有望な製薬会社

ワクチンで世界が救われる?米国バイオファーマのモデルナってどんな会社?

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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

新型コロナウイルスに対するワクチンの臨床試験が佳境を迎えています。

アメリカでワクチンを開発している企業の多くはバイオベンチャーであり、ここはやはりベンチャー企業の方が意思決定が迅速であることが浮き彫りになっています。

「新型コロナでワクチン株バブルが起こる!?注目の企業とは」で紹介した企業の中でもモデルナは高い技術力を持っていることで知られており、今回の新型コロナワクチンでも期待できるワクチンを開発している会社の一つになります。

とはいっても、なぜこのような新興ベンチャー企業が世界に先駆けて新型コロナワクチンの開発試験を進めることができているのでしょうか。

今回は、モデルナの成り立ちについて記事にしてみたいと思います。

モデルナとは

モデルナは2010年に創設されたまだ若い会社です。

米国マサチューセッツ州ケンブリッジに本社があり、従業員数は2019年末時点で820名程度と非常に少数で運営されています。

パイプラインには感染症、がん、心血管疾患、自己免疫疾患、希少疾病などの領域で13の臨床試験を進行させており、アストラゼネカ、メルク、バーテックスなどメジャーな製薬企業と共同開発を行っています。

この会社を創設したのはFlagship Pioneering(フラッグシップパイオニア)というこれまたユニークな会社です。

この会社はバイオ企業や化学企業を創設する企業で、これまで100社以上の企業を創設し、そのうち20以上の企業がIPO(新規株式公開)を果たしているという非常にスケールの大きな会社です。

つまり20社以上のバイオ系企業を創り出して株式を公開することで収入を得るという、バイオに特化したベンチャーキャピタルのような会社なのですが、この会社が創設した会社の中で最も成功しているといっても過言ではないのがモデルナなのです。

先日、開発段階のブロックバスター候補の特許権を買い取りポートフォリオ化しているロイヤリティ・ファーマについてご紹介しましたが、フラッグシップパイオニア社はそれを会社単位でやっているようなイメージですね。

モデルナはmRNA(メッセンジャーRNA)を用いて医薬品を創薬することを得意としている企業で、まだ承認された医薬品はありませんが、今回第3相臨床試験に入っている新型コロナウイルスのワクチン候補であるmRNA-1273もこのmRNAが使われています。

mRNAとは、細胞の核にあるDNAからタンパク質を生成するリボソームに遺伝子情報を運び、タンパク質の生産を指示する遺伝子で、人間の全ての細胞にはこのmRNAが存在しています。

当然、ウイルスのタンパク質にもmRNAが存在しており、モデルナはウイルス表面のタンパク質を生産しているmRNAを特定してワクチンを創り出しています。

今回の新型コロナウイルスの遺伝子配列は2020年1月10日に中国疾病対策予防センター(China CDC)から公表されたのですが、その情報をもとに翌2月7日には最初のワクチンを製造し、2月24日には第1相臨床試験を開始しています。

このことからも、モデルナの技術力の高さがわかりますね。

2020年7月にはナスダック100指数にも採用されており、若い会社ながらすでに無借金経営と非常に将来性のある企業です。

mRNA-1273は米国の支援を受けフェーズ3

モデルナのワクチン候補は米国立衛生研究所(NIH)の支援を受けて臨床試験を行っています。

トランプ大統領肝入りの政策であるオペレーション・ワープ・スピードの対象になり、開発の進行も先頭集団に位置づけています。

7月27日から第3相臨床試験を開始しており、全米で89カ所を拠点にして3万人を対象に実施する予定になっています。

最終的な結果は早くて10月以降とアナウンスされていますが、もしも期待通りの結果が得られれば、2021年には5億回分のワクチンを製造することができるよう準備に入っています。

米国政府からモデルナへの資金援助はすでに約1,000億円に達しているそうで非常に期待されているワクチンの一つですので、是非とも成功させてほしいですね。

株価も上昇中

新型コロナのワクチン開発が成功すれば、世界中の人たちが通常の生活に戻れる可能性がグッと近づきます。

そのため、まだ売上のないモデルナに投資家の期待が非常に集まっている状況です。

2018年12月にナスダックに上場していますが、株価はそのときの20ドル前後から現在では80ドル前後まで上昇しています。

米国政府の計画入りと臨床試験の進行によってここまで株価が上昇しているのですから、試験が成功して承認されることにでもなればそれこそすごい株価になるんでしょうね。

あくまで承認されたらであって、ここまで政府の後押しがあったとしても必ず承認されるとは限りませんが。

まとめ

日本でもバイオベンチャーは創薬の成果が出始めていますが、やはり米国は桁違いです。

次から次へと素晴らしい技術を持ったベンチャー企業が出てきますし、スケールも大きいです。

ロイヤリティ・ファーマやフラッグシップパイオニアのような、日本では聞いたこともないビジネススタイルの会社も新しく出てきますし、モデルナのような一点突破のベンチャー企業の成長速度は異次元です。

私たちを含め世界の人々に希望を与えられるよう、ワクチンの開発は本当に頑張ってほしいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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