mrの転職理由

コントラクトMRへの転職はありなのかについて考える

mrの転職理由
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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

プライマリー全盛期時代には、コントラクトMRというのは「メーカーMRになるための下積み」のような位置づけだったイメージがありますよね。

それはなぜだったかというと、どの製薬メーカーもMR数を増員しまくっていた中でわざわざメーカーMRからコントラクトMRに中途入社する人がほとんどいなかったからです。

製薬メーカーのMR未経験者の募集案件が一時的になかったり、製薬メーカーの採用選考に受からなかったりで、それでもMRをやりたい人がコントラクトから始めて2年くらい頑張ってメーカー正社員に転身する流れが一般的でしたね。

しかも当時はコントラクトも引く手あまたでしたので、CSOの会社の採用選考を受けて落ちた人を見ることはほぼありませんでした。

しかしここ最近ではこの構図が大きく変化しています。

コントラクトMRというのは自分の希望の働き方を叶えるためだったり、製薬メーカーでは将来的にも経験できない仕事をするためだったり、将来性を感じたりということで製薬メーカーから転身する人も増えています。

今の時代、そして将来のことを考えたとき、コントラクトMRとして仕事をしていくというのはアリなのかそれともナシなのかについて考えてみたいと思います。

コントラクトMR数の推移

日本全体のMR数はご存知のとおり2014年以降は例外なく減少を続けています。

ではコントラクトMRの数はどうかというと、こちらも減少しているんですね。

2014年には大きく増加して4,148名に達したもののその翌年の2015年には7.5%の減少に転じました。

2016年には製薬メーカーMRが減少する中で再び1.2%増加しましたので、その後は伸びるのかと思いきややっぱり2017年、2018年と続けて減少を続けています。

しかし、製薬メーカーのMRと比較すると減少の割合は少なめといったところです。

じゃあ、ここから先はどうなるのかということですが、「どっちにしろ数が減ってるんだから、コントラクト業界もダメだね」と思うのが普通かとも思います。

この表だけをみるとコントラクトMRも減少の一途を辿っているように見えますが、2009年には1769名だったことを考えると今は全体のMR数の減少につられて調整しているだけという可能性もあります。

事実、コントラクトMRを活用する企業の数はほとんど休みなく毎年増加し続けていることからも、各製薬メーカーが正社員のMRをリストラで減らしながらコントラクトをうまく活用しようとする姿勢が見えています。

製薬協に加盟している会員会社は2020年現在72社しかありませんし、加盟していない会社も合わせると日本で医療用医薬品を製造・販売している会社ってだいたい110~120社くらいですので、さすがにここから活用企業数がどんどん増えていくことは難しいかもしれません。

ただ、一度CSOを活用した企業はそれ以降も継続的に活用していく可能性が非常に高いです。

そう考えると、MRが減少していく中で相対的に減少しにくいのはやはりコントラクトMRということになるのではないかと思います。

新薬をまるごとCSOに委託する時代が来る

米国ではすでにMR数がピークから半分以下に減っていますが、コントラクトMRは活用企業が増え続け、今では10%以上がコントラクトMRという状況です。

日本では2018年の時点でコントラクトMRの割合は5.1%ですので、アメリカと比較すると2倍以上の開きがあります。

もし日本のMR数がアメリカと同じようにピークから半分以下になると仮定すると、

ピーク時のMR数 65,700名 ÷ 2 = 約32,850名

このMR数の10%程度がコントラクトMRになるとすると、

32,850名 × 0.1 = 3,285名

ということで今のコントラクトMR数とほとんど変わりがありません。

つまり、製薬メーカーのMR数が今後さらにリストラによって減少していくことになったとしても、コントラクトMRは需要が増えることによってリストラされるなどの目に遭う可能性が低いということになります。

さらに、日本が5~10年くらいの時間差でアメリカと似たような状況になるのであれば、特に新薬の立ち上げ(新薬承認後~発売後1~2年の間)をCSOにまるごと委託する企業が増えてくると予想することができます。

プライマリー領域に比べてスペシャリティ領域の製品は新薬立ち上げ後にはMRは必要最低限でよくなってしまいますので、これまでのように正社員を増員する方法ではムダなコストがかかってしまいます。

はじめからCSOに2~3年の契約で委託してしまって報酬を出来高制にすればコストを大きく抑えることができますし、計画どおり売上が上がれば製薬メーカーもCSOもWin Winになれます。

そもそもCSOは米国発祥のビジネスですし日本のCSOは半分以上が外資系ですので、近い将来には外資系の製薬企業を中心にまず間違いなくそうなっていくと思われます。

以上のようなことをふまえると、コントラクトMRはこれまでの先入観を捨てて常に転職候補として検討しておくべきだというのが私の結論になります。

コントラクトMRの待遇は?

そうは言ってもこれまでのところコントラクトMRの待遇はそこまで良いわけではないですよね。

決して悪いわけではなく内資系中堅メーカーと同じくらいとは言われていますが、福利厚生や仕事のマッタリ度など総合的に考えるとこれまでのところ内資系中堅メーカーにいた方が良かったと思われます。

しかし、今後はどうなるかというとこのままではいかないんじゃないでしょうか。

内資系中堅メーカーの将来については「内資系中堅製薬会社MRは海外売上高比率に注目してますか?」「株価や時価総額から見る内資系中堅製薬会社MRの未来」で記事にしていますので、是非そちらも読んで頂ければと思います。

厳しいことが分かりきっている中で思い切ったリストラができない会社が多いのが内資系中堅メーカーです。

これからもこのような傾向が続いていくならば、リストラをしない代わりに内資系中堅メーカーの年収は下がっていく可能性が高いです。

そしてアメリカで現在そうであるように、CSOの出来高制が顕著になれば新薬が計画よりも売れた時には製薬メーカーからCSOに支払われるインセンティブが大きくなり、結果コントラクトMRが受け取ることができるボーナスが多くなることによって製薬メーカーとの年収格差は今よりも小さくなることが予想されます。

今の環境では全くコンプラ違反しないで圧倒的に計画を達成し続けられるMRか、もしくは化学や薬学において専門医よりも詳しいMRでないと年収を上げていくことは困難になると予想していますので、ほとんどの製薬メーカーMRの年収はコントラクトMRと大きくは変わらなくなるのではないでしょうか。

このような予想が当たるのかまったく外れるのか、当たるとしてもそんな未来が予想よりも早く来るのかどうかはわかりません。

ただ、過去の数字という事実と、多くのことが日本よりも5~10年早く起こっているアメリカにおいて既に起こっている事実から今後を予想していますので大きくは外れないんじゃないかと思っています。

あとはみなさん次第ですね。

私も他人ごとではないですけど(笑)。

まとめ

30歳を過ぎてから専門医以上の化学・薬学知識を3身につけるのもなかなか簡単なことではありませんし、どこに根拠があるかわからないような計画を落とされた日には計画を達成させることすら困難になることも多々あります。

そうすると、今後MRで年収を上げようと思ったら新興バイオベンチャーに転職するか上司にゴマを擦りまくるくらいしか手はありません。

それがイヤな人は副業をするか、他でMRと変わらないくらい稼げるスキルを身につけるしか手はありません。

動くのがめんどくさいからといってダラダラとMRだけを続けていくというのが最も高いリスクを負うことになります。

複数の収入源を持てるようになれば、シャカリキにMRの年収を追い求める必要もなくなってきます。

製薬メーカーと比べて相対的に待遇が悪くなりにくいのであればコントラクトMRという選択肢は外すべきではないですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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