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アストラゼネカがアレクシオンファーマを4兆円で買収!

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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

本日、アストラゼネカがアレクシオンファーマを買収するという発表がありました。

今年の中では1番の大型買収ですね。

今日はこの件について思うことを記事にしたいと思います。

AZがアレクシオンファーマを買収

本日、アストラゼネカがアレクシオンファーマを買収することが発表されました。

買収金額は日本円にして約4兆円。

2020年12月現在のアレクシオンの時価総額は約2.8兆円ですので、40%強のプレミアムがついたことになります。

しかし、アレクシオンの近年の株価は非常に割安に放置されていたため、40%強のプレミアムを支払ったとしても、アストラゼネカにとっては非常に良い買収になった可能性は高いですね。

アレクシオンといえば希少疾病治療薬ですが、希少疾病では既存の治療薬がないため、患者さんが治療薬を待ち望んでいることや、どの疾病も競合がほとんどないことなどによって価格が非常に高くつくケースが多くなっています。

このため、アレクシオンは既存の大手製薬企業と比較しても非常に高収益体質の企業の1つとなっています。

アストラゼネカはがんの治療薬に強いですが、ここに希少疾病治療薬のポートフォリオと研究開発力がプラスされることで、さらに会社としての成長が期待できるようになるのではないでしょうか。

正直、アレクシオンはどこの会社が買収してもプラスにしかならない非常に優良な企業でしたので、なぜ買収されないのか不思議でした。

今年の6月頃に、アストラゼネカがギリアド・サイエンシズに買収を打診したという報道がありましたが、これが実現しなかったことによる代替案なのかもしれませんね。

単純にポートフォリオや開発力、そして買収金額をみても、ギリアドよりもアレクシオンの方が費用対効果が良さそうな気がします。

会社の売上高規模でも、2019年の売上高でアストラゼネカは約220億ドル、アレクシオンは約50億ドルです。

両社を合わせると、単純計算では世界の製薬企業の売上高ランキングでも8位か9位くらいに入ってきそうです。

アストラゼネカの将来性にさらに期待ができそうですね。

アレクシオンのMRにとっては・・・

会社としては非常によい統合に見えますが、社員にとってはどうでしょうか。

まず最初に気になるのは、アレクシオンはMRの年収が非常に高いということですね。

ベンチャー系の会社らしく基本給が高いということももちろんですが、付与されるRSUの株数が業界内でも多いということを聞いたことがあります。

RSUについてご存知でない方は「バイオベンチャーのRSUって何なの?という話」もぜひどうぞ。

RSUは簡単に言うと、給与の一部を自社株で支給する制度で、アメリカの新興ハイテク企業ではわりと一般的な制度です。

年収の10%~30%くらいが自社株になりますので、社員は会社の業績に関心を持つようになりますし、簡単に転職しにくくなります。

しかも、付与された自社株は3~4年に分割されて支給され、毎年付与されると常に数年後まで「付与されたのに支給されていない」株式が目の前にぶら下がっている状態になるので、アメリカでは「黄金の手錠」という異名がつけられているユニークな制度です。

説明が長くなりましたが、アストラゼネカにはRSUの制度はないため、買収後にはアレクシオンのMRもRSUがもらえなくなる可能性が大きいという懸念があります。

アレクシオンMRはRSUの額が大きいだけに、大きな年収減になるでしょうね。

アストラゼネカは業界内でも決して年収が低くはありませんが、アレクシオンの年収はハッキリ言って業界でかなりトップ級です。

ベンチャー系は基本、新卒がいませんので、MRによって年収のバラツキが大きいですが、アストラゼネカの所長よりも年収の高いMRはザラにいると思います。

RSUがもらえなくなることで、アレクシオンとアストラゼネカの社員の年収は同じくらいになるのかもしれませんね。

いずれにしても、年収をキャッチアップされるとアレクシオンMRは苦しいんじゃないかと思います。

もう一つ気になることは、買収後のポジションですね。

アレクシオンのMRは50名くらいしかいなかったと思いますので、アストラゼネカ側の負担にはそれほどならないんじゃないかと思います。

しかも、どれも専門的な希少疾病薬ですので、統合直後はいきなりアストラゼネカが主導するのは厳しいでしょう。

ただ、数年もするとどうなるかはわからないという不安もありますね。

アレクシオンMRが担当している製品がピークアウトしたりすると、同じ領域で新薬が出てこないことには部署ごと解体される可能性は高いですよね。

それでまた希少疾病薬の部署に異動させてくれれば良いですが、今までの外資系の買収パターンをみると、アストラゼネカ側の部署にどんどん異動になっていくんじゃないかと思います。

数年後には、アストラゼネカの社員もアレクシオンの社員もごちゃまぜになっているというのがおおかたのパターンです。

合併されるのが嫌だと言っても、今は転職できる保証もありませんし、増してや年収が高すぎるとさらに選択肢が狭まりますので、どちらにしてもアレクシオンのMRにとっては厳しいですね。

ベンチャー系にいる私としても、決して他人ごとではないですが。

まとめ

買収されることによってアレクシオンの株価は40%以上上昇するはずですから、RSUをたくさん抱え込んでいる社員にとってはかなり大きな資産になると思います。

あとは、年収が下がることで今後のモチベーションを保つことができるかどうかですね・・・。

しかし、こういうことは今後も起こってくるわけで、外部要因によって給料や社内的な立場が一気に変わるということは想定しておかなければなりませんね。

会社の仕事一本に賭けるというのはどんどん危険になってきていることを感じます。

場合によっては異業種への転職、そして会社以外からの収入などを模索しておくことが大事です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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