こんにちは。
現役MRのリョウタです。
先日、武田薬品がMRを中心としたリストラを発表しましたが、それに合わせて社員の給料を20%カットすることを通達したそうです。
給与カットの対象がMR全員なのか年齢制限があるのかとか、基本給から20%なのか手当なども含めてなのかなど詳細なことはわかりませんが、かなり大胆な変化が武田薬品で起こっています。
武田薬品はシャイアーという少々高すぎる買収をしたことが、今回のなりふり構わぬコストカットにつながっていることは間違いありませんが、これは武田薬品だけの問題で終わるのでしょうか。
MR全体の平均年収に影響するのか
15年以上MRをやっている私のイメージとしては、武田薬品は日本の製薬業界にとってトップであり続けなければならない存在です。
自動車業界でいえばトヨタ自動車、銀行でいえば三菱UFJ、証券でいえば野村証券のような感じです。
当然、会社の存在感もトップ、MRの質もトップ、給料もトップでなければならないです。
それなのに、シャイアーを買収したばかりに、道修町の大阪本社、一般薬の武田コンシューマーヘルスケアなど武田薬品のアイデンティティのほとんどを売却する羽目になってしまいました。
そのうえ、MRの数も減らされ、遂には給料2割カットなんて酷過ぎる。
武田薬品は特に会社のプライドと愛社精神を持って仕事をされている方が多いですので、今そのプライドがズタズタになっているんじゃないかと思います。
全く別の同業他社で外からみている私たちがそう感じるのですから、武田薬品の中にいる方は想像以上にショックなんじゃないかと思います。
巨額の企業買収をしたからとはいえ、日本の超優良企業である武田薬品でさえそういった日本らしさというか、日本のトップ企業としてのプライドを保つことができなくなってしまっているということに私はショックを受けました。
ご存知のとおり日本はすでに人口が減少をし続けています。
医薬品市場についても超高額医薬品に引っ張られて微増しているものの、他の大多数の領域においてはマイナスになっており、医療費抑制が続いていくことから今後は市場自体がマイナスになっていく可能性が大です。
このような状況で武田薬品のようなグローバル企業が日本だけを特別扱いできないことは理解できますが、これまでそれを続けてきていたんです。
それを止めたということは、他の会社も影響を受けることは目に見えています。
武田薬品だけがMRの給料が同規模の他社に比べてずっと2割も低いままということは、おそらくないんじゃないかということが予想されます。
つまり、2割減の給与水準が業界他社に拡がっていくということですね。
武田薬品が給与を引き下げたことによって、同業他社にも給与を引き下げる大義名分ができましたから。
武田薬品のようにストレートに引き下げが行われるというのはなかなかないかもしれませんが、昇給や昇格を減らしたり、賞与を減らしたり、手当を改悪したりということがいろんな会社で堂々と行われるようになっていくんじゃないでしょうか。
ちなみに、どこから順番に実行されるのかを予想すると、まずは内資系大手からじゃないかと思っています。
なぜなら、日本の製薬会社は武田薬品のようなグローバル企業を目指している段階の会社が何社もありますから、そういう会社は武田薬品と同じく日本のコストを下げたがっているはずです。
日本に入ってきている外資系はほとんどが自社ビルなど持たずオフィスはみんな賃貸ですし、支店も営業所もない会社もあります。
本社部署は多くがコントラクトでシステムも外部委託というスタイルですので、日本で同じようにビジネスをしていても固定費が全然少なく済んでいます。
内資系はグローバルで戦おうとするならまずは市場が縮小していく日本のコストを下げていかないといけないというのは多くの会社が感じているのではないでしょうか。
内資系大手が給与を引き下げてくると、つられて中堅も下がっていく流れになると読んでいます。
その点、外資系は内資系企業につられて給与カットをやるかどうかは分かりにくいところではありますが、やるにしても内資系より一歩遅れてくるんじゃないかと思います。
まとめ
MRの削減についてはMSDやサノフィなどの外資系から大幅な人数削減の流れが始まって、今では内資系大手も減らし始めており、この後は内資系中堅も続いていくと読んでいます。
次の流れは給与カットということになってしまいそうですが、正直なところできれば上記の私の予想は外れてほしいと思っています。
しかし経営者側の立場になって考えてみると、今回の武田薬品の給与カットは絶好のチャンスと言えるわけです。
「武田薬品がカットされているんだから仕方ない。」と組合や社員を納得させられる可能性がありますからね。
内資系大手は武田薬品のように切羽詰まっている会社ばかりではないので、組合で頑張って拒否すれば引き延ばすことはできるかもしれませんので、組合がある会社は是非頑張ってほしいですね。
しかし業界としての流れになるのであれば止めることは難しいと思いますので、現役MRの皆さんは住宅ローンや教育費など、長期的な支出管理については余裕を持った方が良いかも知れません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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