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Veeva社のApproved Emailをどう使いこなすか

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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

皆さんの会社はVeeva使ってますか?

外資系はけっこうVeevaを使っているイメージですが、内資系でも大手は使っていますね。

私は外資系ばかり4社動いていますが、全ての会社でVeevaを使っていました。

このVeevaではApproved Emailという、メルマガのような機能を有料オプションとして追加することができるのですが、新型コロナの影響でこのVeevaのApproved Emailを使う会社が増えているみたいですね。

だけど、各社がこういうメルマガのような一方通行のメールを医師に送ると医師の受信boxはエライことになってしまうことが容易に想像できます。

うちの会社はMR数が少ないこともあってわりと早くからこのApproved Emailを使っていますので、今回はどうすればうまくこのようなシステムを使いこなせるかということについて共有してみたいと思います。

Veeva Systems社ってどんな会社?

Veeva Systems社はアメリカのカリフォルニア州で2007年に設立されたソフトウェア企業です。

日本法人は2011年に設立されました。

もともとはセールスフォース・ドットコム出身のPeter Gassner氏とハーバード大学MBA出身のMatt Wallach氏がクラウドソフトウェアに可能性を感じて共同設立した若い会社です。

設立当初は製薬企業に特化したクラウドベースのシステムを提供するところからスタートしていますが、現在では他のヘルスケア企業にまでサービスは拡大しています。

現在では主にヘルスケア企業の800社以上がVeeva社のサービスを利用しており、2019年にはビジネス誌のフォーチューンが毎年発表している急成長100社ランキングで14位にランクインするなど業績は急成長しています。

業績の成長にともなって2013年にニューヨーク証券取引所に上場した株価は2020年4月現在で4倍以上になっています。

ヘルスケア業界に特化しているということで他の競合の参入障壁が高くなっており、独占的なかたちでサービスを提供していけるというのが強みですね。

今後も新しいサービスを開発して提供するごとに800社以上の固定客に販売していけるので高い成長を継続していけるのではないかと思います。

Approved Emailは医師にとってスパム?

Approved Emailは2013年から開始されたサービスですので早くから導入して使用している製薬会社も少数ですがありました。

各製薬企業が自社でコンプライアンスを通してVeevaの中に入れたファイルのみを添付することができるようになっており、文章のテンプレートも決まったものがあるのでMRは手軽にメールで医師に資料を送付してPRを行うことができます。

これはたしかに便利ではあるのですが、一方で送られる側の医師は不特定多数のメールが各製薬会社から届き受信boxを圧迫します。

しかも領域専任制を取っている外資系の会社だと横のつながりはほとんどありませんので、それぞれの担当MRが同じ医師に送信するとさらに受信メールの数が増えます。

おまけに製薬会社のコンプライアンスが通っているのは大半がパンフレットに近いような情報ですので、専門委であればあるほどすでに知っているような内容であることが多いです。

このような理由でApproved Emailをよろこんで受け取っている医師はほとんどいないでしょうから、会社がVeevaに格納する資料を全て送信しているともはやスパムメールと呼ばれても仕方がないですね。

新型コロナの影響によって直接パンフレットを手渡すことがなくなったため、製薬企業にとって製品名の暴露を続けるために必要なPR活動の一つになるということは否定しませんが、受け取る医師の立場に立って考えることも忘れてはいけないと思います。

医師の立場に立った使い方

受け取る側の医師にスパムだと思われてしまったら、どんなに内容の濃いメールを送信してもそれはスパムになってしまい見られることなく削除されてしまうでしょう。

ではどうすればスパムにならずにできるだけ閲覧してもらえるのでしょうか。

医師が閲覧するメリットがあるものを厳選して送信する

まずはこれです。

会社が格納してくる資料を1通1通バカ正直に送信するのはスパム認定してくださいと言っているようなものです。

直接訪問ではシェアオブボイスの要領で数を重視している医師もいたかもしれませんが、メールは開かないと見てもらえませんのでとにかく数を追い求めるのはやめた方がいいです。

医師によって興味があるジャンルも内容も違いますので、1人1人の医師に合わせて厳選したものだけを送信するようにすることはApproved Emailを生かすためには必須だと思います。

開始する前に送信の可否を尋ねる

相手のメールアドレスを知っているからと言って許可なくApproved Emailを送信し始めるのもスパム認定されやすい行為です。

まずは相手にコンタクトをとってApproved Emailについて説明し、定期的に送信しても良いか同意を取ると嫌がられる可能性がグッと下がりますし、閲覧してもらえる可能性も上がります。

もちろん、1回ずつ送信する前に確認するというのも見てもらいやすくなるという意味ではアリかもしれません。

自分の受信boxにいつの間にかしょっちゅうメルマガが来るようになってイラっとした経験は誰でもあると思います。

そういう思いを医師にさせないためにも事前許可を得るという作業は必要なのかなと思います。

オンライン面談などと組み合わせる

Approved Emailを送るだけでなく何か他のコンタクト手段と組み合わせる方が見てもらいやすくなりますし、どんな内容でも価値のあるものになりやすくなるので有効です。

一番わかりやすいのは、新型コロナで直接面談がなかなかできない今ならオンライン面談ですね。

オンライン面談でディスカッションをした内容の補足として「資料をApproved Emailで送信したのでご確認ください」というふうにすると、スパムという認識になることはほとんどなくなるんじゃないかと思います。

もちろん、電話の後「資料はメールで送っておきます」というときにApproved Emailとして送信するのも良い使い方だと思います。

いずれにしても、リモート活動では1つの手段というよりも複数の手段を組み合わせて行う方が効果的になるんじゃないでしょうか。

無差別送信はMG

「米国では新型コロナ前からリモートが常識という話」で紹介したとおり、米国のように日本のMRも半分程度がリモートで営業活動を行うようになっていくのでしょうが、今はまだ各社が本腰を入れ始めたところです。

いろいろなトライ&エラーを繰り返していくうちに製薬会社と医師双方にとって最適な形になっていくとは思いますが、まだ完全に受け入れられていない今だからこそ慎重にやっていく必要があると思います。

簡単で便利なシステムだからといって、無差別かつ頻回に使いすぎると完全に逆効果になり得る「諸刃の剣」的な要素がありますので十分にモラルを持って使っていきたいものです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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