こんにちは。
現役MRのリョウタです。
MRは早い会社では2月早々に在宅勤務になっていますが、医療用医薬品の流通システムのおかげです。
2020年4月現在、新型コロナの影響でMRはほとんどの会社で在宅勤務になっていますが、MSの活動は全くと言っていいほど停止していません。
そう、卸のMSの皆様のおかげですね。
MRの良いところと悪いところをあげてみるの記事で示したMRのメリットは、MSにはほとんど当てはまりません。
MRよりも長時間働いて給料は確実にMRよりも低い、それがMSです。
これは個々の人としての能力云々ではなく、業界自体そして会社の構造自体がそうなっているためどうしようもありません。
どうにかするには、転職するしかないんです。
サラリーマンなら総合的にMRの一択という話も参考にしてほしいのですが、MRはサラリーマンなら全業種の中でも総合的にバランスが良く、サラリーマンで人生設計するなら私はMR一択だと思っています。
特に動きやすい30歳までくらいのMSの方は、同じサラリーマンやるならMRに転職しておいた方がQOLが良くなると思いますので、今回はそのことについて書いていきます。
卸売業は薄利多売
日本の大手医薬品卸で全国展開している企業は2020年4月現在4社にまで集約されています。
ご存知の通り、メディパルHD、アルフレッサHD、スズケン、東邦HDですね。
4社とも東証1部に上場しています。
これら大手医薬品卸の業態について少し見ていきましょう。
まず、企業の価値をみるのに重要なのはやっぱり営業利益率ですね。
売上に対して本業で得られる利益の率を表していますので、その会社の本当の価値が反映されている数字の一つと言えます。
これら企業の2018年の営業利益率をみてみると、業界トップのメディパルHDで1.57%、アルフレッサHDで1.69%、スズケンで1.28%、東邦HDで1.29%です。
では、同じ数字を製薬企業でみてみましょう。
武田薬品だと13.7%、アステラス製薬が16.4%、中外製薬ではなんと21.4%にもなります。
売上高が同規模でも、利益率が一桁違うんですね。
同じように100円の商品を売り上げても、かたや1.7円でもう一方は21.4円の営業利益が残る。
どちらの商売をやりたいかと聞かれたら、全員が後者と答えますよね。
なのに、前社の商売の社員に留まっているのはなぜなのでしょうか。
MSとMRの年収の違い
医薬品卸も大手は日本の東証一部上場企業ですし、医療用医薬品を幅広く扱っているのでリスクも分散されて急激に業績が変動することも少なく、安定的ではあります。
事実、大手卸の業績は安定的に毎年伸びており好調です。
それに伴って株価も緩やかではありますが上昇しています。
しかしそもそもの会社の利益体質がこれほど違うから、たとえ個々の能力に差がなくてもMSとMRの給料に差が出てしまいます。
MSの年収も決して悪いわけではありません。
でも、長期的にみればみるほどMSの年収がほとんどの製薬企業のMRの年収を超えることはまずできないです。
そのくらいの差がMSとMRにはあるのは事実です。
大手転職サイトののマイナビエージェントによると、MRの平均年収は580万円、対するMSの平均年収は445万円と135万円の年収差があります。
これはあくまで平均ですから、現場感覚としてはもっと差がある印象ですね。
MSとMRの将来性の違い
将来性について、個人的には両方とも決して楽観はできないと思っています。
MRについても今の3割程度まで数が減っていくことを予想しています。
しかし、MSはもっと悲惨かもしれません。
まず、営業職が技術革新によって消滅する可能性があります。
テスラには営業関係の部署は一切ありませんし、このようなビジネスモデルが普及していけば、近い将来には営業という職種がなくなっている可能性も指摘されています。
製薬企業には自社医薬品の安全性情報の報告義務がありますで、MRを0にすることはおそらくできないでしょう。
しかし、MSを限りなく0にすることはわりと簡単なIT技術で可能になるんじゃないでしょうか。
さらに、卸売については業種ごとなくなっていても不思議ではありません。
正確には、物流業という業種になるかも知れないということですね。
現にメディパルHDはそれを見越して物流革新を行ってきたように見えますし、スズケンなど他の企業もMSの削減と支店の統合をすすめています。
長期的なビジョンを持った大手企業はすでにそのことを見据えているのではないでしょうか。
私には、20年~30年後も卸売業というビジネスが残っているとはどうしても思えません。
そう考えると、まだMRの方が将来性は多少マシなのかなというのが私の結論ですね。
長期的に予想するのが難しい世の中になっていることを考えるとMSもMRも将来性があるとはいえませんが、それならば直近の数年間でお金を稼ぐことができるMRの方が総合的に見て魅力があると思います。
未経験からのMRへの転職はどうしても年齢的に32歳前後くらいまでになるかとは思いますが、若手の方でMSの将来性に不安がある方は間違いなくMRへの転職を計画することをすすめます。
MRへ転職するにはどうすればいいのか
では、MSの方がMRに転職するためにはどんな計画を立てればよいのでしょうか。
プライマリー全盛の頃と違って今はMR未経験の募集というのは少なく、パッと探してパッと見つかるということはなかなかないのが現状です。
しかも、製薬メーカーの未経験者募集の案件は今ではほとんどないため、MSがMRに転職しようと思ったら、まずはCSO( Contract Sales Organization )企業を経由する方法のほぼ一択になります。
実際にエージェントの方に聞いてみたところ、
「数年前と違って今はMSであっても未経験の案件が少ないから多くの希望を全て通すのはむずかしいけれど、全くないことはない。直接未経験でメーカーに転職するのは劇ムズだけどCSOなら最近は未経験もちょくちょくある。」
というような返答でした。
なので、思い立ったときにすぐ転職することはできない可能性が高い分、長期戦で転職に望む必要があるということです。
MRへの転職に少しでも興味がある方は、最終的に本気を出して転職活動をするかわからない段階でエージェントにその意思も含めて相談を始めることが最も大切です。
転職の意思を固めてからエージェントに相談したのではすぐに案件が見つからず、途中で挫折してしまう可能性が高いですよ。
良い案件を逃さないためにも募集の案件を提示してくれるエージェントの人にどういう転職が希望なのかを知ってもらい、希望に近い案件に出会える可能性を増やさなければなりません。
まずは、このあたりのエージェントの複数に相談してみるのが良いです。
そして、自分の希望と案件との擦り合わせをしながら、それに近い条件の募集が出てきたときには職務経歴書や履歴書、面接対策などがバッチリとできている状態ですぐにエントリーできるというのが理想的なかたちです。
まとめ
私は今まで3名のMSさんにMRへの転職について相談され、3名とも実際にMRに転職成功して活躍していますが、皆転職して良かったと会うたびに口にします。
ですので、MSの方のMR転職をここまですすめることができるのです。
定年まで1つの会社で終身雇用というのはこれからも難しくなっていきますので、ある程度の区切りで思い切って仕事を変えていくような考え方に変えていかなければならない時代です。
MSからMRへの転職というのはイメージがしやすく、それでいてメリットしかない転職だと思いますので興味が少しでもある方は早めに行動に移してみるべきです。
今はMRも減少していますで、その受け皿が全くなくなる日も来るかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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