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JCHOの談合事件で刑事告発された卸3社はどんな刑事罰を受けるのか

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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

例の談合事件で、大手医薬品卸4社のうち3社が刑事告発されましたね。

業界の中では、「今さら・・・」という感じではありましたから、ここまで大ごとになるとは、ちょっとショッキングです。

しかし、家宅捜索されていたのは大手4社でしたが、刑事告発されたのは3社だったようです。

もう1社はどうなったの?と思った方もいると思いますし、会社が刑事罰を受けたらどんな罰を受けるのか疑問に思う方もいると思うので、それらについて共有します。

刑事告発を受けたのは3社のみ

2019年11月に発覚していた大手医薬品卸4社のJCHO入札における談合事件で、今年10月に4社とも東京地検特捜部に家宅捜索を受けていました。

そして12月9日、独占禁止法違反容疑でアルフレッサとスズケン、東邦薬品の3社が公正取引委員会によって刑事告発されました。

また、会社だけでなく、各社の執行役員や部長、課長といった管理職個人も同時に刑事告発されています。

当然、東京地検特捜部は起訴する方針となっています。

4社が談合を行っていたのですから、4社とも刑事告発されるのかと思いきや、1社だけ告発を免除された会社がありました。

メディセオですね。

なぜメディセオだけ刑事告発を逃れることができたのかというと、課徴金減免制度(リニエンシー)に基づき違反を自己申告していたからだそうです。

リニエンシー(leniency)とは、独占禁止法違反となるような談合に参加した企業が、その違反事実を自己申告することにより、罰金などが減額されたり免除される制度のことです。

個人の事例でこれをやると、いわゆる抜け駆けとか裏切り行為と言われるようなやつですが、メディセオは素早くリニエンシーを利用することで罰金を減免してもらえる可能性が高いということです。

おそらくですが、談合の言い出しっぺがメディセオではないからリニエンシーを利用したんでしょうけど、それにしても談合の恩恵は受けておいて、自分たちだけ助かろうとするのはなんかモヤモヤするのは私だけでしょうか。

私が若い時、メディセオのMSに手のひらを返されてハメられそうになったことがあるのがあるので、それが原因かもしれません(笑)。

どんな刑事罰を受けるのか

独占禁止法違反で刑事告発されたと言いますが、その場合いったいどんな刑事罰を受けるのでしょうか。

具体的な措置は下のようになります。

【公正取引委員会による行政処分】

◆排除措置命令 

◆課徴金納付命令

【刑事罰】

◆公正取引委員会から検事総長に対して刑事告発

◆実行行為者は5年以下の懲役又は500万円以下の罰金、法人は5億円以下の罰金

行政処分としては、排除措置命令ということで、厳格に再発防止の措置を講じることを命じられます。

また、課徴金納付命令で罰金の命令が下ることがあります。

課徴金納付命令は、違反行為を行った期間(最高3年間)の対象売上金額に規定の算定率を掛けた金額を納付しなければならない命令のことです。

卸売業であれば1~2%となっており、違反行為である談合で得た売上に左記の率を掛けた金額を納付しなければなりません。

また、刑事罰でも罰金があります。

法人であれば、なんと5億円以下の罰金です。

2年前くらいに大手ゼネコンの大林組がJR東海の品川駅や名古屋駅の工事に関して談合を行い、独占禁止法違反で2億円の罰金を言い渡されています。

しかも、この件では大林組はリニエンシーで自己申告を行っており、罰金が減額されての2億円の罰金です。

いったい、自己申告をしていない医薬品卸大手3社はどのくらいの金額の罰金を受けるんでしょうか。

気になりますね。

そして、独占禁止法違反は会社だけでなく、違反を実行した個人に対しても適応されて告訴されます。

今回も、各社の執行役員から部長、課長までが刑事告訴されていると報じられています。

個人の場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金となっていますので、各社の幹部は個人として数百万円は覚悟する必要があるでしょう。

いくら法律に違反したと言われても、会社の利益のために必死に頑張って、挙句の果てに数百万円の罰金を払わされたのでは、なんだかやりきれませんね。

もしもこの談合に参加していなければ、JCHOの入札で惨敗すると大きく売上を落としてしまい、結果的に社内の評価が下がってしまったり、降格させられたりして給料がものすごく減ったりしていたかもしれません。

違反してもしなくても結局は地獄だったかもしれないと考えると、同じ営業職としてなんか複雑な気持ちになってしまいます。

まとめ

裁判がいつ終わるのかはわかりませんが、医薬品卸は大手といえども数億円の罰金を科されたら大きな痛手になるはずです。

製薬業界もコンプライアンスがどんどん厳格になり、今ではMRがやれる営業はほとんどなくなってしまっていますが、卸もそうなっていくのかもしれませんね。

仕事の醍醐味みたいなのは、MRもMSも失われていて本当につまらなくなりました。

まあ、自分なりに面白味を見つけて仕事するしかありませんね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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