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ワクチン承認間近!?ドイツ新興バイオベンチャーのバイオンテックはどんな会社?

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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

前回は米国バイオベンチャーのモデルナについて記事にしましたが、今回は同じmRNAワクチンを開発しているドイツのベンチャー企業、バイオンテックについてまとめてみたいと思います。

バイオンテックとは

バイオンテックは2008年にドイツの小さな街、ハインツで創業されました。

共同創業者でCEOのウグル・サヒン(Ugur Sahin)氏は1990年にドイツのケルン大学で医学博士を取得し2008年にバイオンテックを創設すると、同年からGanymed Pharmaceuticals AGというバイオ医薬品企業のサイエンティフィックアドバイザリーボードのヘッドを務めています。

この企業は2016年にアステラス製薬に買収されましたので同年に退任していますが、2014からマインツ大学医療センターの教授を務め、さらに非営利団体も設立するなど幅広く活躍されています。

バイオンテックはがんに対する次世代の免疫療法を開発することを目的として設立されました。

その創薬の中心となっているのは、先日ご紹介したモデルナと同様、mRNAを応用する技術になります。

mRNAとは、細胞の核にあるDNAからタンパク質を生成するリボソームに遺伝子情報を運び、タンパク質の生産を指示する遺伝子で、人間の全ての細胞にはこのmRNAが存在しています。

このシステムを利用して、がん細胞に対する免疫応答を増強するようなmRNAを設計して薬剤化するための高い技術を持っているのがバイオンテックです。

2020年8月現在、オンコロジー製品候補としては11の臨床試験が進んでおり、パートナーとしてはロシュ傘下のジェネンテック、イーライ・リリー、サノフィ、バイエル、ファイザーなどと共同で開発しています。

新型コロナワクチン第1号なるか

バイオンテックは新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン(BNT-162)をファイザーと共同で開発しています。

このワクチンはバイオンテックが得意なmRNAの技術を用いています。

ヒトの細胞に入ると新型コロナウイルスの一部が作成される特殊なmRNAをワクチンにすることで、通常のワクチンよりも安全性が高く、さらに有効性も人種や年齢によって調節することができるというのが大きな特徴です。

このワクチンもトランプ政権のオペレーション・ワープ・スピードに採用されていますが、開発力のあるファイザーと提携していることで米国立衛生研究所(NIH)の協力を受けずに臨床試験を行っています。

このことでバイオンテックのワクチンは米国だけでなく、ドイツやブラジル、中国など世界中で治験を行うことができています。

これは、治験が成功して米国に承認されることになった場合、一気に他国でもワクチンを供給することができるようになる点で有利になるため、後々の収益拡大のためには重要な戦略になります。

現在最も臨床試験が早く進んでいるのはアストラゼネカとオックスフォード大学が共同で開発しているワクチンだと言われています。

しかし、モデルナやバイオンテックのワクチンもトップ集団を走っており、試験の結果次第ではバイオンテックのワクチンがトップで承認される可能性も十分に残されています。

トランプ政権はすでにバイオンテックとファイザーから最大6億回分のワクチンを購入する契約を結んでおり、日本も同様に6千万人分のワクチン供給を受けることで合意しています。

このワクチンのフェーズ3が成功するか失敗するかはまだわかりませんが、成功した場合すぐに供給を受けることができる体制にするために日本を含めた各国が動いているのです。

日本はアストラゼネカのワクチンも1億回分以上の供給を受けることで合意したとおり、海外製のワクチンを非常に迅速に獲得しています。

2021年にオリンピックを開催するためには、ワクチンに頼るしかないということもあるかもしれません。

私も早く旅行に行けるようになってほしいですし、ワクチンが世界中で使用できるようにバイオンテックやモデルナ、アストラゼネカには是非とも頑張ってほしいですね。

株価は一時6倍以上に

バイオンテック(ティッカーシンボル:BNTX)は2019年10月にIPOしたばかりですが、初値15ドルから一時は100ドルを超えるなど、すでに株価は一時約6倍にまで上昇しました。

7月に1株93ドルで大型の公募増資をしたため、株価は下がっているところですが、ここからもしもワクチンの開発が成功したらもっと凄いことになるのは間違いありません。

しかし、ワクチンの開発は成功確率が低いですし、増してやmRNAワクチンはまだ1剤も世の中に出てきていないことを考えるとなかなかハードルが高いということも事実です。

新型コロナワクチンを開発しているベンチャー企業は、成功すれば世界の救世主になりワクチンも飛ぶように売れることは間違いありませんが、失敗すると元の株価以下になる可能性も存分にあります。

バイオンテックの株価も、もしワクチンが失敗したら20ドル程度まで下落する可能性は十分あるんじゃないでしょうか。

振れ幅が大きい分、懐が痛まない程度の金額でチャレンジするなら良いのではないでしょうか。

まとめ

バイオンテック社はmRNAに関して世界でもトップクラスの技術力を持つ企業の1つであり、ファイザーと共同開発することで今回の新型コロナワクチンで世界初のmRNAワクチンとして成功することに自信をもっています。

しかし、本来なら十分に時間をかけて臨床試験をやれるところ、今回の新型コロナワクチンは1日も早く使用可能にするためとにかく時間を詰めてやっているため、条件的には非常に厳しいです。

それでも、もし成功したら一躍世界トップクラスの製薬企業に仲間入りできる可能性も秘めているため、投資を考えた時には無視できない企業になっています。

投資する際には、現状では非常にハイリスクになりますので、少額でどうぞ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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