こんにちは。
現役MRのリョウタです。
MRって、離職率も低いですし他業種の会社では割と普通にあるようなブラック企業もほとんどないですから、基本的には良い仕事ですよね。
ただ、どっぷりこの仕事に浸かってると普段は忘れているような悪いことを思い出してみて、MRってどんな良いところと悪いところがあるんだっけ?というのをもう一回整理しておこうという記事です。
整理したうえで今後の製薬業界の動向をみていくことによって、いろいろな人生の選択肢から判断する準備ができるんじゃないでしょうか。
MRよりも良い選択肢を探せるきっかけになるかも知れません。
目次
良いところ

まずはMRの良いところを列挙していきたいと思います。
けっこうスラスラと出てくるから長くなっちゃうかもしれないです(笑)。
サラリーマンの中では給料が高い
米国のMRの年収ってどのくらい!?日本のMRとの差で記事にしましたが、MRの平均年収は2020年現在で680万円と言われています。
まあ、MRのみなさんの肌感覚はもう少し高いんじゃないかと思いますけど、こういう金額には借上げ社宅や日当などの「表には出ない収入」が入っていないからだと思います。
これだけ拘束時間が少なくて、かつ肉体的負担も少ないのに給料が高い職業ってサラリーマンで他にあるかと言われて探しみても、やっぱりなかなか見つからないですね。
年収が同じくらいのサラリーマン層で比べてみると、おそらく最も緩いでしょうね。
他の多くの業界だと年収1,000万円もらうためには部長や支店長に上がらなきゃいけないですし、拘束時間も激長です。
他業界に転職しても後悔する人がほとんどですしね。
日当がある
これも、なかなかMRが他に目を向けられない理由の一つですね。
MRの日当っていくらもらってるの?という話のとおり、MRの日当は各社によって違いますが多くが1日あたり¥2,000~¥4000くらいです。
これがひと月になると¥40,000~¥80,000くらいになるので、なかなかバカにならないですよね。
しかも非課税だから、給料に換算すると¥100,000/月くらいもらっているのと同じくらいになります。
日当がない職種に転職したとして、年収100万円以上上げようと思ったらなかなかですから、日当ってありがたいですよね。
福利厚生が充実している
製薬会社ってほとんどが株式上場企業だから、福利厚生も充実した会社が多いです。
他の業種って普通もっと裾野が広くて、中小になっていくほど非上場の福利厚生がしっかりしていないような会社がたくさんあるものだと思うんですが、MRを雇用しているような製薬会社はほとんど上場企業で福利厚生もしっかりとしています。
社会保険かけてないとか、残業代が支払われないとか、ボーナスが現物支給とかという、会社として最低限のことができてない会社は皆無ですね。
他の業種だったら、大手だろうが中堅だろうが割とふつうにそういうことがあり得ます。
それに加えて、社宅や手当が充実していますし、有給休暇や傷病休暇をしっかりと取ることが可能ですし、産休や育休の取得も給料をもらいながら取れる会社も多いですし、独自の福利厚生をもっている会社も多いですよね。
外資系によくある、アウトソーシング型の福利厚生サービス(リ〇クラブ)みたいなやつはほとんど役に立たないですけどね。
有給休暇が取りやすい
MRは他の業種の営業職だとたいていある「納品」「返品」や「代金回収」「返金処理」という一番ややこしい業務がありません。
これがあると、自分がもしも休んだら他の人が自分の仕事を代わりにやらなければならなくなるんですが、これがないために当日だれも代わりに仕事をする必要がありません。
なんなら1~2週間くらい有給を取って休んでもだれも困らないですよね。
私は新卒で異業種の営業を少しやっていましたので、MRに納品や売掛金の回収がないことを知って驚愕しました。
これらがないことがMRという仕事をかなり気楽な職業にしているというのは間違いないですよ。
実労働時間が短い(フリータイムが多い)
GP担当だと上手くまわれば四六時中医療機関を訪問していられますが、近年では訪問規制も本格的になっていることもあってHP担当のMRではどうしても空き時間が出てしまいます。
ましてや、最近流行りのバイオベンチャーMRや希少疾病薬MRだと、そもそも薬を使える病院が1つの県に1施設か2施設くらいしかなくて物理的に1日に1軒しか訪問できないこともあります。
しかも、担当エリアが遠方で営業所には帰れませんので、そのまま宿泊先のホテルに直行なんていうスケジュールの日もザラです。
ましてや実際に医師や薬剤師の先生と面談している時間なんて、合わせても数分ですしね。
朝から晩までオフィスや工場で拘束されるサラリーマンと比べるとめちゃくちゃ自分の自由になる時間がたくさんある職業ですよね。
ほとんど満員電車通勤がない
都市部担当のMRや会社によっては電車通勤しているMRもいるようですが、ほとんどは営業車で通勤していますよね。
これも何気にMRのQOLが高い理由です。
サラリーマンをしていて、毎日の満員電車の通勤が本当にイヤ!という人はかなり多いですから。
片道1時間も満員電車で通勤したら1日の大半のモチベーションと体力がなくなるのはあたりまえでしょう。
ほとんどの仕事において、本当にそこまでして社員が会社にいないといけないんでしょうかね?
今回の新型コロナの流行で、少しでも多くの会社がそこに気づけると良いなと本気で思います。
悪いところ

反対にMRの悪いところについてあげてみます。
サラリーマンの中でMRはやっぱりけっこう良いので、あまり思い浮かんでこないですね。
顧客(医師、薬剤師)との身分差がデカすぎる
他の業界の営業職と比べてもMRは顧客との身分さが大きいというのは、嫌な人にとっては嫌かもしれないですね。
ただでさえ日本のサラリーマンは必要以上に顧客にペコペコして気を使わなければいけないのに、MRは過剰にお客さんに気を使う必要がある職業といえますね。
やたらエラそうな「モンスター顧客」もちょくちょくいますし。
でも、私個人的にはどんなにエラそうで勘違いした顧客よりも、社内で勘違いした人を相手する方が何倍も面倒くさいですけどね。
プライマリーバブルで数が増えすぎて今まさに減少の波に飲み込まれている最中
今私が思う一番MRの悪いところはこれですね。
どんなことでも構造変化は将来の発展に不可欠ではあるものの、一方で必ず痛みが伴います。
私は痛みをモロに受けるのは40歳以上のベテランMRとプライマリーMRだと思っています。
40歳以上かつプライマリーMRは廃棄物だと思われているという話や、40代でGP担当MRなら将来についてすぐ考えるべきという話などで記事を書いて、そのようなMRの未来が明るくなる手助けができるように、転職や副業などで準備を促しているのですが、この流れ自体を変えることはできません。
長くMRとして活躍していきたい方は、専門性を磨いて専門医と同等以上の薬の知識を身につけるのが良いと思います。
そういうMRは他社からも必要とされて転職市場で高値がつくと思いますし、プライマリーMRはリストラされるか、残ることができても年収が下がっていくことは間違いないでしょう。
買収や合併、場合によっては倒産する会社が出てくる
MRレベルで数が減るくらいならまだ良いんですが、これからは製薬会社も事実上倒産するところが出てきてもおかしくはないですから、特に内資系中堅会社のMRは注意が必要かも知れません。
そこまでなる会社はあまりなかったとしても、将来的に単独では生き残れないので買収や合併で生き残りをかけざるを得ない会社は多いはずです。
しかし、開発もろくにできず海外に展開できていない、国内でMRが多いだけの販売会社なんて企業価値を感じないと判断されて、どことも統合の話がまとまらないと最後には倒産するしかなくなってしまいます。
杏〇製薬とかは、何年か前についに帝人に見放されてしまいましたし、そんなことが現実に起こらないとは言い切れませんよねえ。
しょせんサラリーマン
MRの悪いところというよりは、どの業界のどの職種でもいえることですね。
MRでもなんでも、しょせんサラリーマンというのは社会的には奴隷階級ですから、生かさず殺さずの少額の給料をもらいながら、資本家から言われたら理不尽なことでもなんでも黙ってやるしかないんです。
特にMRは会社組織でいうと末端なので、会社の中枢がトンチンカンなことを計画すると一番理不尽な目にあいますが、それでも何も言えません。
サラリーマンの中ではちょっと給料が良いだの、休みがとりやすいだのと言っても、理不尽なことや無駄なことを黙ってやらなければいけないのが我慢できない人は、MRの良いところというのが全部吹き飛んでしまうくらいなんですよね。
まとめ

こうやって見直してみると、改めてMRって良いところが多いことがよくわかります。
総合的には満足度が高い仕事だってことが再確認できましたね。
ただ、今後はMRの給料を含めた待遇が悪くなるかもしくは格差がものすごく拡がる可能性が高いので、良いところというのが減っていって微妙な仕事になることは十分に考えられます。
コロナショック等によってリストラや倒産の嵐が一気に吹き荒れるか、それともこれまでのようにじわじわと進んでいくのかは現時点でまだわかりませんが、何も考えずに仕事だけしていると、モロにその嵐に飲み込まれることになるので、ブログを読んで下さっている方にはぜひ注意していろんな可能性に対して備えておいてほしいなと思います。
もちろん、私もそのための準備をすすめていますよ。
これからサラリーマン一本で生きていこうとするのは、カジノでポーカーに全財産つっ込んで一発勝負するのと意味合いは同じですからね。
資本も時間も複数に分散させる事が大切ですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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