MRの将来性

内資系中堅製薬メーカーMRの将来性が低いのはなぜか

MRの将来性
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こんにちは。

現役MRのリョウタです。

内資系中堅製薬メーカーは日本の国民皆保険制度と高齢化社会、生活習慣病薬ブームによってこれまで成長して来ることができましたが、本当にこの先も長く成長していける会社ばかりなのでしょうか。

過去に内資系中堅製薬メーカーの疑問点についていくつか記事を書いていますが、どこから見てもやっぱり将来性は「??」というふうに思ってしまいます。

今回は内資系中堅の製薬メーカーに勤めるMRの方にはちょっと角が立つ内容というか、愛社精神を持って働いている方には申し訳ないのですが、主観はないですのでご容赦ください。

将来性というのは個人の能力ということではなく、あくまでも会社としての将来性ということです。

個人的に能力あるMRの方は、場合によってはどこかのタイミングでより将来性あるフィールドを探してみるのも良いのではないかと思い、記事を書かせて頂きます。

製薬業界の営業利益率

内資系中堅の製薬メーカーにもいろいろあるんですけど、やっぱり大手に勝てない理由というのがあるはずです。

新薬の開発力とか、欧米の有力企業とのアライアンスに関わるコネクション力とか、資金調達力とか、単純に経営陣の力とか。

どれが大きな影響を与えているかは会社によって違いますし、1つか2つしか当てはまってない会社もあれば全て当てはまっている会社もあると思います。

しかし、けっこう多くの内資系中堅製薬メーカーで共通しているのが「営業利益率」の低さです。

営業利益率とは、売上高から製造原価と販売費や一般管理費を差し引いた利益のことで、単純にいうと「会社の本業で得られた利益」のことを指します。

MRは営業職なので「販売費」のコストとして計上されていますし、本社部署の多くの社員、それから研究開発部門の社員のコストは「一般管理費」として計上されています。

ちなみに、同じ人件費でも、製造工場などの社員の人件費は販売費ではなく製造原価にあたります。

本社や製造工場などの社員は会社の規模なりの数で、会社によってそこまで大きく差はないと思われます。

しかしMRの人数は会社の売上規模にかかわらず差があって、売上に見合わないMR数の会社が散見されるのです。

下の表は内資系製薬メーカーの売上、営業利益とMR数です。

大手の場合は中堅以下と比べて売り上げ規模が10倍程度違いますので、規模のメリットが効いてMRが多少多くても高い営業利益率をキープすることができます。

しかし、中堅以下は売上高や営業利益が大手に比べて10分の1以下にも関わらず、MR数は2分の1や3分の1程度です。

つまり、大手と比べて「1つの製品を販売するのにコストをかけ過ぎている」と言えるのではないでしょうか。

オレンジ色の内資系中堅メーカー4社をみてみると、大手と比べて明らかに売上高や営業利益率とMR数とのバランスが悪いです。

日本の製造業の営業利益率は平均4%程度と言われていますので、他業種と比べると高利益率と言えるのかもしれませんが、製薬業界の中だと歪んで見えます。

また、黄色のメーカー2社はMR数は抑えられていますが、営業利益率が低すぎます。

製薬企業は研究開発に莫大なコストがかかるため、そのぶん利益率が高くなければならないはずで、営業利益率が低い状態が続く会社はその分MRの給料も低くなるはずです。

この傾向が続いていくならば、MRの給料を下げられたり、今後さらにリストラが待っていても不思議ではないんじゃないでしょうか。

ちなみに、表には記載していませんが、塩野義製薬の営業利益率は2019年で38%ありました。

塩野義製薬は国内の製薬業界の中でも特に高い営業利益率を叩き出していて、以前から3割前後をキープしている高利益体質の企業です。

中堅メーカーでも高利益体質を維持するなど輝く特徴があれば良いですが、売上や利益が伸びないのに利益率も低い、MR数だけは多くて給料が高いとなると、将来もそれが継続するのかはとても疑問です。

中堅はこのままのMR数でやっていけるのか

ここ数年で外資系の大規模なリストラが行われ、それは現在も継続していますが、最近では国内の大手もリストラに着手しています。

エーザイ、田辺三菱製薬、アステラス製薬 中外製薬、大日本住友製薬、協和発酵キリン、鳥居薬品などが直近でMRを大きく減らしています。

鳥居薬品以外はすべて大手と呼ばれている製薬企業で、要するに業績が良くて利益率も高い大手がリストラをして、業績が微妙で利益率が低い中堅が全くと言っていいほどリストラをしていないのは異常だと思うのは私だけでしょうか。

先ほどの表でオレンジ色や黄色になっていたような中堅メーカーは未だにほとんどMR数が減っていません。

販売費で最も大きな割合を占めるのは言うまでもなく人件費ですから、マンパワーが必要な新薬が間近に控えているのでなければ、必要のない数を削減することが株式上場企業としてはやるべきことのように感じます。

また、これらの中堅は海外売上高比率も低かったり、もしくはほぼ0なのですが、日本市場が将来的に縮小していく可能性が高いにもかかわらず海外に目を向けていないのも不思議ですね。

中堅メーカーで頑張っているMRの方は、自分のいる会社の少し先を見据えることはより重要になってくるんじゃないでしょうか。

まとめ

やっぱり、日本人は欧米人ほどドラスティックにビジネスを行うことができませんから、大胆なリストラを実行できる経営者は少ないですね。

雇用されている側としてはリストラされたらたまりませんし、人情のようなものがあるのは日本人の良いところですけどね。

私はリストラなどでまとまったお金がもらえるのならその方がありがたいので、「自分がいる会社がリストラやってくれないかな~」と思っています。

内資系だと希望退職でけっこう退職金が割増しされる印象がありますし、同じように思っているMRの方はそれまで淡々と待つというのもいいかもしれません。

既に人口が減り始めている日本の、開発力が低い中堅製薬メーカーを今さら欧米のメガファーマが買収してくる可能性は低いものの、日本参入を目指す中国や韓国の企業との合併話なら今後あるかもしれませんね。

適当な予想を言いましたが、いろんな可能性を考えた方が備えられて良いかなと思って言ってみました。

安定のない時代に突入していますので、複数のプランを立てて動けるようにしておきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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