高めることができますし、長期的に協力関係を構築しやすくなります。
RSUとは
ストックオプションについてわかったところで、今度はRSUについて解説したいと思います。
RSUとはRestricted Stock Unitの略で、譲渡制限付株式報酬と呼ばれています。
こちらは給与を自社株で受け取る制度なんですが、権利が付与された時点で受け取ることができるわけではなく、権利が付与されたあと3年とか4年後に自分のものになります(Vestingといいます)。
RSUはボーナスを現金ではなく株式でもらうようなイメージですので、会社の業績や個人の成績にもよりますが、通常だと毎年付与されます。
つまり、入社して勤続3年や4年経てばそれ以降は毎年付与された株式が自分のものになるという制度です。
こちらもアメリカで始まったインセンティブ制度の1つでシリコンバレーに代表されるIT系のベンチャー企業で普及しています。
付与されてから権利が確定するまでの期間が長く、途中で退職すると権利が失効してしまうことから「黄金の手錠(Golden Handcuffs)」と呼ばれています。
これだけではいまいち何のことかよくわかりませんので、例を示します。
RSUのある会社に2020年9月に入社したとすると、入社時にまず自社株100株が付与されたとします。
付与されたこの100株はこの時点では権利が付与されただけであり、実際に自分のものになる(Vestされる)のは2024年9月です。
順調に仕事をこなしていれば、入社して1年経った2021年9月にまた100株付与されます。
この100株もこの時点で権利が付与されただけであり、Vestされるのは2025年9月になります。
こうしてRSUが実際にVestされるのは2024年が最初ですが、しかし毎年付与されていればそれ以降は毎年Vestされ続けるようになります。
途中で退職するとVestされていないRSUはすべて権利を失いますので、これが黄金の手錠と言われている所以です。
2018年にメルカリが導入したと報道されていましたが、内資系企業で導入している企業は2020年時点ではほとんどないんじゃないかと思います。
アメリカのベンチャー系企業では導入されている会社が多いイメージですね。
この制度のメリットは、基本給やインセンティブボーナス以外に加えてこの制度がある会社が多く、他の会社よりも単純に年収が高くなるということです。
さらに、株価が値上がりするとその分年収が高くなりますが、その上昇幅は内資系企業の昇給やボーナスの上昇とは比較にならないです。
例として、アメリカのバイオジェンはこのRSUの制度が導入されていますが、バイオジェンの2010年頃の株価はおよそ50ドルでした。
この頃までに入社して3~4年経っている人たちは毎年RSUを50ドル前後でVestされています。
しかしバイオジェンの株価は2015年には一時430ドルを超えており、5年程度でおよそ8倍以上の株価になりました。
RSUは平均的なMRでもだいたい毎年100万円~200万円くらい付与されているので、2000年にバイオジェンが設立された頃から入社してMRをやっていた人はみんな1億円以上の資産を築くことができていると思います。
途中で売却して現金にしたりしていなければですが(笑)。
RSUをゲットしたいならベンチャー系
ストックオプションもRSUも株式の報酬制度ですが、制度の中身は大きく違います。
ストックオプションは内資系企業でも導入している企業がありますが、多くは取締役や役員クラスが対象で一般社員は利用できないことも多いんじゃないかと思います。
RSUも役員とか成績上位者のみが対象という会社もありますが、多くはほとんどの社員が対象になっていて、RSUがある会社に入ると基本的に年収は上がります。
RSUがある会社は代表的なところだと、下記の会社です。
・バイオジェン
・アムジェン
・ギリアド・サイエンシズ
・アレクシオンファーマ
・イーライリリー(成績優秀者のみ)
最近日本に法人設立している外資系ベンチャーや日本のバイオベンチャーにもRSUはあるかもしれません。
バイオジェンのように株価が何倍にもなる会社だと数年で億単位の資産をつくることも夢ではなくなるので、RSUをゲットして一発当てたい方はベンチャー系のMRになることを考えてみましょう。
今すぐMRの募集をしているとは限りませんので、エージェントに相談して情報を取りましょう。
外資系ベンチャーはランスタッドやJACが独占で持っていることも多く、案件をたくさん持ってますのでチェックしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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