最近では、バイオ医薬品や分子標的医薬品など基幹病院の使用が中心の製品の上市が増えていますよね。
それに伴って、スペシャリティ領域MRの市場価値が高まっているのを感じます。
プライマリー領域MRの中でも特にエリア担当の方は今後のキャリアについてどう考えていけばいいのでしょうか。
会社のキャリアに対する考え方
会社によってキャリアパスの考え方が違いますが、
新卒
↓
エリア担当
↓
病院担当
↓
大学担当
↓
所長(課長)
↓
支店長(部長)
このようなキャリアパスが明確な会社は多いと思います。
3回の転職を経験して実感したのですが、転職市場においてはこの価値基準はさらに明確です。
「いやあ、自分は長くエリア担当をやってきてこの担当地区に強いし、実績も良いから会社からの評価も高いよ」と思っている人、危ないですよ。
なぜエリア担当を長くやっている人が危ないかを説明したいと思います。
社内でのエリア担当MRの価値低下
まず時代背景として、政府のジェネリック薬の促進があります。
政府は汎用性が高いプライマリーケア製品を中心に、よほど新薬を使わなければならない理由がない限りジェネリック薬を選択する診療報酬体系に改定しています。
この流れにより、プライマリーケアを担う一次医療で頻用される製品の寿命は以前よりも確実に短くなっていますし、プロモーションの必要期間も短くなっています。
日本においても、プロモーションをしていれば特許が切れてもシェアがあまり落ちない時代は完全に終わったのです。
こうなってくると、エリア担当は新薬立ち上げの一定期間をコントラクトMRと契約し、契約終了後は少数の社員でカバーしていくような流れになっていくことが予想されます。
コントラクトMRの方がコストも安いですし、一定期間で済みます。
社内に大勢いるエリア担当MRは価値が低くなりますので昇進や昇格ができなくなったり、リストラの対象になりやすくなります。
そもそも企業のキャリアパスとして、
エリア担当<病院担当<基幹病院・大学担当<管理職
この序列が明確化されている会社が多いということは、エリア担当として長く良い成績を上げていても実はキャリアディベロップメントとしては会社から全く評価されていないということになります。
エリア担当で、自分の方が成績がずっと良いのに周りの若いMRがどんどん病院担当や大学担当になっていく…ということに心当たりのある人はいませんか?
心当たりがある人は少しでも年齢が低いうちに転職を考えた方が良いかもしれません。
転職市場での価値はさらに低い
また、転職市場においては
エリア担当<病院担当<基幹病院・大学担当<管理職
この価値基準はさらに明確です。
近年は基幹病院や大学病院でしか使用しないような専門性の高い新薬が増えてきていますのでそのようなスペシャリティ領域担当MRの募集は基幹病院・大学担当経験が必須ということも多いのです。
エリア担当MRは今後どうすべき?
以上の理由により、エリア担当MRは企業において代替の利きやすい、つまり価値の低いMRということになります。
40歳以上のエリア担当MRははっきり言うと、会社に何かあったときには真っ先にリストラ対象になる人です。
それに比較し、スペシャリティ領域の製品を担当するのはある程度の知識と経験が必要であり、コントラクトなどの代替も難しいため転職市場では高い需要があります。
エリア担当でも立派なMR活動に変わりはなく、誇りを持って仕事をされてきた人もいますので気を悪くしないで欲しいのですが、企業目線で見るとこれはまぎれもない事実です。
ですから、現状エリア担当MRの人は一刻も早く病院担当になるためにあらゆる努力をしていくべきだと思います。
最後に
表立って人事から発表されたりしませんが、ほとんどの会社が担当施設によってMRのキャリアを序列化しているはずです。
現状、エリア担当を3年以上続けているMRの方は、1年でも早くエリア担当から病院担当になることが自分のMRとしての価値を上げるためにとても重要です。
今いる会社で病院担当になれそうになければ、転職によってなるという方法を検討すべきです。
エリア担当MRが病院担当となるスペシャリティ領域として転職することは年々難しくなっています。
リクルートする側の立場としては、クライアントの需要に正確に応えることを重視するため、エージェントによってはエリア担当MRの転職に消極的なスタンスをとる人もいますし、現に私も転職時にそのようなことを経験しました。
ですが、スペシャリティ領域MRへの転職に協力してくれるエージェントもいますので、現状エリア担当で専門領域を希望するMRの方は高いモチベーションをエージェントに伝えることが大事だと思います。
DODAは大手エージェントの中でもMRの転職に強いので、あなたに合った募集案件を見つけてくれますよ。
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