これまでの統計ではMRは比較的順調に昇給することができる職種でした。
賞与も年間6か月から多い企業では年間10か月支給される会社もあって、高利益率の業種であるがゆえのメリットがありました。
しかし、今後は企業によってはこのような順調な昇給は期待できなくなってくると思います。
給料が上がり続ける時代は終わった
下記に製薬会社の年代別の平均年収を表にしました。
私はこの表を紹介したいのではなく、これからはこの表のとおりに
年齢が上がるにしたがって年収が上がっていくイメージは持たない方が良いということが言いたいのです。
今まで好調だった有名企業に就職すると親は喜びますが、今後も長期にわたって成長を続けていく企業に所属していなければ、下記の表のような年収を期待するのは近い将来にも困難になります。
年齢(歳) | 年収(万円) | 給与(万円) | 賞与(万円) |
20~24 | 389.9 | 24.4 | 97.5 |
25~29 | 485.6 | 30.4 | 121.4 |
30~34 | 533.5 | 33.3 | 133.4 |
35~39 | 608.8 | 38 | 152.2 |
40~44 | 684 | 42.8 | 171 |
45~49 | 766.1 | 47.9 | 191.5 |
50~54 | 820.8 | 51.3 | 205.2 |
55~59 | 814 | 50.9 | 203.5 |
60~65 | 554 | 34.6 | 138.5 |
ちなみに、知り合いの他社MRと飲みに行ったりすると給料の話になることはよくありますが、これまで転職を経験したことがある数々のMRに聞いた限りでは、上記の表よりも年収が低い人はすぐにでも転職活動をした方が良いかもしれません。
というのも、私はMRを積極的に募集しているような成長企業で上記の表以下の年収のMRはあまり聞いたことがありません。
ということは、上記の表の年収の人が転職するとまず間違いなく年収は大幅にアップすることができるはずです。
とはいえ、年収が他社より低くても、のんびりした社風で風通しがよく社員同士の人間関係が良い会社もあります。
内資系中堅企業に多いですよね。
人それぞれ価値観が違うため、給料よりも人間関係が良い会社で働きたいという人も当然いると思います。
そういう人は無理に転職せず、できる限り今の職場を楽しんだ方が良いかも知れません。
だって、尊敬する上司や一緒に仕事していて楽しい同僚に恵まれることってそんなに多くないですからね。
でも、その状態が永遠に続くこともありません。
異動や組織変更で社内での環境が変わることは当然起こり得ますが、買収や合併など経営環境の変化がおこればもっと大きな変化になります。
今の時代、国際的な競争はもちろん国内の競争にも負けて淘汰されていきそうな会社が増えてきていますので、情報収集だけはしておいた方が絶対に良いと思います。
製薬会社の企業規模別の平均年収から言えること
下記はざっくりとした企業規模別の平均年収と平均月給です。
規模 |
平均年収(万円) |
平均月給(万円) |
大企業 |
790 |
49 |
中企業 |
660 |
41 |
小企業 |
600 |
37 |
国内のMR全体の平均年収は約680万円ですので、会社規模が大きくなるほど平均を大きく超える年収を得ることができます。
今の時点ではこのくらいしか言えませんが、私が言いたいことは、今後はどうなっていくのかということです。
私は将来、企業規模による収入格差というのは更に拡がっていくと予想しています。
製薬業界は製品の開発に大きな資金が必要であるため、大企業がさらに大きく成長しやすく、小企業がさらに成長しにくくなる業界です。
ゆえに、規模の小さな企業に所属している人は今後さらに給料が上がりにくくなっていくのではないかと思います。
そういう意味でも中小の企業にいるMRに転職をすすめているのです。
内資系企業と外資系企業のMR年収差
内資系か外資系かで一括りにすることはできないかもしれませんが、今後10年、20年という長い期間で考えると外資系企業にいる方が年収が高くなる可能性があります。
理由としては先ほども述べましたが開発に巨額の資金が必要なため
世界的に成功している会社が有利です。
また、内資系企業の大半は自社で画期的な新薬の開発に成功したことがなく、巨額投資が必要な新薬開発は今後もできる可能性が低いです。
一昔前なら、海外で発売された新薬のマネをして開発した内資系企業が日本国内では先に発売するということもありましたが、今では国際共同治験で日本でも海外とほぼ同時に新薬が発売されるようになりました。
内資系企業は画期的な新薬の開発に成功しても、グローバルに展開するノウハウを持っている企業は一部であり利益を最大化できないジレンマを抱えています。
一方、日本に進出している外資系企業は多くが世界的に大手であり、グローバルにビジネスを展開して得た大きな利益を開発や買収に再投資することができます。
また、近年急成長している欧米のバイオ製薬企業では、特定の領域のみで画期的新薬の研究開発に特化しており、人材や時間、お金などの資源を集中投資することができるという点で大企業には真似できませんし、新たなビジネスモデルとして確立しつつあります。
国内だけでやってる会社はヤバい!?
このような傾向が今後も続いていくと、国内の人口減によるマーケット縮小や医療費抑制策などによって、グローバル展開が遅れた内資系企業にとって成長が難しくなっていくことが予想されます。
当然そのような企業では株価も社員の給料も上がりにくくなりますし、下手をすると日本進出の足掛かりにしたい中国やインドの企業に買収されたり、悪材料がきっかけでJALのように経営が破綻する企業も今後は出てくるのではないかと予想しています。
医薬品産業はディフェンシブ産業で景気に左右されにくいため、現在はまだこのような状況は目に見えていませんが、長い目で見ると業績が長期にわたって成長していく企業に所属している方が業績低迷していく企業に所属するよりも給与面では有利になるはずです。
自らが所属する企業の開発パイプライン、提携先企業などを調べて長期的にどのように成長することができそうかを確認すべきです。
その成長展望が見えないのであれば楽観的にならず、まずは転職の情報収集から始めてみてはいかがですか?
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