こんにちは。
現役MRのリョウタです。
シャイアー買収の借入れを返済するための資産売却を1年半くらいをかけて進めてきた武田薬品ですが、売却できる資産はあらかた売却してようやく落ち着いた感じでしょうか。
早期退職まで実施したのは驚きでしたが、次の展開を見据えて動いています。
業界の新しい試みとして200名以上のMRをデジタルリードという部署に異動させました。
パッと読んだ時にはリモート専任のMRなのかと思いましたが、どうもそういうわけではないようですね。
MRの業務と並行しながら営業に関するデータ分析やリモート活動に関するアイディアを出すという感じなんでしょうか。
上手くいくかどうかは誰にもわかりませんが、武田薬品の業界で先陣を切って新しいことをやる社風というのは素晴らしいと思います。
国内最大手という看板がありながら新たなことに挑戦するというのはなかなかできることではないですからね。
武田薬品のデジタルリードとは

私は武田薬品の社員ではありませんので公表されている範囲ではありますが、武田薬品が新たに配置したデジタルリードとは、MRの中から220名をピックアップし、本来のMR業務と並行しながら既存のデータ分析や最新のデジタル技術の知識を活用した情報提供活動について他のMRをリードし、得られた事例などを体系化するというものだそうです。
まあ、営業所内のMRのリモート活動についてのデータを分析したり、率先してリモート活動を実施して事例共有を行っている方たちなのかなと勝手に思っています。
先日の11月4日に武田薬品のホームページにニュースリリースされ、それをもとに各報道機関が報じていますが、実は新型コロナの問題が起こる半年前からデジタルリードの配置を開始していたんですね。
すでに3分の1がITパスポートの国家資格を取得済みと報道されています。
ITパスポート自体は国家資格ではありますが、情報処理技術者試験の中ではエントリーレベルであり、30~50時間の学習時間で取得可能と言われる比較的易しい資格です。
武田薬品のMRの方々なら楽勝で取れるんじゃないかと思います。
最低限のIT知識とスキルを把握するというのと、デジタルリードという職種を社内に認知させるためという意味合いなんでしょうね。
しかしまあ、武田薬品ではこれまで以上になんとなく経験と感覚で訪問していたということがなくなって、このデジタルリードの分析によって綿密なリモート面談の相手や回数がロックオンされるんでしょうね。
時代とはいえ、窮屈な感じがするのは私だけでしょうか・・・。
他社の追随はあるのか

武田薬品は業界の先陣を切って、しかも新型コロナで通常訪問ができなくなり始める遥か以前からこういった試みをスタートさせるのはさすがだと思います。
日本では特に組織が大きくなればなるほどこういう成功するかしないかわからないことを新しくやるのは嫌いますからね。
だから、武田薬品が実施して顧客から評価されはじめたら、他社も追随していくんじゃないかと読んでいます。
しかし、あと1,2年もすればほとんどの医師がリモートでMRと面談するようになっているんじゃないかと私は思っていますから、そうなると全員がデジタルリードで良いんじゃないかとも思いますね。
Zoomなどは使い方が非常に簡単ですから特にITリテラシーなんかは必要ありませんし。
まあ、ITパスポートの資格には経営戦略マネジメントやシステム戦略などの知識が含まれていますので、そのあたりのストラテジーについて学ぶのは良いのかもしれません。
こんな時代ですから、自身の会社が武田薬品に追随してデジタルリードを導入してくる前にITパスポートを取得しても面白いかもしれませんね。
すでに取得していたら、社内で部署ができたら真っ先に任命してもらえそうですし、部署ができなくても時代の流れに合っているのでなにかと社内の注目は集められそうですよね。
「ああ、武田薬品がやってるヤツかー!」みたいなね。
まとめ

他社が同じように肩書きを作って資格を取らせるところまでするかどうかはわかりませんが、新型コロナによって営業のやり方が変わってしまった以上、少なくとも営業手法としては同じ方向性になるんじゃないかというのが予想できますね。
今はまだ「Zoomなんてする場所がないし、なんか面倒くさいなー」と思っている顧客もけっこういますが、そのうちMRと面談する意思のある顧客はZoomを使うようになっていくのは間違いないでしょうから。
一度使うと思った以上に使えることに気がつきますから、Zoom面談をやっていたけど止めたという人を聞いたことがありませんよね。
ITパスポートはエントリーレベルの資格ですのでIT業界ではほとんど意味がない資格なんですが、今のトレンドですから製薬業界で持っていたら仕事の上で有利になる可能性はあるかもしれませんね。
30時間~50時間の学習時間で取得できますし、情報も豊富なので挑戦してみてもいいかも。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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