こんにちは。
現役MRのリョウタです。
日本は長期にわたってデフレが続いているせいで、平均給与は25年以上も上がっていません。
むしろ、25年前よりも下がっていますね。
そんな中、製薬会社は景気に左右されにくいということもあって、MRをはじめとした社員の給与は下がっているということはほとんどないと思います。
MRで良かった!
MRは勝ち組だ!
てことで果たして良いのでしょうか?
今回は昨年の日本の民間の平均給与の件と、MRの給与は今後も同じように上がっていくのかについて考えてみたいと思います。
日本の平均給与は昨年も低下
国税庁から、令和元年の民間給与実態統計調査の結果が発表されています。
調査結果を順番にみていくと、まず民間の給与所得者数は5,990万人で前年よりも78万人増加しています。
それに並んで、支払われた給与総額も231兆6,046億円ということで前年比で3.6%増加です。
これはなぜかというと、純粋にバリバリ働く人の数が増えたのではなくて、定年退職の年齢が上がっていることが影響しているのではないかと思います。
本来なら、もう引退して悠々自適に生活できるはずの年齢層の人が、もう少し働かなければ生活が苦しくなるために引退できないということで、日本にとってあまり喜ばしくない理由での労働人口増加ですね。
そして平均給与ですが、前年比1.0%減少の436万円でした。
平成30年の平均給与は441万円でしたから、5万円の減少です。
日本の民間の平均給与が最も高かったのは、1997年(平成9年)の467万円でしたから、20年以上経っても日本人の給料は上がらないどころか、平均で30万円以上も減っていることになります。
インターネットが普及して、監視されながらストレスが大きくなっている割に給料が下がっているのですから、幸福度も下がってしまいますよね。
話を戻して、令和元年の平均給与の内訳をみると、男性は前年比1.0%減の540万円であるのに対し、女性は前年比0.8%増の296万円となっています。
女性の給与が増えていますが、女性が優遇されているとかそういうのではなく、不景気なので女性が以前よりもアルバイトから正社員の仕事をするようになったり、結婚して専業主婦になることができず、仕事を続けざるを得なかったりしているということが影響しているんじゃないでしょうか。
また、正規社員は前年比0%の503万円ですが、非正規だと前年比2.5%減の175万円ということで、非正規社員がさらに安月給で働かされるようになっているのが浮き彫りになっています。
政府主導で最低賃金の引き上げも4年連続で行われているにもかかわらず、非正規の給与がこれだけ減少しているのは、思うように正社員の仕事に就くことができず、非正規の仕事への応募が増えているということに他なりませんから、日本の構造的な問題はここなのではないでしょうか。
MRは勝ち組なのか
続いて、業種別の平均給与ですが、最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の 824 万円、その次が「金融業、保険業」の 627 万でした。
電気・ガス・熱供給・水道業は毎年安定して給与が高い業種として知られていますが、新卒者から定年間際の社員まで合わせた平均が824万円というのは相当高いですね。
MRはこの辺の業種に勝るとも劣らない平均給与なので、本当に恵まれています。
最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の 260 万円。
差がありすぎますね。
たしかに平均給与が高い電気・ガスや金融業、保険業、製薬などは高学歴の人でないとなかなか就職することができませんが、宿泊業や飲食サービス業の人と比べて給与が約3倍違うほど大きな差があるのでしょうか。
これらの業種の人にも当然、優秀な人はたくさんいます。
たまたま就職する業種が違ったというだけというのも大いにあり得ると思っています。
MRという職業を知ることができて、なんとか潜り込むことができてラッキーですね。
勝ち組というより、運が良かったと言う方が大きんじゃないかと思います。
ただ、今後は本当にわかりませんよね。
直近の6年間で8,500人もMRが減っているわけですし、現実に外資系も内資系もガンガン早期退職やっていますから。
どこの会社も業績はそこまで関係なく早期退職で急いでMRを減らしていますから、逆に大規模な早期退職をやっていないところの方が異常なんじゃないかとすら思えてきます。
日本人の社長は大規模なリストラをするのが苦手ですから、人は切らない代わりに、社員の賞与や昇給、福利厚生などを巧妙に削減して人件費カットをしようとしている会社があっても不思議ではない気がしますね。
MRだからといって、「自分は勝ち組だ」とふんぞり返っていると早期退職に応募させられたり、日当や福利厚生を廃止されて実質給与カットなんてこともあり得ますから、思考停止は良くないです。
まとめ
上記の国税庁による民間給与実態統計調査は昨年の調査結果です。
つまり、新型コロナウイルスの発生前です。
それなのに日本の平均給与は下がっているんですから、日本が厳しい状況に置かれているというのがよくわかります。
令和2年の調査結果が出るのは来年ですが、間違いなく今回発表された令和元年の調査結果よりも平均給与が悪化するでしょうね。
それ以降も給与が上がる気配がありませんから、日本という国が心配になります。
サラリーマンで働いてさえいれば人生安泰な時代は終わりました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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