こんにちは。
現役MRのリョウタです。
内資系企業や外資系でも大手に所属しているMRの方はもしかしたら聞いたことがないかもしれませんが、最近日本に入ってきているようなバイオベンチャーでは多くがこの制度を持ています。
この制度がある会社とない会社とでは、年収に数倍の差が生まれる可能性もあるんです。
ついにサラリーマン社会で格差が少なかった日本でも、同じMRという仕事をしていてたった数年で追いつけないような格差が開く時代になってきましたね。
今回はRSUについて知らない方への情報提供をしていきたいと思います。
RSUって何?
RSU(Restricted Stock Unit)とは
内資系の会社や外資系でも大手の会社ではこの報酬制度を採用しているところはほとんどありませんので、知らない方も多いんじゃないかと思います。
RSU(Restricted Stock Unit)とは、譲渡制限付株式報酬のことで、要するに給料の一部を自社株で付与される制度のことです。
アメリカの特に西海岸のIT企業やベンチャー系企業では一般的な制度で、 黄金の手錠(Golden Handcuffs)と言われているそうです。
一部の給与を継続的に株で支払うことによって優秀な社員に長く働いてもらうために各社が採用しています。
「譲渡制限付き」というのは、保有できる権利を制限されていて、たいていは付与された後さらに1年後から保有したり売却できる権利が発生し、3年とか4年で100%譲渡されるようになっていることからきています。
たとえば今年、100万円分の自社株のRSUを付与されたとすると、実際に保有したり売却できる権利が発生するのは来年以降で、来年に3分の1、その翌年に3分の1、そのまた翌年に3分の1で全て譲渡されるのは4年後ということになります。
こうすることで会社は自社の優秀な社員を引き留めておくことができるようになり、社員も給料を自社株で付与されることで、自分の努力がRSUという報酬の増加や株価上昇に反映されて報われるという感じで双方にメリットがある制度です。
ストックオプションや持ち株会とどう違うか
「あ、ストックオプションのことね!」「持ち株会とどう違うの?」と思った方もいるかと思いますが、少し違います。
ストックオプションは、付与されるときに決められた価格(権利行使価格)で会社の株を取得できる制度です。
たとえば今年、1株100円で自社株を購入できるストックオプションを付与されたとすると、1年後から10年後までならいつでも1株100円で取得することができます。
1年後から10年後までに業績が成長して株価が200円になれば、100円で自社株を取得して売却すれば1株あたり100円の利益を得ることができるというわけです。
逆に、10年後までに株価が1度も100円を上回らなかった場合でもどこかで権利を行使しないといけませんので、会社にとっては社員の業績向上へのモチベーションになりやすいというメリットがあります。
内資系の会社だと部長以上とか、役員以上とかに付与されることが多いですね。
RSUもストックオプションも、株式で報酬を受け取ることができることに違いはありませんが、受け取るための形式が少し違うということになります。
それに対して、持ち株会はもう少し違います。
持ち株会は、会社から現金で受け取った給料から自社株を一般的に割安で購入できる制度ですね。
この制度がある会社は多いと思いますが、別途株式で給料をもらっているわけではないですのでそこのところが違います。
どれが一番イイの?
このような自社株関連の制度の中ではやはりRSUが社員にとっては1番オイシイのではないかと思います。
RSUは3年とか4年に分けて給料とは別に自社株を報酬として受け取れる制度なのですが、会社の業績がある程度よいと毎年付与されていきます。
つまり、3年で全て付与される制度のRSUがあると、毎年付与されていくと4年後以降は3年分のRSUが毎年付与されていくことになります。
たとえば、毎年100万円分のRSUが付与されていくと、4年後からは毎年100万円が年収にプラスされていくのです。
しかもこれは株式ですので、業績が良くて人気化すると2倍とか3倍になったりしても不思議ではありません。
バイオジェンなんかは2010年には50ドルくらいでしたが、2015年には400ドルを超えたこともありますので、なんと8倍になりました。
2010年頃にバイオジェンに入社した人は多くの人が基本給にプラスしてもらっているRSUが何千万にもなっていたでしょうね。
バイオベンチャーの会社には、大手のような手厚い手当や福利厚生がない場合が多いです。
時間外手当とか、家族手当とか、家賃手当とか、そんな項目はありません。
給与明細は、基本給:¥〇〇〇〇、以上!っていう感じです。
なので、このRSU以外の総合的な待遇は大手とそう大きく変わらないか、もしくは大手から転職するとすこし見劣りするように感じるMRもけっこういるようなくらいです。
しかし、このRSUは内定をもらってオファーレターが来るまであまり表に出てこないので、転職活動中に募集情報を確認した時点で待遇を比較して、選択肢から外す人も出てくるんだと思います。
でも実際にRSUがある会社に入ると、毎年付与されつつ株価が上昇していって、数年後にはMRのままでも年収が2000万円近くになるということもあるので、成長性が高いバイオベンチャーというのは魅力的な転職先なのです。
RSUがある会社
RSUは前述したようにアメリカ系のそれもバイオベンチャーにはけっこうあります。
内資系や、外資系でも老舗や大手にはあまりないですね。
私が調べた限りですので、他にもあるかもしれませんし、これからRSUを導入する会社も出てくると思いますが、2020年の現時点でRSU制度を導入している会社をあげてみたいと思います。
・バイオジェン
・アムジェン
・ギリアド・サイエンシズ
・アレクシオンファーマ
・セルジーン(BMSが買収)
・シャイアー(武田薬品が買収)
・イーライリリー(一部の成績優秀者のみ)
やっぱりバイオベンチャー系がほとんどですね。
今日本に参入してきているベンチャーの情報はまだ入手出来ていませんので、わかり次第お伝えしていきたいと思います。
国内の他業種だと、ここ数年でYahoo!Japanや楽天とメルカリがRSU制度を導入しているようです。
日本でもIT業界のような先進的な企業は導入を始めているんですね。
製薬業界でも内資系が導入していくと優秀なMRの人の流動性が高くなるんですけどね。
まとめ
RSUは基本的に自社株で業績に連動して良い時には全体としても多め、業績が悪くなると少なめに付与されるので社員のモチベーションも上がって良い報酬制度だと思います。
株価は時にミズモノですので、上がったときには普通に現金で給料をもらうだけではあり得ないような金額になったりもしますしね。
まあ、その逆もありますけど、付与された株を売らずに保有しておけばいいですし、毎年株式をもらって株数が増えていけば資産にもなります。
さらに、ベンチャー系では無配の会社も多いですが、配当金があった場合なんかはバカにならない金額になります。
専門性の高い疾患の製品を担当しながら、業績が良い時には報酬も魅力的なバイオベンチャーはやっぱり転職に関心がある方なら一度はチェックしてみるべきですよ。
そういう会社は新卒を取らない会社が多く中途入社でしか入れませんので、転職の醍醐味も感じられます。
私もベンチャーMRですが、制度が整っていなかったり全部自分1人でやらなきゃいけない仕事が多いところを差し引いても、大手から転職してよかったと思っています。
いろんな変化を楽しめる人には仕事面でも待遇面でもおすすめできますよ。
最近のバイオベンチャーの募集はランスタッドが持っていることが多いですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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