こんにちは。
現役MRのリョウタです。
「MRは将来性が抜群の職業で、これからもマーケットが拡大していって仕事も増えていくから安泰♫」
こんなふうに思うことができるMRの人は、おそらくほとんどいないんじゃないかと思います。
現実にここ何年も、毎年のように目の前でどんどんとMRがリストラされていますからね。
でも、MRの将来性に疑問が湧く理由はそれだけではないと思います
今日はこの件について考えてみたいと思います。
目次
MRは将来性が低いと思うのはなぜか
私が異業種の会社からMRに転職したのは、もう15年ほど昔ですが、その頃は製薬業界といえば何処の会社もどんどん売上が伸びており、しかも景気にも左右されにくい業界なので、MRにさえなれば将来安泰だと言われていました。
今のような、医療費が高騰しすぎて薬価を毎年下げられて、国家政策で後発品のシェアを80%以上にされて、フォーミュラリーの導入が進んでいくなんていう将来はなかなか想像できないくらい上り調子でした。
たった10年くらいの間にほとんどの現役MRが、MRの将来性の低さを実感するくらいの職業になってしまったのですが、それはなぜなんでしょうか。
医師にMRと会うメリットがなくなった
現役MR世代でも、40歳以上のMRが一番将来性がなくなったと感じるのはこれではないでしょうか。
私達が保険や不動産の営業マンとしょっちゅう会いたくないと思うのと同じで、忙しい医師も本当なら製薬会社のMRにしょっちゅう会いたいとは思わないはずです。
それなのに、患者さんが多いクリニックなんかは面会時間にMRがズラーッと並びますが、一人ひとりキチンと順番に面談をしてくれ、1時間以上かけてくれる先生も珍しくありませんよね。
それは、MRと面談すると稀に自分が知りたい情報を提供してくれるからということもあるかもしれませんが、やっぱりクリニックや医師自身にメリットがなければそれだけの時間を使いたいという人はそこまでいないはずです。
今のように接待もダメ、ギミックもダメ、パンフレットレベルの情報提供しかダメということになると、MRと会うメリットはほとんどなくなってしまいました。
説明会の弁当も時間の問題です。
医師とMRとの間でギブ・アンド・テイクが成り立っていたからこそ、医師はMRに会っていたのですが、そうでなくなった以上、MRに面談していた時間を使って自分でバイアスのかかっていない情報を収集すればいいだけです。
製薬業界で接待が禁止になって以降、MRは見事なまでに減り続けていますから、やっぱりMRに需要がなくなったということが一番大きいんじゃないでしょうか。
規制が厳しすぎる
接待やギミックの禁止も大きいですが、厚生労働省によって2019年からはじまった「医療用医薬品の販売情報提供活動監視事業」は大きいと思います。
顧客側にスパイを設置して、規則に違反して営業活動をしているヤツを密告させるなんて、他に同じようなことをやってる業界ってあるんでしょうか?
しかも、厚生労働省はこの事業にかなり力を入れていて、監視スパイをどんどん拡大しようとしています。
このような中では、もはや会社が作成したパンフレットを持っていくくらいしかできることがなくなってしまい、自分のオリジナリティを出して仕事をすることがかなり難しくなっています。
誰が担当してもたいして変わらないのなら、仕事としては面白みがないですし、AIに大部分を代替することが可能なので給料も下がって当然です。
まあ、結局のところ厚生労働省は製薬会社に対してMRの数を抑えさせて、薬価を低くすることへの耐性をつけさせたいんじゃないでしょうか。
MRが増えすぎた
ここまでMRが増えすぎていなければ、MRのリストラをしょっちゅう目の当たりにすることもなかったので将来性を疑問視することもなかったかもしれません。
今の40代〜50代のMRというのは、モロにプライマリーバブルを経てきた世代なので、そのあおりを受けていますよね。
メガファーマがブロックバスター候補の新薬を発売したときなんか、300人、500人、1000人単位でMRを募集したんですから、今から思えばあれは異常でした。
今は専門性が高い製品が中心ですから、MR数は少なければ少ないほど良いという価値観に、企業側が変わってしまいました。
新型コロナによって、MRがもっと少なくても売上は維持できることがバレてしまったのも、MRが増えすぎていることを再認識した要因になったでしょうね。
最終的に国内のMR数はピークの半数になるのか、3分の1になるのかはわかりませんが、そこまで減少しきればもっと専門的な職業に変革するんじゃないかと私は予想しています。
医師免許を持ったMRが増えるとか、そんな感じになるんじゃないでしょうか。
それなら、医師も話を聞こうと思うんじゃないでしょうかね。
MRがこれからも必要とされるのは?
今、製薬業界は生活習慣病などの開業医向けの薬から、癌、もしくはよりニッチな疾患領域へとシフトしていってます。
そういった疾患はより高度かつ専門的な医療が必要なので、病院向けの薬剤となり、今後MRはこういった疾患領域の薬を売ることが求められるようになります。
シェアオブボイスの営業とは異なり、より専門性が高い知識(特に癌などはガイドラインも複雑で覚えることも多い)が必要となり、これまでのMRのやり方とは異なる能力が要求されるようになります。
こういった現状も踏まえて、MRを続けたい、製薬業界で生き残りたい人現状考えるべき2つのことを説明したいと思います。
MRを続けたい、製薬業界で生き残りたい人が考えるべきこと
1,必要とされるところで働き続ける
同じ会社にいることを前提とするのであれば、シンプルに「必要とされるところで働きつづける」ことが重要です。
先ほど申し上げた通り、開業医向けのMRをやっていても先がありませんので、例えば病院向けの担当に手を挙げてみるのとか、思い切って別の職種を希望してみるというのもいいかもしれません。
別の職種ということであれば、管理系の部門、メディカルアフェアーズ、企画系部門などが営業から異動する業種としては人気ですが、いずれもMRとは全く違う資質が求められるので、一度自分自身の適性を振り返った方が良いかもしれません。
ポジウィルキャリアなど、転職活動を支援しつつ、キャリアデザインを考えてくれるところもありますので、MR以外の職種を希望されるのであれば一度検討してみるとイイのではないでしょうか?
こちらの記事もご参照ください。
https://futuremrjob.com/#MR-4
2,転職する
自分の会社の将来性が見いだせない、MRを是非とも続けたいという方はもしかしたら転職を視野に入れたほうがいいのかもしれません。
転職は国内ではどうしてもネガティブなイメージがありますが、自分の適性にあった仕事、必要とされる仕事を探すという意味合いであれば、むしろポジティブにとらえるべきことだと思います。
MRの転職は少し特殊なところもありますので、ヘルスケア業界に強いエージェントに頼むのがおススメです。その中でも私が利用してよかった転職エージェントを3つ紹介します。
JAC Recruitment
私が異業種営業から外資系MRに転職した時にお世話になっていたエージェントさんです。歴史が古く、各社人事担当者との結びつきが強いのも特徴です。
ハイクラス案件、その中でもヘルスケア業界に強く、MRを含めた製薬企業案件に関しても大手のエージェント(リクナビやパソナなど)よりも質・量ともに優れた案件を紹介してくれます。
一度登録しておくと、定期的に連絡もくれたり、案件を紹介してくれたりするので、中長期的なスパンで考えている人にもおススメです。
こちらの体験談もどうぞ
https://futuremrjob.com/jac-online
ランスタッド
1960年にオランダで設立された世界最大級の転職エージェントであるランスタッドはハイクラスの転職案件を多く取り扱っています。
ランスタッドもJAC Recruitmentと同じくヘルスケア部門に強く、国内の多くの製薬企業とのパイプを利用した案件を紹介してくれます。
海外経験豊富なコンサルタントもそろっており、外資系案件にも強いのが特徴です。
こちらの記事もどうぞ!
https://futuremrjob.com/introducing-randstad
エンワールド
とにかく外資系への転職に強いのはCMでもお馴染みのエンワールドになります。
製薬企業における転職案件でもとりわけ外資系案件に強く、他のエージェントでは見られない好条件案件が出てくるケースも多いです。国内のMR市場において、外資系企業の存在感は増しており、自分の実力を試してみたい!という人に特におススメとなります。
キャリアコンサルティングをしっかりとしてくれることでも定評があり、私自身、初回の転職活動をしている時は大変参考になりました。自分の進むべき道を考えたうえでの転職活動を行うことができますので、登録しておくと良いかと思います。
まとめ
MRの仕事としての魅力も人それぞれの価値観によるところがあるかとは思いますが、私個人的には一昔前の「少し」自分のオリジナリティを出せる環境が良かったなと思います。
今のMRというのは、会社がMRに言わせたいメッセージをほぼそのまま伝えるということ以外にできることが少ないですから、魅力的かと言われれば全く魅力は感じません。
毎日「このしょうもない仕事をこなすことで給料をもらっているんだ」と自分に言い聞かせて言われたとおりにしています。
それ自体はサラリーマンであれば、どこの業界のどんな職種でもたいして変わらないんじゃないかと思いますけどね。
結局、自分のアイディアや想像力を使って思い通りに仕事をしようと思えば、自分でビジネスをするしかないんだと思います。
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