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アビガンの研究結果をねじ曲げて承認しなかった医務技監がクビになった話

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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

厚生労働省は7月31日、医系技官トップの鈴木康裕医務技監が退任し、後任に福島靖正国立保健医療科学院長を充てる人事を発表しました。

聞きなれない役職なので、気にする人は少なかったかもしれませんが、私自身はけっこう衝撃を受けました。

なぜなら、サラリーマンである私も職場で何度か同じようなシチュエーションに出会ったことがあるような、サラリーマンあるあるだからだと思います。

どういうことなのか、共有していきたいと思います。

医務技監とは

医務技監とは、厚生労働省の官職である医系技官のトップで、事務次官級の役職です。

医系技官というのは、厚生労働技官であり、医師免許もしくは歯科医師免許を持っていて、保険医療にかかわる制度づくりの中心となって活躍する技術系行政官のことです。

医務技監は2017年7月に安倍政権下で新設されたポストで、今回退任した鈴木康裕氏が初代として就任していました。

今回の新型コロナの感染拡大防止のためPCR検査の拡充やアビガンの早期承認を期待されていました。

アビガンの承認見送りで安倍首相が激怒!?

安倍首相は5月の記者会見で「アビガンの5月中の承認を目指したい」と表明していたことから、おそらく政府内では一丸となってアビガンの承認に向かって動いていたのだと思います。

アビガンの臨床試験は藤田医科大学が主導で行ってきましたが、主要評価項目である「6日目まで(遅延投与群が内服を開始するまで)の累積ウイルス消失率」で有意差を出すことができませんでした。

ただし研究責任医師の土井洋平教授は、この試験では症例数が89例と少なく、レムデシビルのように1000例を超える症例数で試験を実施できていれば有意差が出る可能性は十分にあると評価しています。

実際、通常投与群(1日目から内服開始)と遅延投与群(6日目から内服開始)とでウイルス消失率について比較をしており、有意差はつかなかったものの通常投与群の方がウイルス消失率は高い傾向にありました。

さらに、安全性についても重篤な有害事象はみられなかったことから、その可能性もあるかもしれません。

でも日本では1000例もの症例を集めることは困難でしょうから、治験を成功させるのは至難のワザですね。

この試験は3月上旬から5月中旬まで行われていましたが、有意差を出すことができなかったことを受けて、厚生労働省はアビガンの5月中の承認を見送ったわけです。

しかし、ここからは想像の域ですが、政府はすでにレムデシビルを特例承認していたわけですし、首相がこの試験がある程度の結果を出せば続けて承認を出すつもりで前述のコメントを表明していました。

そして、有意差は出せなかったものの、有効性を示す一定の結果が出たわけですから、官邸としては承認する流れで動いていたのかもしれません。

それを、医務技監である鈴木氏が、「いくら首相の肝入りとはいっても、試験において統計学的有意差が出なかった以上、保険医療として特別扱いするわけにはいかない。」と5月中の承認に反対したのではないでしょうか。

これは医務技監の立場からすれば当然の判断で、厚生労働省は過去のサリドマイド事件や薬害エイズなどの教訓を活かさなければならないからです。

要するに鈴木医務技監は、ボスの意向を汲んで過去の過ちを繰り返すか、正義を貫いてボスに嫌われるかという2択にせまられて後者を選択したということではないでしょうか。

案の定、官邸の怒りを買ってクビになったと。

ここまで重大な事案ではなくても、これってサラリーマンじゃあよくあるシチュエーション

じゃないでしょうか。

ボスの判断は間違っている。でも正しいことをすれば出世は遠ざかる。

アビガンは軽症の患者に早期に投与して早く回復させるために承認を目指していた薬です。

鈴木氏の正義感に私は拍手を送りたいと思います。

まとめ

安倍政権ではこの任期の間にたくさんの疑惑が浮上しました。

森友学園問題、加計学園問題、元TBS山口敬之氏問題、桜を見る会問題、黒川元検事長問題など、通常では考えられない問題が続出し、まさに疑惑のデパートと呼べる政権ではないでしょうか。

今回の新型コロナにおいても、アベノマスクでは446億円を計上していながら実際には90億円程度だったとか、それだけの予算をかけておいてカビや虫入りのマスクが届いたりと、疑わしいことは続いています。

そういう政権で、正しいことをした人がクビになるということがあったとしても、「まあ、そうだろうな」という感じに思えてしまいます。

アビガンは新型コロナウイルスに効果がある可能性がある現状では数少ない直接的抗ウイルス薬ですので、是非とも臨床研究で良い結果が出て承認になってほしいと思っています。

しかし、ルールや事実をねじ曲げてまでそれをするというのはやっぱりいかがなものかと思います。

かなり私見と想像が入った記事ではありますが、みなさんはどう思われますか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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