MRの年収は日本のサラリーマンの中ではトップクラスです。
40代にもなると、年収1000万円を超えるMRも珍しくないですよね。
ただ、近年は業界内でも年収に格差が見られるようになってきました。
業績が成長している会社の社員と、そうでない会社の社員の差は広がっているようです。
それに気づいた時、私は愛着のある外資系製薬会社を辞め転職しました。
それからは、成長が期待できる製品を扱うMRを目指して転職を重ねました。
その成果もあって私の年収は順調にアップしてきました。
年収の記事を書くことには正直迷いました。
でも、30歳代で合計4度の転職をした私の年収の推移を紹介することで転職するかどうか迷っている皆さまの背中を少し押すことができれば幸いです。
目次
旅行代理店勤務時代の年収
私は新卒でとある旅行代理店に入社しました。
皆さんが1度くらいは名前を聞いたことがある会社です。
内定が決まった時にはとても嬉しかったですし、家族も喜んでくれました。
しかしいざ入社してみると、超長時間労働に加えてサービス残業や休日出勤は当たり前で、上司のパワハラなんか日常茶飯事でした。
おまけに、仕事量に比べて社員の年収は高くなく、どんなに頑張っても1年間の昇給額は微々たるものでした。
25歳で転職した時の私の年収は290万円でした。
ある日、インターネットを見ていると、生涯賃金のことを書いたサイトがあったのですが、旅行業界の生涯賃金を見てあまりの低さに絶句しました。
「この労働量で一生かかってもこんな金額しか稼げないのか・・・」と大きなショックを受け、同時に転職を決意しました。
31歳外資系製薬会社MRの時の年収
転職を決意したものの、どこの業界を目指せばよいか見当がつきませんでした。
そんな時、ふと大学時代の先輩が内資系製薬会社で働いていたのを思い出し製薬会社を目指すことにしました。
ものすごく浅はかな動機ですね。
でも、大学時代の就職活動で面接に落ちまくった経験が役に立ち、転職活動では外資系製薬会社に内定をもらうことができました。
当時はプライマリー領域の製品が全盛期でしたので、MRを大幅増員している会社がけっこうありました。
未経験者をMRで採用している会社も今よりたくさんありましたので、そのことについては恵まれていました。
しかも、25歳で年収290万円はどこの製薬会社の賃金テーブルでも低すぎるため、入社した次の年にはたしか520万円くらいまで年収がアップしました。
しかも、仕事は自分で調整することができるし、休日出勤は減ったし、有給だって取りたいときに取れるしで、私の仕事観は大きく変わりました。
他業種の営業の人にMRへの転職を勧めるのはこの時の感動が大きいからです。
このサイトを見てくださっている他業種の営業職の皆さん、是非MRへの転職に挑戦してみてください!
1社目の外資系製薬会社では昇格もあって年収は31歳で720万円くらいになりました。
1社目の会社では、仕事量も給料も旅行代理店に比べると劇的に改善したのでかなり満足度が高かったのですが、この頃は領域専任制が普及し出した頃でした。
私はより成長が期待できるオンコロジー領域の専任MRを目指し、チャンスがあれば転職しようと思っていました。
それで31歳の時、オンコロジー領域に注力していてほとんど未経験でも受験できる外資系製薬会社に転職しました。
34歳外資系製薬会社MRの年収
MRとしては初めての転職をしましたが、この時は年収はほぼスライドでした。
ほぼ未経験からのオンコロジー領域専任MRへの転職でしたのでそれでも満足でした。
この外資系製薬会社では多くの経験を積むことができましたが、新薬の上市がどんどん遅れていました。
そんな中、魅力的な新薬をどんどん開発している会社が何社もあり、非常に魅力的に見えました。
その中で、新薬上市が間近に控えていて経験者を募集している会社を何社か受験しました。
新薬の上市を控えて即戦力になる経験者を欲しがっている会社は、短期間で予定の数までMRを増員しなければなりませんが、オンコロジー領域などのスペシャリティ領域は募集もほぼ経験者のみに絞りますので、転職市場でも対象者が少ないのです。
そんな希少なMRを引っ張るには、多少高い年収を提示しないと動いてくれませんので、転職者にとってはこれを狙わない手はありません。
34歳で3回目の転職をしたときに提示された年収は前職から20%以上アップの約900万円でした。
36歳外資系製薬会社MRの時の年収
3回目の転職の経験から、「この業界では今後、欧米のような経験者の転職があたりまえになるだろう」というのが予想からある程度の確信になりました。
特に外資系製薬会社は、新薬の上市に際し立ち上げのためにある程度経験者を募集し、長期間新薬上市のメドが立たなくなれば人数を調整するというサイクルがより短期間になってきていました。
そのため、私たちMRとしてもより革新的な新薬を扱い続けることが年収アップにつながるということになります。
そのための転職は必要になってくるのです。
この確信に基づいて、私は前回の転職から2年経っていませんでしたが、36歳で有望なオンコロジー領域の新薬を複数開発中の外資系バイオファーマに転職しました。
転職時のオファーレターに記載されていた年収は約1200万円でした。
38歳外資系製薬会社MR(現在)の年収
私の年収は25歳の290万円から36歳の1200万円まで9年間で4.4倍になりました。
38歳で前年の源泉徴収票の額面は約1200万円でした。
私は理系でもなく、かといってMBAを持っているわけでもないので、年収を上げるために何度も転職をしました。
新卒で入社した旅行代理店あるいは1社目の製薬会社のままだったら、いくら頑張っても年収1200万円にはならなかったと思います。
MBAホルダーで本社部署を目指す人や、出世コースにバッチリ乗っていて、管理職が目の前にある人は転職しないでも年収は上がるかも知れません。
でも、そうではない人は年収を上げたければ転職は外せません。
だから「生え抜き>転職組」という価値観をなくさないと人生損するかも知れませんよ。
年収を上げたいなら転職!
けっこう短期間で転職を繰り返しましたが、その都度自分の目的を果たすことができたので満足しています。
いかに製薬会社といえども、1社目の会社に留まってその後転職をしていなければ、38歳で1200万円まで年収を上げることは困難だったでしょう。
私の場合、未経験からのMR転職組だったためなおさらです。
しかし、会社側の需要に合わせた転職をすることで年収を上げることができます。
転職をして驚いたのは、1社目の会社と比べて上がった年収の分、仕事量や労働時間が増えたかというとそんなことはなく、むしろ少なくなっているということです。
会社のMR数が少ないため、担当エリアは広いですが、効率が悪いため逆に1日に病院をたくさん訪問することができません。
そもそも、シェア・オブ・ボイス型の製品は1つもないため、シャカリキに車をぶっ飛ばして回る必要はありません。
スペシャリティ領域の製品では、しっかりと準備をして、自分にも顧客にも有意義な面談にする方がはるかに重要になります。
だから、プライマリー領域で必要性が高いシェア・オブ・ボイスはたいして必要ではありません。
全体的には転職するたびに労働環境は良くなっている感じがあります。
働く価値観は人によりますが、せっかく働くなら高い給料が欲しい!という方はこのような転職のパターンが参考になるのではないでしょうか。
高い年収を提示しても、即戦力のMRが欲しいと持っている会社の募集は日本では知名度が低い会社が多く、なおかつすぐにエントリーしないと埋まってしまいます。
日頃からそういった案件がないかどうかをエージェントと情報交換して準備しておくことで、いざ募集が出た時にすぐに動くことができます。
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