こんにちは。
現役MRのリョウタです。
いよいよですね、21年度の薬価改定。
毎年薬価改定が実施させることになってから、はじめての中間年での改定となります。
毎年薬価が改定されると、当然ながら製薬企業の収益にとっては大きなダメージになります。
なので、新薬創出加算を取れる薬を開発して発売していくことが、製薬企業にとってはこれまでよりも重要になってくると思われます。
そんな中、新薬創出加算を獲得しているにもかかわらず、薬価がマイナスになる薬が何剤かあったみたいです。
新薬創出加算品目でも値引き攻勢?
新薬創出加算を受けるような製品の薬価がマイナスになっているということは、受けていない製品と変わらないくらい値引きをしているということですよね。
いかに良い薬であっても、思い通りに売れる期間はそう長くありませんから、企業の販売戦略によるんでしょうけども、それにしてもそこまで値引きしなければならない薬なら、新薬創出加算をつける必要はあるんでしょうか?
改めてですが、新薬創出加算の適用条件を確認してみたいと思います。
【新薬創出加算の適用条件】
・ 後発医薬品が発売されていない
・ 薬価収載から15年たっていない
上記を満たす新薬で、かつ下記の5つのいずれかを満たす医薬品
1.希少疾病用医薬品
2.厚生労働省の公募に応じて開発された医薬品
3.薬価算定時に画期性加算や有用性加算がついた医薬品
4.新規作用機序の医薬品(革新性や有用性があるもの)
5.4と同じ作用機序を持つ医薬品で、最初の品目が薬価収載されてから3年以内・3番手以内に薬価収載された医薬品
なかなか高いハードルが設定されていますが、最も狙いやすいのは5の3年以内かつ3番手以内の新薬を発売するということになるんじゃないでしょうか。
今回、新薬創出加算が適用されたにもかかわらず、改定された薬価がマイナスになった製品の多くはまさに5を満たした薬剤でした。
【新薬創出加算対象で薬価がマイナスになった品目】
大正製薬 エディロール (5.6%)
ノバルティスファーマ/大日本住友製薬 エクア (4.8%)
小野薬品工業 グラクティブ (3.95%)
MSD ジャヌビア (3%)
アッヴィ マヴィレット (1%)
基本的には発売後10年以上経っている薬がほとんどですから、値引きもやむなしというところですかね。
ジャヌビアやグラクティブは最初のDPP4阻害薬だったかと思いますが、今では配合剤がメインですし。
アッヴィのマヴィレットはまだ発売後3年半くらいしか経っていませんが、C型肝炎では有名なギリアド社のハーボニーとの競争に勝つための値引き作戦なんでしょうか。
ちなみに、全体では69%の製品が薬価改定の対象になったということです。
7割方の製品が毎年薬価改定を受けるのは、製薬企業にとって想像以上に厳しいはずです。
しかも、新薬がほとんどなくて値引きしないと売れないようなラインナップの会社は、ただでさえ近年業績が伸び悩んでいるのに、今年からはさらに厳しくなる・・・。
それを考えると、リストラはまだまだ続きそうですね。
MRの減少は止まりそうもありません。
まとめ
新薬創出加算の制度ができてから、医療機関側も値引きしてくれる品目が減って、いわゆる薬価差益で儲けるというのが難しくなっているかと思います。
そりゃあ、後発品使いますよね。
毎年薬価が改定されると、製薬会社の値引きはさらに慎重になりますから、この流れは止まりませんね。
しかし、新薬創出加算を受けていても、特許が切れると思いっきり薬価を下げられますから、競合製品があると特許切れ前の数年間は思い切って値引きした方がいいという判断もありかもしれませんね。
そして、最も大きな関心ごとといえば、単純に毎年薬価改定になって製薬企業の利益が下がるのであれば、MRを含む社員の賃金が下がっていくのかどうかですね。
MR数を大きく減らすのか、平均的に賃金を下げるのか、企業によって対応がわかれるかもしれません。
MRが給料でドヤ顔できる時代は終わっていくのでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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