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武田テバがジェネリック薬事業を日医工へ売却した真意とは?

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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

武田テバが日医工にジェネリック医薬品事業の大半を売却することで合意しました。

武田テバファーマはメインのビジネスはジェネリック医薬品だったはずですが、そのメイン事業を売却するということに少し驚きました。

時代の流れに対応することができる企業というのは、決断力が凄いですね。

この真意はどこにあるのでしょうか。

武田テバファーマはこれからどうするのか

武田テバファーマは、2016年4月に武田薬品が49%、イスラエルのテバ製薬が51%を出資してできた会社です。

ジェネリック医薬品の武田テバファーマと、武田薬品の長期収載品を移管して販売する武田テバ薬品の2つの会社で構成されており、今回日医工に売却するのは武田テバファーマが販売する486品目とそれを製造している岐阜県高山市の工場ということです。

武田テバファーマの全ての製品ということではなく、24成分の65品目については売却対象から除外されています。

武田テバが設立された当初は、日本国内では絶対的な武田ブランドを使って市場が拡大する後発品市場で大きなシェアが取れると踏んで事業をスタートしたのではないかと思います。

ではなぜ、武田テバがなぜメインの事業である後発品のほとんどを手放してしまったのでしょうか。

武田テバの松森社長は、「多くの製品を扱い、高いシェアを維持するか、得意分野に特化してユニークな製品を扱うかのどちらかでしか後発品市場では生き残れない」とコメントしています。

当初は前者の戦略で高いシェアを取りにいったのですが、思った以上に安売りするメーカーや、同じように大手各社が自社で後発品会社を立ち上げてAG(オーソライズド・ジェネリック)として自社製品の後発品を売り出す戦略に出てきたため思うようにシェアが伸びず、後者の戦略に転換するということなのだと思います。

松森社長は「レッドオーシャンで事業を継続するのは得策ではない」ともコメントしています。

武田ブランドを活かせる24成分と実質AGである長期収載品を残し、テバがグローバルで開発している新薬の日本での開発を進めていく戦略なのですが、まだ後発品市場が縮小していないこのタイミングで決断ができるとは、さすがは武田薬品であり、すごい決断力だと感心してしまいますね。

現在の約1000億円の売上高のうち、後発品の売上は約600億円あり、これを売却してしまうと短期的には売上高が400億円程度の会社になってしまうわけです。

それでも長期的には引き続き武田薬品から降りてくる長期収載品と、テバが海外で販売している新薬を日本でも開発し上市していくことで、後発品を続けていくよりも高い利益成長を続けていけるという判断なのでしょう。

会社の将来がかかった局面で、時代の流れを読んで今までやってきたメインの事業を切り捨てて方向転換する・・・。

口で言うのは簡単ですが、社長として決断するのは並大抵ではないんじゃないでしょうか。

武田テバが今後どのような会社になっていくのか、注目してみていきたいと思います。

日本のジェネリック覇権は日医工が握る?

武田テバがジェネリックから降りたことで、国内のジェネリック薬でシェアナンバー1を握るのは日医工になっていく可能性が高くなりました。

すでに2019年度は沢井製薬を抜いて3期ぶりに日医工が国内のジェネリックメーカー首位を奪還しているのですが、武田テバの486品目を加えることでさらにシェアアップし、今後は首位を不動のものにしていくのではないでしょうか。

日医工はまさに武田テバの松森社長がコメントしていた「多くの製品を扱い、高いシェアを維持する」戦略で真向勝負しています。

日医工は2019年にもエーザイの子会社であるエルメッドエーザイを買収していますが、武田テバの後発品も含めて自社製品と重複している製品がけっこうあるはずです。

それでも、重複していない製品やサプライチェーンなどを考えると買収効果を得られるという判断だと思うのですが、これはまさにパワープレーで多くの製品ラインナップを揃え、高いシェアを維持することで成長していくということを示しているのだと思います。

この判断もなかなか挑戦的というか、会社の命運を分けるような大きな経営判断になるので強い決断力を要することですね。

日本の経営者にはあまり多くないですが、このような決断力とスピードがある経営者がいる会社は今後も成長していくんじゃないでしょうか。

まとめ

武田テバはもともとテバが51%と武田薬品よりも出資比率が高くなっており、最終的な決定権はテバの経営陣にあるんだと思います。

なので、日本のレッドオーシャンで消耗して後発品のマーケットシェアを取るよりも、AGと新薬でビジネスをした方が利益成長としては大きくなるという判断なのでしょう。

将来的には、武田テバはテバが開発する新薬を中心に扱う新薬メーカーになっていくんでしょうね。

今回はそのための決断ということです。

しかし、武田テバはグローバルで売れているテバの新薬を国内で導入するという手が残っているから良いのですが、新薬を開発できない新薬メーカーが国内にはたくさんあります。

それらの会社の決断はいつになるのかわかりませんが、いつかは決断しなくてはいけなくなるんじゃないでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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