こんにちは。
現役MRのリョウタです。
「MRは将来的に不要になるこれだけの理由」で記事にした通り、複数の製薬会社の経営層が営業部門のデジタル化の更なる促進とMRの減少について言及していました。
これだけの日本を代表する内資系大手が口をそろえて同様のことを公の場で話すということは、そのようになっていく可能性はかなり高いですね。
MRは米国同様、ピーク時の65000人の25%程度まで減少していく可能性が十分にあります。
しかしそれよりも先に、リモートで営業活動が成り立つようにしていかなくてはならず、皆さんも準備を勧めているところかと思います。
医師のメールアドレスを聞いたり、ZoomやVeevaのEngage Meetingで面談できないか確認したり、今まではあまりやったことがない活動なので戸惑っているMRも多いのではないでしょうか。
会社の方針に合わせてリモート活動を頑張っていかなくてはならないとわかってはいるものの、なかなか思うようにいっていないMRも多いと思います。
一方で、都市部のMRからはZoom面談で自社製品の処方に結びついたとか、製品の正式採用が決まったなどという成功事例が多く出てきて余計に焦りますよね。
でもこれは当たり前の話で、都市部と地方ではリモート活動だと特に難易度が全然変わってきます。
未体験の業務ではあるものの、このことを全く考慮しない会社に所属しているMRの方は厳しいですよね。
今回はこの件について確認してみたいと思います。
田舎ほどMRのリモート活動はむずかしい
私も今は担当が東京都内ではありませんので地方MRの方の気持ちがよくわかります。
会社で「Zoom面談やれ!」「E-mail教えてもらえ!」「個人携帯番号教えてもらえ!」って言われて医師にお願いしても、断られてしまいますよね。
都市部のMRからは「Zoom面談で処方確約ができました!」とか「Approved Email(Veevaのシステムから送信するメルマガみたいなもの)送信からWeb面談につながりました!」など景気の良い成功事例が次々と送られてきますし、余計に焦ります。
「なんで自分はZoom面談が一度も実施できないんだろう?」「なんで普段よく話ができる先生からもWeb面談を断られてしまうんだろう?」と悩んでしまっているMRの方もいるのではないでしょうか?
そんな心配をする必要はありませんよ。
地方の方が都市部よりもリモート活動自体の難易度が高いに決まっているんです。
地方の年配の医師ってそもそもE-mailまったく見ない人も結構います。
また、地方の病院は医局も広くないので、隣の先生に遠慮なくWeb面談で話ができるスペースはなかなかありません。
部長クラスでも三人一部屋くらいなので、同じ部屋の先生がいる時にはなかなか大声で面談できません。
さらに病院のPCも新しいものがなかったり、デスクトップPCだとカメラがついていませんのでWeb面談ができる環境が整っていないです。
地方でも大学の医師になるとほとんど全員が学生への講義や医局内のカンファレンスなど何かしらでZoomなどを使う必要があります。
また臨床病院でも講演をするような医師はすでに1度は使ったことがあるはずです。
こういう医師に対してはWeb面談の依頼をしても受けてもらえる可能性はありますが、設備もなく使い方も知らない医師に依頼しても負担になるだけです。
Web面談することが目的になっていませんか?
会社や上司から「Web面談をやれ!」と言われているからといって、Web面談を実施することそのものが目的になっていませんでしょうか。
リモートでのMR活動は今後も普及していく可能性が高いですし、担当地区の医師とWeb面談ができるようにすることは今だけでなくこれからのことを考えても必要であることは間違いないと思います。
しかし、まだ相手のその環境が整っていない状況で無理強いするのは違う気がします。
そもそもWeb面談でMRの話を聞くことを求めていないのなら、他の方法で良いと思います。
電話とかメールとか郵送などでお客さんのニーズを満たせるのならそれでいいのです。
伝えるべきことを伝えるのが目的であって、Web面談をすることではないはずです。
競合が激しい製品を扱うMRの方は特に、会社から怒涛の勢いで指令が来ていると思いますので、心中お察しします。
大変ですが、方向性としては間違っていません。
いずれ医師側のWeb面談の環境が整うかも知れませんので、そのときを待ちつつ他のリモート手段で凌ぎましょう。
顧客である医師がWeb面談を自在に使いこなせるようになるまで待つなどという余裕は製薬会社にはありませんので、MRは板挟みになってしまいますがお互い頑張って耐えましょう(笑)。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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