時事ネタ

新型コロナの治療薬として急浮上してきたリウマチ治療薬

こんにちは。

現役MRのリョウタです。

新型コロナの治療薬の開発は世界中の人々が元通りの社会生活を送ることができるようになるために必須ですので製薬各社にはぜひとも頑張っていただきたいですね。

レムデシビルは新型コロナウイルスの特効薬になるかでお伝えした通り、今のところ先頭集団はアビガン、カレトラ、オルベスコ、レムデシビルですが、ここ数日で複数のリウマチ治療薬が治療薬候補として浮上してきました。

選択肢が増えることは良いことですね。

今回は新型コロナで新しく候補に浮上してきたリウマチ薬について書いていきたいと思います。

国産の抗体医薬、アクテムラ

4月8日、中外製薬がヒト化抗IL-6受容体抗体のアクテムラ(トシリズマブ)の国内第III相臨床試験を実施することを発表しています。

中国ではすでに医師主導臨床試験によって高い効果を確認しており、投与が承認されCOVID-19の治療指針にも掲載されています。

3月には親会社のロシュがアメリカ、カナダ、ヨーロッパなどの重症化症例330人を対象とした第Ⅲ相臨床試験を開始すると発表しています。

この世界的な流れからもアクテムラは新型コロナの重症例に対してかなり有効性の高い薬剤であるようですね。

アクテムラはもともと2005年に国に難病指定されているキャッスルマン病の治療薬として承認を取得していますが、2008年に関節リウマチの治療薬として追加承認されています。

IL-6は様々な生理作用がありますが、今回の新型コロナ重症例に対してアクテムラが効果を示しているのはおそらく細胞障害性T細胞の分化を抑制する作用なのではないでしょうか。

新型コロナウイルスはヤバいウイルスなのかで記事にしていますが、重症化症例の多くはいわゆるサイトカインストーム(高サイトカイン血症)が起こっていると言われていますので、アクテムラは重症化例に対してそこの部分に対症療法的に効果があるんでしょうか。

直接的にウイルスを攻撃できるレムデシビルが重症化例に対しては一択だと思っていましたが、このように新型コロナ感染によって起こる様々な生体反応を抑制する薬剤も選択肢に入ってくると死亡リスクを下げられる可能性は上がりますね。

次世代のリウマチ薬、JAK阻害薬

さらに、4月10日にはイーライリリーがJAK阻害薬のオルミエント(バリシチニブ)について新型コロナの重症例に対しての臨床試験を開始すると発表しました。

JAK阻害薬の作用機序は、INFやILなど炎症性サイトカインのシグナル伝達に関与しているJAK(Janus Kinase)という細胞内分子を阻害することで炎症性サイトカインの産生を抑制します。

このJAK阻害薬の中でもイーライリリーのバリシチニブはAAK1(AP2-associated protein kinase 1)という肺細胞へのウイルス侵入を促進させる酵素に対して選択性が高い化合物の1つということを、イギリスのスタートアップ企業の「BenevolentAI」がAIを用いて特定し医学誌のLancetに投稿しました。

これを受けてイーライリリーがアメリカ、欧州、アジアの重症例を対象とした臨床試験を実施することを決定しています。

AAK1に選択性が高い化合物に特定されているわけではありませんでしたが、同種の薬剤であるノバルティスのジャカビ(ルキソリチニブ)もまずは欧米で第Ⅲ相臨床試験の準備を進めていると発表しています。

ファイザーも4月9日に自社製品のJAK阻害薬であるゼルヤンツ(トファチニブ)について、イタリアで医師主導治験が開始されると発表しています。

このようにJAK阻害薬を販売している複数の企業が臨床試験の開始を発表していることからも、JAK阻害薬は新型コロナウイルスによって引き起こされる重篤な肺炎の症状改善にかなり有望である可能性は高いようですね。

ウイルス感染症なので抗ウイルス薬なのかなと思っていましたが、新型コロナウイルスの場合は最も厄介なのが肺の細胞に入ると急激に重症化することであって、サイトカインストームもその原因の一つですのでそういう病気の進行を止めるためにこういった薬剤が有効なんですね。

まとめ

既に世界的に発売されているアクテムラやJAK阻害薬ならフェーズⅢから開始できますので承認まで早いですし、新規化合物を探すよりも効率的ですよね。

もちろん、将来的にはインフルエンザのようにサッと内服薬飲んで家で静養すればいいという疾患にするためにも内服の抗ウイルス薬の選択肢が複数あるという状態が望ましいですので、各製薬会社には頑張ってほしいです。

ディオバン事件以来、何かと製薬会社を叩いてくるマスコミによってなんかMRやってるというのも後ろめたいような気分にさせられることもあるこの頃ですので、この世界的なピンチを救うのに大きく貢献したのは製薬会社ということになれば社会的にMRの立場も良くなるので期待しています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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