こんにちは。
現役MRのリョウタです。
ご存知のとおり国内のMR数は2013年の約65000名をピークにその後は減少し続けており、この5年で約6000名減少しています。
さらに2019年は過去最多の5000名以上が減っていると予想されていますね。
当然今後もMRは減少していくでしょうし、おそらく数年後には良くて半分以下かもしかしたら3分の1まで減っている可能性もあります。
また、新型コロナによっていろんな業界が急速に大きく変化することが予想されますが、医薬品業界も大きく変化すると思われます。
すると、次のようなスパイラルがうまれると予想します。
MR数が減る⇒ 効率を向上させるツールが登場する ⇒ 数が必要なくなる ⇒ MR数がさらに減る
こういう環境の中でMRを続けていくためには、客観的に見てより価値のあるMRになる必要があります。
それは専門医以上の知識量だったり、薬剤師免許やMBAを持っていたりというのももちろんあるとは思うのですが、どれも今すぐそれを身につけるのは難しいです。
ただ、最も手っ取り早く価値を上げる方法としてあるのが「担当実績」です。
今回は現在GP担当のMRの方がはやくHP担当になるのがなぜ必要なのかについて示していきたいと思います。
GP担当MRとHP担当MRの市場価値の違い
社内では価値基準があいまいな会社も中にはありますが、多くの会社においてMRのキャリアパスとして下記のような序列が設けられています。
エリアGP担当<HP担当<基幹HP・UHP担当<マネジャー
私はこれまで4社の外資系製薬会社でMRとしてやってきましたが、ほぼこの序列がありました(今のベンチャーにはGP担当はありませんが)。
担当によって明確にジョブランクで分けている会社はなかったのでここが不思議なところだと思っているのですが、ただ社内でもMRの価値をこの序列で分けているのはある程度明確です。
そして転職市場からみるとGP担当MRとHP担当MRの価値の差はもっと歴然としています。
転職サイトの募集などを見たことがあるMRの方はご存知かと思いますが、応募条件の項目に「基幹病院・大学病院経験者」と記載されていることがあります。
また最近では「スペシャリティ領域製品担当経験者(領域に限らず)」という記載があるものも増えてきました。
しかし、応募条件に「GP経験者」とか「プライマリー領域経験者限定」という項目がある募集を私はいまだに見たことがありません。
つまりどういうことかというと、「GP経験者やプライマリーのみ経験者には価値がない」ということになりますね。
厳しい言い方になりますが、これは転職サイトが条件をつけているわけではなく募集をかけている企業がそう言ってきているのです。
いくら社内で全国ナンバー1を取ろうとも長年販売計画を達成し続けようとも、GP担当では社内的にも社外的にも価値が非常に低いのが現状なんです。
転職をした経験があるMRの方はこの感覚が分かると思いますが、1社しか経験がないMRってここがよく見えていない人が多いんですよね。
なのでこのブログを読んで下さる方にはこの現状を伝えたいと思いました。
「今までGP担当のまま放置されているのには何らかの理由があるんですよ。」と。
HP担当MRやスペシャリティMRは代替が難しい
最近ではCSOを活用する企業数は増加傾向にあります。
今までのCSOつまりコントラクトMRの活用方法としては欠員の補充や一時的な増員の補助的な活用の仕方がほとんどでした。
しかし欧米では今までなかった疾患領域の新薬を発売する場合、非常に少数の領域経験者をヘッドハンティングして主要地区に配置し、あとはほぼ全員CSOに委託するというのは珍しくないです。
日本でも最近では1つの製品部署や営業所をまるごとCSOに委託するケースも出てきており、CSOは欧米での活用事例を元に日本でもそういった活用パターンが増えてきています。
今後は日本でもそれが珍しくなくなってくる可能性は大ですが、まだMRが減少し始めたばかりの日本では一つの壁があります。
それは、「CSOの社員にHP担当やスペシャリティMRが相対的に少なく、まるごと委託を受けても対応できるケースが少ない」ということですね。
日本ではGP担当MRの方が数が多くHP担当MRやスペシャリティMRの数が少ないですし、ましてやCSOに転職するこれらのMRはまだ多くないのでなかなか製薬メーカーの需要に応えられないという現状があります。
「数が少ない」という理由からもHP担当MRやスペシャリティMRの市場価値が高いということに繋がっているのですが、製薬メーカーからの確実な需要がある以上CSOはその需要に応えるべく対策を取ってくるはずです。
CSOは教育研修制度が非常にハイレベルな会社が多く、自社でそういうMRを育てることももちろんやってくると思われますが、加えて多少良い給与を提示してでも採りに来るということも起こってくるのではないかと思っています。
そうなってきたときにHP担当MRやスペシャリティMRになっておけば多少の潰しがききますが、GP担当MRではそういう潰しもまったくききませんので社内でも社外でも憂き目にあう可能性大です。
MR数の減少過程では、GP担当MRというだけで行き場がなくなっていくんですよ。
GP担当MRが取るべき行動
じゃあ、GP担当MRが今後どうすればいいかということについて考えていきたいと思います。
まずやらなければならないのは、「一刻も早くHP担当MRに異動する」ということです。
会社からHP担当に異動の事例が来るのを待つのではなく、自分からやれることはすべてやっておきましょう。
具体的にやっておいた方がいいことについてまとめてみました。
声をあげておくことによって希望する部署に急に欠員が出たときなどに異動させてくれることもありますので、ふだんから周りに出来るだけ知らせておくことが大切です。
・社内公募制度がある会社であれば必ず応募する
・人事的な希望を書くことができるものがあるのなら、そこには必ず「HPを担当したい」 とか「〇〇領域の部署に挑戦したい」と書き続ける
・上司面談のときにはそのことをしょっちゅう伝える
・他部署の所長や支店長と話ができるなら強い希望があることを伝えておく
・自分の担当エリアに中小病院があるならそこで実績を伸ばしたり新規採用させたりしてお く
これらを日頃からやっていれば意外に早く異動がかなうかもしれません。
もしこれでも1年とか2年以上異動できないのであれば、そのときには転職を考えるしかありません。
そのときのために、今のうちからHPや領域未経験でも応募できる案件を探しはじめてみてください。
基本的にHPでしか扱わない製品のMR募集でHP未経験可という案件はそれほど多くないですので、探し始めてからすぐに見つかることはまずありません。
当ブログでしょっちゅうお伝えしているとおり、転職を決断していないうちから探し始めるのが良いと思います。
またこれは大事なポイントなのですが、転職エージェントの顧客はMRなんかではなく募集を出している企業です。
なので極力募集の意図にそぐわないMRを紹介したくはないというのはどこのエージェントも同じなんです。
だからいきなりアカウント登録をして「はやく希望に沿う案件探してよ!」という態度で望むと絶対に紹介してくれません。
担当の人とコミュニケーションを長期に取ることで、少しでもこちらの意図を汲んだ案件を出してくれるようになりますので、転職を決断していない今のうちから登録してまずはエージェントとコミュニケーションを取ることを勧めているんです。
エージェントも人間ですので、本当に強い希望があって一生懸命連絡をくれて、希望の案件が出てきたら動いてくれるMRということがわかっていたら、多少条件から外れていても企業側にアピールしてくれます。
1社で終身雇用という今までなら当たり前だった常識が夢物語になってしまった今では、日頃から転職エージェントと連絡を取り合うというのはMRとして必ずやるべきことになってきていると思います。
MRの転職案件に強いのはこのあたりですのでまずは1つ、複数と長く付き合える人は複数登録しておくのが良いと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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