MRの将来性

相次ぐコ・プロモーションの終了は何を意味するのか

こんにちは。

現役MRのリョウタです。

ここ数年、外資系企業と内資系企業とで共同販売している製品について、コ・プロモーションを終了するケースが増えてきているように感じます。

昔はジェネリックの発売後だったらたまにあったと思いますが、最近では特許期間中に提携解消に至ることが散見されてきていて、驚きますよね。

これは一体何を意味するのかについて考えてみたいと思います。

第一三共が資産の整理を進めている

かなり衝撃的なニュースが飛び込んできましたね。

アストラゼネカと第一三共が販売しているネキシウムについて、9月14日でコ・プロモーションの販売を終了するというニュースのことです。

2011年の発売からちょうど10年が経過しての契約終了だということですが、年間で800億円近く売れている製品なので、第一三共としてもまったく平気とは言えないんじゃないでしょうか。

第一三共は2019年に日本橋の本社ビルを売却したり、一般用医薬品の第一三共ヘルスケアを売却する噂が流れましたし、2021年2月にはアルフレッサファーマに特許切れの11製品を売却することを発表しています。

単なる推測に過ぎませんが、この資産売却はネキシウムの契約終了をカバーするためという意味合いもあるんじゃないかと思います。

しかし、長期的な展望では抗がん剤に注力するための周辺資産売却という見方もありますね。

ADCのエンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)はピーク時にグローバルで1兆円近くの売上になる可能性を秘めていますし、その他にも複数の有望な抗がん剤がフェーズ3に進んでいますから、これまでのプライマリー薬の売上をカバーできる見込みが立ってきているんでしょう。

第一三共は今後の展開次第ではグローバルで生き残っていける可能性もありますが、もしかしてコア領域以外の資産を整理して他社との合併に向けて動いているなんていうことも、あったりしませんかね?

武田薬品がシャイアーを買収して、ノンコアの資産を売却しまくってグローバルメジャーにのし上がろうとしていますが、第一三共もその方向に向かっている可能性は十分にあると思います。

近年のコ・プロモーション終了

ネキシウム以外にも、最近は売れ筋の製品のコ・プロモーション終了をちょくちょく目にします。

たとえば、武田薬品とMeiji Seikaファルマの不眠症治療薬「ロゼレム」のコ・プロモーション終了ですね。

Meiji Seikaファルマは中枢神経領域がメインなのに、不眠症治療薬でトップ3のシェアを誇るロゼレムのコ・プロモーション契約を切られるとダメージは大きいんじゃないでしょうか。

また、MSDと大鵬薬品の抗PD-1抗体「キイトルーダ」も2019年でコ・プロモーションを終了しています。

個人的には、コプロ終了ではこれが一番驚いたニュースでした。

大鵬薬品は、抗がん剤に強みを持つメーカーですし、その領域でトップ製品のキイトルーダを販売することにはとても大きなメリットがあったはずです。

それが、たったの2年弱で契約打ち切りというのでは、大鵬薬品に対するイメージでもマイナスでしかないです。

契約を締結する前から2年弱の予定だということは考えられませんので、突然打ち切られたとしか思えませんね。

大鵬薬品の事業計画も狂ったんじゃないかと思います。

そして、契約を打ち切った側のMSDにはどういう思惑があったんでしょうか。

MSDは、当初がん領域に初参入同然だったので大鵬薬品に助太刀を求めたわけですが、思ったよりも早くオプジーボをキャッチアップすることができて、単独販売でも太刀打ちできると判断したのでしょうか。

それとも、大鵬薬品と契約で何か折り合わないところでもあったんでしょうかね。

大鵬薬品は失ったものが大きいので、驚きました。

あとは、つい先日の3月12日に、ノバルティスとMeiji Seikaファルマの「ウルティブロ」「シーブリ」の共同販売も終了すると報道されました。

シーブリは2012年、ウルティブロは2013年に発売され、2016年からMeiji Seikaファルマとの共同販売を開始しています。

この2剤の特許は2026年までありますから、共同販売が順調ならそのあたりまでは継続するはずですが、5年で終了というのにはなにか訳があるはずです。

販売終了でいうとコ・プロモーションではありませんが、鳥居薬品のHIV製品6製剤のギリアド社への返還も衝撃的でしたね。

鳥居薬品はあれで売上が激減しましたし、株価も大きく下がりました。

ギリアド社もC型肝炎治療薬で日本法人を設立していましたし、鳥居薬品としても将来が不確実な導入品で経営を続けていくよりも、ギリアド社に契約解除金をもらって新たな製品の開発資金をゲットしたほうが合理的だったこともあります。

しかし、ここ最近の「外資系企業による内資系企業との契約の打ち切り」という共通点は何かの前触れのような感じもして、不気味だと思うのは私だけでしょうか。

ここ最近のSOVの終焉というか、1製品あたりのMR数よりも製品力ということで、「販売代行業」と化している内資系中堅企業のハシゴを外す流れはすご〜く嫌な予感がします。

内資系中堅MRの方への煽りでは決してないのですが、どこの会社に所属していてもMRである限り、将来への不透明感というのは年々濃くなっていくのを感じますね。

MRでちょっと給料が良いからといって、思考停止だけは危険だということなんでしょうか。

まとめ

コ・プロモーションは日本市場で多い販売手法ですし、プライマリーバブルで効果を発揮した手法ですから、それが完全に終わった今では必要がないことに企業が気づいてきているんだと思います。

コプロで製薬会社が成り立っていたのは過去の話になっていくのでしょうね。

これからは、どんなニッチなジャンルでもいいから自社開発品を厚くしていくことができなければ、どんどん厳しくなっていきそうです。

コプロの売上が契約打ち切りによって突然消えて、売る製品がなくなって早期退職募集なんていうのも珍しくなくなってくるのかもしれません。

1つの会社に長くいるのがさらに難しくなっていきそうですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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