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ロシュの新型コロナ抗体検査薬も米国で緊急許可!PCR検査と抗体検査の違いとは?

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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

ギリアド社のレムデシビルに続いてロシュ社の新型コロナウイルスの抗体検査薬もアメリカで緊急使用が許可されましたね。

世界最大級の検査薬メーカーのロシュ・ダイアグノスティックスの検査薬は精度が高いことで有名ですし、今回の新型コロナ抗体検査薬も精度は「ほぼ100%」と謳っていますので期待ができます。

簡便で素早い検査ができるようになって、重症度に応じた薬剤が投与できるようになり、ワクチンが打てるようになれば新型コロナウイルスもそれほど怖くなくなってくるんじゃないでしょうか。

日本でも早期に承認される可能性が高いですので、新型コロナウイルスとの闘いに一歩前進ですね。

PCR検査と抗体検査って違うの?

ロシュ社の新しい新型コロナウイルス抗体検査薬は「Elecsys® Anti-SARS-CoV-2」という商品名で認可されています。

じつはロシュ社は2月にも新型コロナウイルスPCR検査薬の「LightMix」を発売しています。

どちらも新型コロナウイルスに感染しているかどうかを検査する薬ではあるのですが、この2つの検査薬は本来の用途が全然違います。

感染症の薬を担当しているMRならご存知だと思いますが、そうでないと混同してしまいそうですのでこの2つの検査薬の違いについてまとめてみたいと思います。

PCR検査薬

2020年5月初旬の時点では、TVなどで「なぜ日本もPCR検査をもっとやらないのか」「日本はPCR検査の数が少なすぎる。わざと少なくして実際の感染者数をごまかしているのか」という話をしているのを聞いたことがあると思います。

実際にそういう意図ももしかしたらあるのかもしれませんが、通常臨床では他の感染症でもPCR検査をスクリーニングのためにガンガンやるということはまずありません。

なぜなら、PCR検査は血液中の抗体を測定する抗体検査とは違い、ウイルスそのものを測定する非常に精度が高い主に研究用の検査だからです。

PCR検査はPolymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)検査の略です。

PCR法という、特別な装置を使ってDNAやRNAを増幅させて遺伝子を測定する検査方法を用いるのがPCR検査ですね。

これだと、リアルタイムに今体内にウイルスが存在しているかを確認することができるので検査という意味では精度が非常に高いというメリットがあります。

しかしデメリットとしては、特殊な装置がないと測定できないのでコストがかかりますし、クリニックでインフルエンザ診断キットを使ってする検査のように数分で結果がでるわけではなく何時間もかかってしまうということがあります。

このような理由で、新型コロナウイルスに罹っているかどうかをスクリーニングするのにPCR検査をやっていたら医療崩壊を起こす原因になってしまうから広く実施できないということがあります。

抗体検査

これに比較して抗体検査というのは文字通りウイルスに対して人間が作った抗体があるかどうかを検査する方法です。

ご存知のように体内に抗体があるかどうかは今現在ウイルスが体内にいるかどうかということに直結しないので、検査精度としてはどうしてもPCR検査に劣ります。

過去に感染したことがあっても抗体は体内に残るので、既往感染の人でも陽性と判定されていまいます。

その反面、特別な装置が必要なく、数分から30分以内くらいで結果が出ますしコストも安く抑えられるというメリットがあります。

このような特徴から抗体検査はスクリーニング検査に適していますので、感染が疑われる多くの人に検査を行うことができます。

ロシュ社の新型コロナウイルス抗体検査薬はまさに世界中が待ち望んでいた検査薬ということですね。

PCR検査と抗体検査の違い一覧

2つの検査方法の違いを一覧表にまとめました。

PCR検査抗体検査
目的現在感染しているか感染歴があるかどうか
精度高い低い
時間最低数時間10分~20分
方法主に鼻粘液採血
コスト高い安い

PCR検査はウイルスの量や遺伝子型を調べたりすることで高い精度の検査を行うことができますし、抗体検査は短時間で多くの人をスクリーニングすることができます。

これら両方の検査が新型コロナウイルスでも可能になったことで、インフルエンザなど他のありふれたウイルス感染症に一歩近づくことができたわけです。

唯一、抗体検査は血液検査ですのでクリニックなどではまだその場ですぐ結果を知ることができないというのが課題です。

いずれインフルエンザのように簡易診断キットが出てくれば、クリニックでもその場ですぐに結果がわかるようになります。

日本でも早期承認へ

アメリカの緊急使用認可を受けて、日本でも5月じゅうに承認申請を行うと発表されています。

おそらくこちらもかなり早く承認されるでしょう。

日本でも使用可能になると、感染したけど無症状で終わった人の免疫獲得状況を調べることもできるので、ある程度無差別に検査をしてどのくらいの割合で感染しているのかがわかりますね。

あとは軽症例(といっても38度近くの熱が何日も出ている人)に対して必要な場合に投与できる抗ウイルス薬とワクチンあたりが出てくればとりあえずそこまで怖くなくなるんじゃないでしょうか。

高齢の人や肺機能が弱い人はもう今までよりもずっと気を付けて生活しなければならなくなったかもしれませんけどね。

少しずつ通常の社会活動を取り戻すための準備が進んでいてうれしいです。

緊急事態宣言も延長される見込みで飲食業や小売業、旅行業など直接的に強く影響を受ける業種に従事される方にとっては死活問題ですので政府はそのあたりの救済策を手厚くしてほしいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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